【シューズレビュー】確かなことは明らかに速いということだけ。アディダス「SUPERNOVA PRIMA」【PR】

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アディダスから荷物のお届けがあるとの不在連絡票。何が届くのかワクワクしていたら、発売されたばかりの「SUPERNOVA PRIMA」でした。「SUPERNOVA PRIMA」を紹介した記事で、SUPERNOVA RISEを相棒にしていると書いたからか、だったらこちらもレビューしてみてということなのでしょう。

SUPERNOVAはランナーの好みに合わせていくつかの種類がラインナップされていて、「SUPERNOVA PRIMA」はその中でもスピードを出せるシューズ。「でも、SUPERNOVAだしADIZEROには及ばない」なんて思っていました。実際に履いて走ってみるまでは。

目次

追従性が高く足を回せる「SUPERNOVA PRIMA」

公式サイトでのSUPERNOVA PRIMAの重さは290g(27cm)。SUPERNOVA RISEよりも重たくなっていたので、なぜSUPERNOVA PRIMAのほうが速さを出せるシューズなのか、ずっと気になっていました。シューズは軽いほうが速く走れるというのが一般的な考え方です。

ただ手元にある2足を実測してみたところ、なんとSUPERNOVA PRIMAのほうが軽いという結果に。これは誤差の範囲ではありますが、この時点で「SUPERNOVA PRIMAのほうが重いのに」という疑問は消えてなくなりました。この2足の重さはほぼ同等です。

モデル公式実測値
SUPERNOVA PRIMA290g(27cm)257g(25.5cm)
SUPERNOVA RISE277g(27cm)258g(25.5cm)

そうなると今度は別の疑問が湧いてきます。重さが同じで、同じシリーズのシューズであるなら、そのシューズの持つポテンシャルもそれほど大きな差はないのでは?シューズレビューするほどの違いを自分で感じられるの?と不安になってしまいましたが、足入れをした瞬間にその疑問も消えました。

履いた瞬間に別物であることがわかります。SUPERNOVA RISEは足を包み込むような安心感のある履き心地なのですが、SUPERNOVA PRIMAにはそれがありません。その包み込むような安心感がSUPERNOVAの魅力だと思っていたのですが、どうやらSUPERNOVA RISEの個性だったようです。

ただ、お気に入りポイントだったのは事実で、その優しさがないとなると、SUPERNOVA PRIMAがどんな走りを提供してくれるのかまったくイメージがつきません。不安だけが膨れた状態で、SUPERNOVA PRIMAを履いて走り出したのですが、2〜3歩でもうわかりました。

SUPERNOVA PRIMAはやばいやつです。

先にSUPERNOVA RISEで走ってから、SUPERNOVA PRIMAで走ったのですが、とにかく足が回ります。ジョグのつもりで走っているのに、足が回るからスピードが勝手に上がっていきます。この走りをもたらしている要因は、包み込むフィット感を捨てたアッパーにあります。

包み込みはしませんが、ADIZEROシリーズに近い張り付くようなフィット感があり、足の動きにしっかり追従してきます。SUPERNOVA RISEは足を持ち上げるときに、アッパーがクッション分だけ追従が遅れてしまいますが(おそらく0.1秒以下の世界ですが)、SUPERNOVA PRIMAにはそれがありません。

SUPERNOVA RISEは高いクッション性とのトレードオフで、どうしてももっさり感が出てしまうのですが、SUPERNOVA PRIMAはもっさりではなくキビキビと走れるといった違いがあるので、2足は同じシリーズでありながらも、まったく違った性格を持ったシューズになっています。

他のジョグシューズと比較してみた

他のジョグシューズとの違いについて、もう少し具体的に比較してみましょう。今回は下記の3足で比較してみました。

  • SUPERNOVA RISE
  • SUPERNOVA PRIMA
  • ADIZERO SL 2

シューズのポテンシャルを知りたいので、条件としてはピッチを180bpmに揃えて走っています。それぞれのシューズを履いて2km走り、その走りをモーションセンサーで分析した結果を見ていきましょう。

かなり興味深い結果になりました。SUPERNOVA RISEのペースが遅いのは想定通りですが、SUPERNOVA PRIMAとADIZERO SL 2のペースがほぼ同じで、しかも左右の対称性の部分でSUPERNOVA PRIMAのほうが高いスコアになっています。

この数字が高いほうがいいということを前提にすれば、SUPERNOVA PRIMAはADIZERO SL 2よりも優れていることになります。これは走っているときの感覚と違うというのが最も興味深い点で、SUPERNOVA PRIMAよりもADIZERO SL 2のほうが「走っている」感が明らかに勝っていました。

とはいえSL 2はADIZEROなので、いくらジョグシューズとはいえ、もう少しスピードが出ていないと本領発揮できないのではないかと推測。そこでピッチは変えずに(実際には少し上がっていますが)、フルマラソンを走るイメージで走ってみた結果が次の図になります。

なんとこちらもペースもフォームの評価もほぼ同じという結果に。ただ、走っているときの感覚は似ているところはまったくありません。ADIZERO SL 2は弾む感じが強く、SUPERNOVA PRIMAはこのスピード領域ですとほとんど弾まないので、自分の足で地面を押し出す感覚が強くなります。

とても同じペースで走っていたとは思えないくらい、まったく違う走りだったのに、結果が同じでグラフの図形まで同じ形になっています。どちらも重心移動の点数ががジョグのときよりも低いのは、フォアフットになり上手く体重を乗せきれてなかったからかもしれません。

いずれにしてもシューズのポテンシャルだけで考えると、SUPERNOVA PRIMAとADIZERO SL 2を比較すると同等で、ジョグでのランニングフォームの安定性という意味ではSUPERNOVA PRIMAのほうが優れているという結果になりました。

ではレースもSUPERNOVA PRIMAのほうがいいかというとそうではなく、この3足の中でレースシューズに履くなら、間違いなくADIZERO SL 2を選びます。その理由については次章以降で解説していきます。

「SUPERNOVA PRIMA」ならトレーニングシューズにもなる

SUPERNOVA PRIMAの強みは、ナチュラルにスピードを出せることにあります。地面を強く蹴り出す必要もなく、テンポよく足を回すことができれば、ジョグでもキロ5分を出せます(個人差あり)。だったらフルマラソンにも使えるのでは?と思うかもしれませんが、使えるかどうかで言えば「使えます」。

でももっとフルマラソンに適したシューズ、もっとタイムを出せるシューズがいくらでもあります。SUPERNOVA PRIMAは優れたランニングシューズではありますが、クッション性がそこまで高くないので、速いペースを何時間も維持し続けるのには向いていません。

それこそ同じくらいのスピード領域になるADIZERO SL 2のほうが、後半の失速を防ぐことができます。ではADIZERO SL 2を買うべきなのかというと、それはシューズの使用用途によって異なります。たとえばADIZEROシリーズはどのシューズも「走り続ける」ことを前提にしています。

だから走っているときには安定しますが、立ち止まったときや歩いたときには、SUPERNOVAシリーズと比べて安定性が下がります。SUPERNOVAは安定性が優れているので、ウォーキングにも使えますし、スクワットなどのフィジカルトレーニングにも適しています。

反発もクッション性もそこまで大きくないため、ジャンプなどの高負荷トレーニングにも適しています。だったら、SUPERNOVA RISEでもいいのでは?となりますが、いざ走るとなったときには、SUPERNOVA RISEはキビキビと走るのがあまり得意ではありません。

SUPERNOVA PRIMAは「安定感がある・スピードを出せる」という長所があり、「長い距離は得意ではない」といった短所があります。レース用シューズは別にあるから、普段は10km程度をテンポよく走れればOK。筋力アップのtらめにフィジカルトレーニングも行いたい。そんな人に向いている1足になります。

オールマイティではないけどベースになる1足

フルマラソンでサブ3を狙うような人で、普段から15kmや20kmも走っている場合には、SUPERNOVA PRIMAを選ぶ理由はあまりありません。履き心地が好きだとか、ジョグはとにかくゆっくり走るというのでなければ、SLやBOSTONのほうが向いています。

でも、そんなランナーは限られていますし、むしろ最近はマラソン大会に出ないランナーの方が増えつつあります。SUPERNOVAシリーズは、そんなランナーにぴったりのランニングシューズで、SUPERNOVA PRIMAはその中でも運動経験があり、そこそこのスピードを出せる人に適しています。

安定性と引き換えにやや重たくなっていますが、1回に走る距離が10km前後というのであれば、重さを気にする必要はありません。スピードを出せるシューズに仕上がっているため、走り出せばほとんど重さを感じることはないはずです。

私もサブ3を狙うランナーの1人ですが、私の場合には1回に10km程度しか走らない(10kmを朝晩の2回走る)のでSUPERNOVA PRIMAとの相性がいいと感じています。やはり嬉しいのはフィジカルトレーニングに使えるという点です。

40代も後半になってくると筋トレをせずに走力を維持することが難しく、1週間に1〜2回の筋トレが必須。そのときに普通のランニングシューズでは立ち止まったときの安定性がないのですが、SUPERNOVA PRIMAはほどよい安定性があり、分割なら距離も踏めるのでベースシューズとしては最適です。

ただ赤が眩しすぎて、合わせるウェアが思いつかず、旅先に履いていくのはちょっと難しいかもしれません。赤は走るモチベーションが上がりますが、使える範囲が限られてしまうので、仕事や旅行でも使いたいなら、ホワイトをベースとしたモデルをおすすめします。

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