日本一早いマラソンマラソンレポート「国宝松江城マラソン2018」

「1回目だしね」と割り切れるかどうかが、国宝松江城マラソンを評価するときのひとつの基準になるかもしれません。コースも好き嫌いが分かれるかもしれません。

東京マラソンや大阪マラソンといった大都市マラソンが好きな人は、途中で何度も寝落ちしそうになるくらい退屈だったかもしれません。少しのアップダウンはあるものの、かなり平坦で視界には常に湖が入ってくるだけ。

でも、自然豊かな景色の中を走れるのは地方マラソンの魅力でもあります。普段なら観光できても車で通過するだけの景色を、何時間も楽しめるわけです。走るスピードだから見える景色もあります。

島根で開催されるフルマラソン。待ちに待ったランナーは多かったはずです。年に一度、神々が集うこの地を駆け抜けることができる。歴史が好きな人はそれだけでもワクワクするかと思います。

それに加えての松江城です。日本のお城の中でも国宝とされているのは、姫路城、彦根城、犬山城、松本城、松江城の5つしかありません。

日本有数の観光地でもあり、そして日本海の美味しい魚介類に地酒。旅ランとしてこんな条件の揃った地はそうはありません。出雲大社もすぐ近くにありますので、海外ランナーにも受けがいい大会になりそうです。

特に台湾人ランナーは第1回にも関わらず、かなり多くのランナーが参加していました。ここから口コミで広がると、500人くらいはすぐに集まる可能性があります。日本の歴史を感じられて、美しい自然を感じられるわけですから。

※公式プログラムには海外参加者が「香港・男性5名」となっているという問い合わせがありましたが、実際に台湾からのランナーをお見かけしています。なぜそうなっているかはこちらでは分かりませんので、気になる人は大会事務局へお問い合わせください。

また、RUNNING STREET 365への問い合わせに関しては、きちんとしたメールアドレスを記載していただけないと回答できません。このような形ですと問い合わせされた方に回答が届かない可能性がありますので、よろしくお願いします。

第1回開催ということで様子見にしたランナーさんも多いかと思いますが、国宝松江城マラソンはいずれ、クリック合戦になってもおかしくない大会です。でも現実はと言うと、RUNNETではかなり辛口の評価がついていました。

正直なところ70点台だと厳しいなと思っていたら、当日の夜の時点では50点以下という評価になっていました。ただ、その多くが「来年も走りたい」でしたし、実際に走ったわたしもそれには同意です。

低評価になった理由のひとつが、準備不足にあります。

当日発行するはずの完走証が機器のトラブルで後日発送になってしまいましたし、荷物預けの袋に貼るシールが用意されておらず、さらにはゼッケンには穴が空いていませんでしたので、専用のクリップを使っている人も安全ピンが必須でした。

給水でコップが足りないという評価もありますが、これは第1回大会でよくあることですのです、RUNNING STREET 365としてはマイカップの持参を常に呼びかけています。コップがあるのは当然ですが、ない可能性に関してはランナー側が用意しておくという文化も必要です。

「もっとこうあるべきた」という意見がかなり多い内容でしたが、それは参加者の期待の現れでもあります。「ここさえ良ければ…」という想いがこもったメッセージですの、運営側がそれを真摯に受け止めて来年に活かせばいいことです。

すでにランナーの多くはかなり目が肥えています。いくつもの素敵な大会を知っているので、ついついそれらと比較してしまいます。でも、マラソン大会にはそれぞれの地域の個性があります。

他の大会から学ぶことも大切ですが、それを追求しすぎると松江城マラソンの個性が失われます。欠点をなくすことは、必ずしも人気が高まることとはイコールではありません。欠点を消してメリットが消えた大会はいくつもあります。

もちろん、大会当日に完走証が出せないというのは大きな問題です。エイドでコップが足りないのもどうかと思います。でもフードが26km地点以降にしかないのには運営側の意図があるはずです。26kmのエイドにはエネルギーになりやすいものが多く並んでいました。

国宝松江城マラソンの最大の特徴は、華美になりすぎないようにコストをできる限り抑えているという点にあります。9,000円の参加費で完走メダル付き。通常、完走メダルがある大会の多くが1万円以上の参加費です。

徹底したコスト削減を狙った結果、応援naviやタイムをウェブで確認するサービスは導入していません。そのため完走証を発行できなくなりましたし、結果をすぐに確認するのもできませんでした。

このあたりはリスクとコストのバランスの問題であり、ランナーは事務局の判断をを尊重すべきだと、わたしは考えています。

いろいろ至らない点はありました。でも、大会事務局の迅速な対応に関しては、第1回とは思えないほどにスムーズで、判断力の早さには驚きしかありません。わたしは完走証の当日配布をとりやめたタイミングに列に並んでいましたが、混乱を広げないためには最適は判断でした。

トップダウンで指揮命令系統がしっかりしているのか、各部門ごとの責任者にきちんと権限を与えているかのどちらかしか考えられません。いずれにしても、責任者が必ずいて、自分の判断でその場を動かしているように感じました。

今回の国宝松江城マラソンで足りていないのは、経験だけです。

トイレの数が足りないのも、どれだけ必要なのか分からないというのもありますし、赤字にはしたくないという思いもあったことでしょう。仮設トイレを借りるのには1台で数万円かかります。

少しでも経費を抑えたいなら、仮設トイレを潤沢にというわけにはいきません。しかもトイレがなかったわけではなく、比較的空いているトイレもありましたので、足りないのはトイレの数ではなく、トイレの場所の案内です。

それもこれも全部経験です。

2〜3年も経験すれば、間違いなく改善されます。それだけの人材が国宝松江城マラソンにはいます。問題は、それまでランナーが我慢できるかどうか。今年低評価したランナーも、あと数回は来てくれます。問題はそれが途切れる前に改善できるのかということです。

改善するには外部の力、外部の視点が絶対に必要です。厳しいことを言ってくる運営会社の存在も重要です。正直なところ、完走メダルはなくてもいいから、もっと大会の質を高めることにお金を使うべきだとは思います。

とはいえ、来年の完走メダルがないと、それはそれでブーイングされますが。

今回はいろいろな不足も「第1回だから」という理由で許容してもらえても、これがいつまでも続くわけではありません。国宝松江城マラソンはもっとポテンシャルが高い大会だと多くの人が持っているので、事務局はそれに応えなくてはいけません。

そういう意味では、これから1年が踏ん張りどころです。

個人的な感想としては、1年目なのによくやってるなということと、対応の早さと判断力の早さが好印象な大会でした。感じ方は人それぞれかと思いますが、いい大会に育つ可能性は強く感じています。

まだ落ち着くまでは近づかないのが懸命かもしれませんが、RUNNETでの評価点ほどには悪い大会でもなく、旅ランとして考えたらプラスになる要素がかなり多い大会です。今回の反省をどう活かすのかについても、むしろ興味があります。

今年出られなかったというランナーさんで、興味があるという人はぜ出場してもらいたい大会のひとつです。そして、素直な意見を発信して国宝松江城マラソンがいい大会になるためのサポートをしてもらえればと思います。

マラソン大会は事務局や自治体が作るのではなく、参加者全員で作り上げるものですから。

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