走行効率を追求したアシックスの万能タイプのランニングシューズ「EVORIDE（エボライド）」

2021年1月7日

アシックスと言えば、薄底で陸上競技色の強いランニングシューズというイメージがあるかもしれませんが、2019年のメタライドの発表から立て続けに、走行効率を追求したランニングシューズを「ENERGY SAVING FAMILY」として発売しています。

そのENERGY SAVING FAMILYの第3弾として、軽量でスピードを出せるタイプのEVORIDE（エボライド）が2020年2月7日に発売されることが決まりました。そこで、ここではエボライドがどのような位置づけのランニングシューズになるのか、現在わかっている範囲内でご紹介していきます。

エボライドはストライドの効率を高めて気持ちよく走れるシューズ

まずはENERGY SAVING FAMILYについて説明しておきましょう。

このシリーズのランニングシューズは、アウトソールの前側にGUIDESOLE（ガイドソール）と呼ばれるカーブを設けています。このGUIDESOLEによって、少ないエネルギーで足を前に運べるような構造になっています。

接地するときの衝撃をうまく吸収しつつ、まるで自転車に乗っているかのようにスムーズな足の運びができるのが特長です。足をスムーズに運ぶことができるので、後半になっても失速しにくいという特徴があります。

もちろん、エボライドもそのコンセプトから作られているため、長く走り続けられるランニングシューズに仕上がっています。

今回エボライドが発表されたことで、ENERGY SAVING FAMILYは3種類のラインナップになりました。このシリーズが気になっているランナーにとって、この3種類の違いが気になりますよね。アシックスの見解としては、次のような位置づけになっています。

METARIDE（メタライド）：サブ5〜完走
GLIDERIDE（グライドライド）：サブ4〜5

エボライドはグライドライドの上位モデルということですので、フルマラソンを3時間30分〜4時間程度で走るランナーのシューズ。もしくはサブ3以上のランナーがジョグなどで使うシューズという位置づけになります。

比較してみるとわかりますが、上位モデルになればなるほど価格が安くなっています。エボライドはなんと税抜10,000円という驚くべき価格です。ここからわかるのは、上位モデルほど機能を削っているということです。

おそらく安定性を下げているのだと考えられます。メタライドはまだ走れる体ができていないランナーでも走れるように、足運びのサポートを強化しています。このためシューズが重たくなるのですが、サブ4を狙うランナーならすでに足ができているので、そのサポートを取り除いているというわけです。

それに加えて従来の2モデルと比べるとソールが薄くなっており、これらの要素が軽量化につながり、さらにパーツ点数も減っているのでこの低価格を実現しているというわけです。軽さはスピードに直結しますので、サブ4やサブ3.5を狙うランナーにとっても魅力的なシューズに仕上がっています。

安定性が削られているなら、エボライドではなくグライドライドやメタライドにしようかなと思うランナーさんもいると思いますが、今すぐにフルマラソンを完走しなくてはいけないのでなければ、初心者でもおすすめはエボライドです。

確かにサポート機能では劣るかもしれませんが、サポート満載のランニングシューズは補助輪付きの自転車に乗っているようなものです。いずれ補助輪は安全性が高まりますが、スピードは出せなくなりますし、自転車を乗りこなすバランス感覚は養えません。

いずれ補助輪は外すのだから、最初から補助輪はなくていい。

もちろん、サポートが少ないわけですからケガのリスクはあります。でも、それを最初からわかっていればケガは回避できます。慣れるまでは1回の走行距離を短くして、2〜3年かけて徐々に走れるようになればいいんです。

そうやって作り上げた体は、簡単には壊れません。

数カ月後のフルマラソンがあり、そこで結果を出したいならグライドライドやメタライドが適していますが、これからランニングを始めるというのであれば、ぜひエボライドを1足目として履いてみましょう。もちろんサブ4以上を狙うランナーさんにも履いてもらいたいランニングシューズです。

これまでにない感覚のランニングシューズで、走ることの楽しさを思い出させてくれる1足です。まだ発売前でレビューができていませんが、履ける機会があればレポートしたいと思います。

よかったらシェアしてね！