ナイキ ズーム ペガサス ターボ レビュー@宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソン

発売前にナイキのズーム ペガサス ターボのレビュー記事をお届けしましたが、そのときは1マイルを走っただけでしたので、このシューズの本質の部分のお話はしましたが、使用感という部分では伝えきれなかったので、今回は実際にレースで使ってみた内容で再レビューすることにしました。

その前に、多くのランナーが勘違いしている部分について簡単に説明しておきます。以前のレビューでもお伝えしましたが、ナイキ ズーム ペガサス ターボは速く走るためのシューズではありません。

トップランナーが履けば、もちろんキロ3分半くらいのスピードで走ることはできます。スピードだけならキロ3分だって出せます。でも、このシューズはリカバリーランや、ロング走に使うために開発されたシューズです。

「ターボ」の名前は「ペガサス」にかかっていますので、ペガサスよりはスピードを出せるというネーミングですので、立ち位置としてはズームフライとペガサス35の間にあるシューズです。

そのことをしっかりと頭に入れた上でレビューを読んでください。細かいことは以前のレビューを確認してください。

加速するペガサス「ナイキ ズーム ペガサス ターボ」 レビュー

宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンで使用した理由

使用したレースは日本一早いマラソンレポートでもご紹介した、宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンです。この大会で使用してレビューを書こうと思った理由は、ナイキ ズーム ペガサス ターボが疲労しにくいシューズとして開発されているためです。

例えば、エリウド・キプチョゲ選手はこのシューズをポイント練習翌日のリカバリーランや30km走という長距離ランニングに使用します。このことから分かるのは、とても疲れにくいランニングシューズだということです。

24時間リレーマラソンは、10人以上のランナーでタスキをつなぎ、24時間の間に何回も走ります。最初の1回だけ速くても意味がなく、24時間を通して均等に走り切ることが求められます。本当に疲労しにくいなら、最後までしっかり走り抜けるはずです。

さらには、それなりにはスピードを出すことができるという点も重要です。クッションだけがしっかりしているのではいけません。「ターボ」としてきちんとある程度の反発力があるので、リレーマラソンのシューズとしてはとても相性がいいはずです。

ただし、これは両方ともにシューズコンセプトによるもので、実際に走ってみてそのコンセプトに合ったシューズなのかを検証してみました。

ナイキ ズーム ペガサス ターボでは全力で走らない

今回のコースは約1.8km(ガーミン計測で約1.75km)です。リレーマラソンは日中の元気なうちは1人1周で回します。このため、スピードはかなり追い込むことになります。

また、コースの前半に高低差28mくらいのアップダウンがあります。タスキを受け取った直後に上り坂。そしてそこから一気に下りますので、上り坂で体力を消耗し、下りで筋力を使ってしまう難コースです。

しかも下りでスピードに乗り過ぎると、その後のフラットな路面でオーバーペースになり、1km以降にかなりの失速をしてしまいます。

1周ずつで交代するときには、このコースを3:45/kmのペースで走りました。ちなみにこのレースの10日前に中山道ランというものをしていたのもあり、8月17日間で月間走行距離が600キロオーバーとなって、足にはそこそこ疲労が溜まっています。

このペースで走るときには、基本的には足裏全体で着地して、踵部にあるターボを聞かせるフォーム材で加速するイメージで走っています。スピードは出しますが、息は上がるか上がらないかの境目くらいの状態です。

これでもそこそこスピードが出るなという印象でしたが、1人の担当が1回で2周になったときに、スピードをかなり落としました。4:10/kmくらいです。これくらいのスピードになると息を整える必要もなく走れます。

ただ、自分の感覚とスピードがまったく一致しません。自分ではだいぶ遅いなと感じているのに4:10/kmよりもスピードが出ていることが何度もありました。足に力を入れていないのに、軽く走れる感覚。

意識はしっかりとシューズの上に体重をかけることだけです。

おそらく私にとっては4:10/km前後が、ナイキ ズーム ペガサス ターボ を履いたときのベストなスピードなのでしょう。無理にスピードを出そうとすると、無駄な筋力を使ってしまって消耗しますが、最適なスピードで走ればかなりロスを減らすことができました。

間違わないでほしいのですが、4:10/km前後がこのシューズのベストなスピードというわけではありません。このスピードは人によって違います。最適なスピードはそれぞれに違いますので、自分で見つけてください。

ただはっきりしているのは、全力で走ろうとしたり、頑張ろうとしたときにはロスが発生しているということです。リラックスしながらもしっかりと足を運ぶことができるくらいのスピードが最適に限りなく近いと考えてください。

筋肉疲労が驚くほど軽減されるランニングシューズ

この筋肉疲労が残りにくいという点に関しては、これまでよく理解できていませんでした。ほとんど体感できないくらいの軽減で、トップランナークラスにならないと感じることができないものだと思っていました。

ところが、宮ヶ瀬湖24時間リレーの中で、何度もランと休息が繰り返されても、筋肉が張ってくるということはほとんどありません。もちろん多少の疲労はありますが、それも自分でほぐす程度で改善されます。

心拍数的にはかなり上がってしまっても、走り終えた後の足の疲労感がかなり軽減されているのがはっきりと分かります。

通常のトレーニングで、3:45/kmで走ったら何本も走ったら足がすぐに悲鳴をあげます。ところがナイキ ズーム ペガサス ターボを履いて走ると、何時間経過しても足がつらいという状態にはなりませんでした。

普段の24時間リレーマラソンでは、仮眠をすると起きたときに筋肉が強張ってしまうのですが、今回はそれが1回もありませんでした。寝て起きて少しほぐすだけで、また同じように走ることができたのはかなりの驚きでした。

マラソンのトレーニングにおいて、疲労しないというのはとても重要です。それだけ回復時間も短くなりますので、ポイント練習の回数を増やすことができます。3日に1回のポイント練習が2日に1回になれば、練習の効率は1.5倍になるわけです。

これはヴェイパーフライ4%が発売されたときから言われていましたが、その「疲労しにくい」というのをこうやって目の当たりにすると、感動せずにはいられません。ナイキ ズーム ペガサス ターボはそれくらい疲労しないランニングシューズです。

ただし、レース翌日にはきっちりと筋肉痛が来ました。とはいえ、これは力任せに走った結果です。最初から4:10/kmを貫き通せば筋肉痛も回避できるのではないかと感じています。

ナイキ ズーム ペガサス ターボは走り方が重要

ナイキ ズーム ペガサス ターボを実際のレースで使用してみてわかったのは、力を入れないで走れば、かなり気持ちよく走れるシューズだということです。ただし、ナイキ ズーム ペガサス ターボに合った走り方をするのが大前提です。

ただし、フォアフット着地をするランナーが履いていつも通り走ろうとすると、まったくスピードに乗ることはできません。

ターボ装置は土踏まずのやや後ろあたりに埋め込まれていますので、接地はほぼフラットで、そのターボ装置にしっかり体重を乗せたときに、ナイキ ズーム ペガサス ターボの真価が発揮されます。

シューズに走り方を合わせることに関しては賛否があるかとは思いますが、少なくともこのヴェイパーフライ系列のシューズは、まずはシューズありきでそこに人が合わせるように出来ています。

そして、その走りをきちんと再現できれば、疲労も少なくそこそこスピードを出して走ることができます。そういうシューズですので本気でスピード練習をしたい人やレースで自己ベスト更新を狙うならこのシューズは適していません。

適材適所という言葉があるように、ランニングシューズにも最適な使い所というのがあります。ナイキ ズーム ペガサス ターボはかなり注目されているシューズですが、万能なシューズではありませんので、購入前に自分の使用用途にきちんと合っているのか考えてから購入しましょう。

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