フランスで人気のスポーツ用品メーカーのデカトロン。他のメーカーとは違い、自社で開発した商品を自社の店舗で販売するというビジネスモデルが特長で、現在は61カ国1700店舗も展開している世界トップクラスのスポーツメーカーのひとつです。
ただし、日本で店舗ができたのは2019年の西宮店が初めてで、今年オープンとなったデカトロン幕張店が2店舗目になります。今後さらなる展開が予定されていますが、日本で馴染みのないメーカーですので、実際に幕張店を取材してきましたので、どのようなメーカー、どのような店舗なのかご紹介していきます。
デカトロンの特長
デカトロン幕張店についてご紹介する前に、デカトロンについて簡単にご紹介しておきます。デカトロンができたのは1976年のこと。フランスのリールに「同一店舗であらゆるスポーツが手に入るストア」をコンセプトに創業しました。当時はまだ大型のスポーツショップでした。
ところは、創業から10年に経過したときに、フランスの大手自転車メーカーがデカトロンへの納品を躊躇したことで、デカトロンは製品調達を自社で行わなくてはいけなくなりました。そのときに他社から買ってくるのではなく、自社ブランドで作るという道を選びました。
その経験から、取り扱うすべてのスポーツの商品を自社で開発し、それを自社で販売するというスタイルが定着しています。このメリットはずばり「価格」にあります。他のメーカーのように販売店の利益を考えなくていいため、すべての商品を格安で提供できるのがデカトロンの強みです。
ただし、ファストファッションブランドとは違い、とにかく安いだけの商品も取り扱っていますが、大手スポーツメーカーと同等の品質のアイテムや、自社だけのオリジナルアイテムも取り扱っていおり、高品質な商品ですら安く購入できます。
実際にフランスのトップアスリートの中には、デカトロンのアイテムを使っている選手もいて、クオリティの高さが証明されています。
デカトロンのランニングアイテムの強み
デカトロン幕張店ではありとあらゆるスポーツアイテムが揃います。ランニングはもちろんのこと、アウトドアや球技、自転車、フィットネスなど、人気のスポーツアイテムが並んでいます。残念ながら剣道や空手といった、日本独自のスポーツアイテムまでは取り扱っていませんが、ランニングであればすべて揃います。
ランニングシューズは1,980円の低価格帯のものから、フルマラソンで勝負するための1.5万円程度のシューズまで並び、さらにはトレラン用シューズも取り扱っています。面白いのが、ランニングの頻度によって提案しているシューズが違うのだとか。
週に1〜2回のジョギング程度なら、数千円の安価なシューズで十分ということで、高いものではなくお求めやすいものを積極的に提案していくとのこと。また200gの軽量シューズも置いていますが、クッション性を省いているので、フルマラソンでの利用はおすすめしないと、はっきりと言ってくれます。
この「はっきりと言う」というのがデカトロンの強みであり、デカトロンのショップにまで行く最大の強みです。他の大きなスポーツショップでは、シューズの細かな特長まで店員さんがすべて把握できるわけではなく、商品に関する情報を正しく伝えることができません。
ところがデカトロンは自社で作っているアイテムですので、テンポのスタッフはすべてを知り尽くしています。実際に利用しているアイテムばかりなので、その強みも弱みも知り尽くしており、最適な使い方、最適なアイテムを提案してもらえます。
ただし、ランニングシューズに関しては、上級者モデルのラインナップの少なさと「他の商品と比べてやや価格が高い」という弱点があります。本当はもっと安く提供したいけど、現在は日本での店舗が少なく他の国よりもやや高めの設定になっているとのこと。
また日本ではランニングシューズが大幅値引きされて売られるので、定価ではデカトロンのほうが安いものも、実売では価格が逆転することもあります。さらに、日本では履いている人も少ないということで、なかなか手が出ないというのが実情です。
足を入れた感じは、とても可能性を感じるシューズでしたので、いずれRUNNING STREET 365でもシューズレビューをする予定ですが、シューズに関しては、まだ「おすすめです！」とは言えません。
それでもトレランアイテムなどは、とてもリーズナブルでシンプルなデザインで機能性もよく考えられています。これからトレランを始めるというのであれば、アイテムをすべてデカトロンで揃えるというのもありかと思います。
個性的な自分を演出したい人におすすめ
デカトロンはよくユニクロと比較されることのあるメーカーですが、ただ安いだけではないというのが実際に店舗を取材してみて感じたことでした。安さは強みのひとつですが、大手スポーツメーカーに負けないだけの技術があります。
ランニングにおいて足りないものがあるとすれば、サブ3を狙うためのランニングシューズくらいのもので、サブ3.5くらいまでなら問題なく対応できます。他のアイテムも低価格でシンプルなデザインなので、さらに機能性もこだわっています。
それでいてフランスブランドという、日本ではなかなか変わった選択肢のひとつで、まだ知名度が低く使っている人もかなり少数派です。ということは、デカトロンのランニングシューズを履いていれば、まず間違いなく「それどこのシューズ？」と聞かれます。
そこで速く走れればかなりカッコいいのですが、それは本人次第ということで。
本来なら低価格を推したいところですが、悩ましいのが幕張店のある海浜幕張駅にはアウトレットパークがあるということ。これにより価格だけなら、大手スポーツメーカーとそれほど変わりません。ただ、デザインセンスという部分では、フランスらしい色使いとムダのない機能美に溢れたアイテムばかりです。
みんなと違う自分を演出したいのであれば、デカトロンは十分に選択肢のひとつに入ってきます。
現在は西宮と幕張のみの展開ですが、これから店舗が増えていくはずです。そうなるまえにまずはいずれかのお店に行くか、オンラインショップをチェックしてみましょう。オンラインショップでは古いモデルをクリアランスセールでさらに安く売っています。気になるという人はぜひチェックしてください。
