日本一早いマラソンレポート「第5回飯能ベアフットマラソン」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

裸足ランナーの祭典、飯能ベアフットマラソンが埼玉県飯能市で開催されました。今回で5回目の開催になり、昨年までの全日本選手権からアジア選手権に格上げされています。

会場となる飯能のトレイルの入口、加治神社の広場は青々とした芝生に包まれて、裸足ランナーを優しく迎えてくれます。

会場にはこだわりのパン屋さんや、裸足をモチーフにしたアクセサリー屋さんなどのショップも並びます。地元の人がちょっと遊びに来たくなるような大会というのが、今年のコンセプトのひとつなのかもしれません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そして見渡す限りの裸足ランナー。シューズの部もありますが、ここで当たり前のようにシューズを履くことはこの上なく度胸がいります。いつもは裸足ランナーがマイノリティですが、今日この日だけはシューズランナーがマイノリティ。

集まったランナーは300名以上。21kmを走る裸足ランナーは70名ちょっとで、そのうち女性ランナーは4名です。さすがに裸足でハーフマラソンを走る女性は少ないようです。

参加が多いのは10kmですが、初めての裸足マラソンということで5kmからの参加になるランナーもいます。

トップの裸足ランナーはアップダウンの激しいコースを1km4分台で駆け抜けます。

フルマラソンを裸足でサブスリー達成しているランナーや、裸足100kmの非公認世界記録保持者、そして裸足王子こと吉野剛さんという、裸足ランニングを代表するランナーが勢揃い。

大会の開催は幼児の部とキッズの部から。

泣きながら走るのを拒否する子もいれば、スタートまでの号砲を待ちきれない子もいます。キッズの部も幼児の部もシューズでもOKなのですが、さすがベアフットマラソン。ほとんどの子どもが裸足です。

そして裸足で本当に上手に走ります。大人の裸足ランナーが嫉妬するレベルで器用に地面を掴みます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

痛い痛いと言いながらゴールを目指す子もいましたし、頬に涙のあとがついている子もいました。もしかしたらそれを行き過ぎた教育だと思う人がいるかもしれませんが、涙を流しながらもゴールを目指した子どもは、きっと大人たちが思っている以上の何か手にしたような気がします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そしていよいよアジア選手権、21kmのスタートです。

昨年の倍の人数の参加者と言われていて、スタート直後の渋滞が心配されましたが、多少の渋滞はあったものの比較的スムーズなスタートでした。

ただし、全体の進みが昨年に比べて早すぎるペースでレースが進みます。

その原因のひとつとして100km裸足マラソンの非公認世界記録を持つ山田選手の飛び出しでした。本人曰く「普通に走ったら飛び出してた」とのことですが、明らかに集団全体がそのペースに引っ張られていました。

それでもさすがアジア選手権です。ほとんどのランナーが1周目をなんなくクリア。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

その間に10kmと5kmのランナーもスタートします。こちらは21kmと比べて「初めての裸足トレラン
」の人が多かったため、トップランナーと後方のランナーとでは技術的に大きな違いがあります。

ただし共通しているのはガレ場で足が痛くとも前に進もうという意志と、痛みを笑顔でのり切ろうというランナーたちの連帯感。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

一方の21km勢。めまぐるしく変わる上位の順位。それぞれの思惑とコンディションや駆け引き。そしてそれぞれのライバル心むき出しの意地の張り合い。「これぞレース」というような展開が続きます。

反対に上位勢の争いとは違い、後方のランナーはひたすらに自分との戦いです。

歩きたくなる自分との戦い。

「ちょっとぐらい歩いてもいいじゃないか」「少しぐらい楽してもいいじゃないか」そんな気持ちと戦う強い意志。自分に負けないことが10km、5kmも含めて、裸足で走るランナーたちのモチベーションです。

お互いに声を掛け合い、折れてしまいそうな気持ちをつなぎ留め、それぞれのゴールへと導いていきます。

この一体感こそが飯能ベアフットマラソンのすべてかもしれません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

全国各地口から集まった裸足ランナーが飯能でひとつになる。初めましても、久しぶりも関係ありません。ここに集まる裸足ランナーは上位陣の争いも含め「チーム飯能ベアフットマラソン」です。

一方のシューズランナーはというと・・・ワラーチやビブラムファイブフィンガーズを履いているランナーはともかく、普通のランニングシューズを履いているランナーは本当に居心地が悪そうで辛かったかと思います。

裸足ランナーが苦痛で顔を歪めるようなガレ場をシューズランナーは平気な顔で走るわけですが、そのときにシューズランナーがバツの悪そうな表情になるわけです。決してシューズランナーが悪いわけではないのに。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

この大会はここまで、シューズランナーの存在が裸足ランナーにとってのひとつの目標でした。ところが300人以上の裸足ランナーが集まるとなると、シューズで走ることが「間違っている」ような気持ちにさせられるのでしょう。

そういうこともあり飯能ベアフットマラソンは来年以降、シューズでの参加をNGとする方向性で調整が進んでいます。思い切った方向転換ですが、飯能ベアフットマラソンが大きくなっていくためには避けられない道なのかもしれません。

今回で5回目の開催で、参加人数も大幅に増えました。

第1回開催で強かった裸足ランニングクラブの色もいまではほとんど感じることがないほど、全国各地から裸足で走ることの楽しさを感じている裸足ランナーが集まる大会にまで成長しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ただし大会のキャパシティはそろそろ限界です。

飯能ベアフットマラソンは次のステップへと進む時期に来ているのかもしれません。それらはきっと実際に運営をしている人たちが一番強く感じていることなのかもしれませんが。

この世界に二つとない、裸足の祭典としてのマラソン大会。そして事務局と選手の距離の近さを守りつつ、さらにここから一歩踏み出す。

決して簡単なことではありませんが、飯能ベアフットマラソンのスタッフたちならきっと、その答えを示してくれるはずです。

スポンサーリンク

スポンサーリンク