「RUN FOR THE OCEANS@お台場ナイトマラソン」レポート

海洋プラスチック汚染について日本ではそれほど多く語られていませんが、これは世界中で議題に上がっている大きな環境問題です。そんな環境問題に対して高い意識を持ってもらいたい。RUN FOR THE OCEANSはそんな想いを込めて開催されたランニングイベントです。

主催はスポーツブランドのアディダスと海洋保護と海洋破壊防止を目指すパーレイ(Parley for the Oceans)です。アディダスとパーレイはスポーツを通じて、海洋プラスチック汚染問題への関心を高めてもらうための活動を昨年からスタートさせています。

昨年は日本での活動もそれほど多くなかったこともあり、注目度もそれほど高くはありませんでした。とはいえ海に囲まれた国である日本において、海洋プラスチック汚染問題は決して他人事ではありません。

日本人にも関心を持ってもらいたい。そんな想いで今年のRUN FOR THE OCEANS開催が決まりました。

アディダスとパーレイはRUN FOR THE OCEANSとして世界の主要6都市で12のランニングイベントを開催すると発表しましたが、そのなかのひとつが「RUN FOR THE OCEANS@お台場ナイトマラソン」です。

RUN FOR THE OCEANS@お台場ナイトマラソンは、お台場ナイトマラソンの同時開催企画で、RUN FOR THE OCEANSの参加者はお台場ナイトマラソンのスタート前に、レースと同じ3.5kmのコースを仲間と一緒に走ります。

会場に集ったのはアディダスのランニングコミュニティでもあるadidas Runnersのメンバーを中心とした200名。参加者に配られたプラスチック廃棄物を素材に使ったTシャツを身にまとって、初夏のお台場を駆け抜けました。

ランイベントのスターターにはサッカー日本代表としても活躍した、鹿島アントラーズの内田篤人さんが駆けつけました。

内田さんは伊豆出身ということもあり、海は子どもの頃からの遊び場であり、その海がプラスチックによって汚染されている現実を「よくないこと」として、W杯開催中の忙しいなかRUN FOR THE OCEANSの活動に参加しています。

本人は走れる状態にないということで、スターターだけの参加でしたが、現在も多くのサッカーファンに愛されている選手ですので、姿を現しただけで会場の雰囲気が華やかなものに変わります。

スタート前にはオープニングセレモニーとして、海洋プラスチック汚染がいかに深刻な状態であるか、それに対してアディダスとパーレイが何を行っているのかについて、アディダスジャパンのトーマス・サイラーさんが参加者に説明します。

すべてを理解するには時間が足りなかったかもしれませんが、こういう意識の改革というのは、1度のイベント開催でできるというものではなく、これから何度も繰り返して語り続けることでランナーの心に根付いていくのでしょう。

RUN FOR THE OCEANS@お台場ナイトマラソンはそのスタートラインです。

日本人のランナーに海洋プラスチック汚染問題の大きさが伝わっていくのは、ここからです。そういう意味では、開催できたということに大きな意義のあるイベントでした。

ランのコースは海の見えない3.5km。お台場は海に囲まれていますので、イベントの趣旨からすると海岸沿いを走れたら良かったのですが、ナイトランですので安全性も考えると仕方がないのかもしれません。

理想を言えば、「海岸でのゴミ拾いラン」というのが海洋プラスチック汚染問題への意識を高めるという意味では最高のシチュエーションです。企画を考える上で、おそらくそのような案も上がったことかと思います。

ただ、最初からあれもこれも詰め込もうとすると、なかなか条件が揃わずにスタートできないということになりかねません。まずは開催することが重要であり、理想の追求はこれから行えばいいことです。

環境問題への取り組みはマラソンとよく似ています。勢いよく始めても、そのモチベーションが続かずに早い段階で継続を断念するイベントがよくあります。そうではなく、しっかりと地に足をつけて自分で無理のないペースで始めること。

そのための滑り出しとしては、派手さはないもののとても意義のあるものだったように感じています。

イベント会場では海洋プラスチック汚染問題への取り組みとして、アディダスとパーレイがコラボレーションして誕生した「ULTRABOOST PARLEY」の展示が行われていました。

このブースにどれだけ興味を持ってもらえるか。それが環境問題に高い意識を持ってもらえたかのひとつの指標になります。結果的には思ったほど注目されず、ただそこにブースがあるだけという状態になっていました。

ただ、これが今の日本における海洋プラスチック汚染に対する認識の現状です。

日本では環境問題を意識するという文化がなかなか根付きにくく、自分の意思を示すことのできる特別なアイテムを身につけるという文化もほとんどありません。そんな現状を踏まえた上で「ULTRABOOST PARLEY」を選ぶということの意味をいかに理解してもらうか。

これからアディダスとパーレイが取り組んでいかなくてはいけない課題のひとつなのかもしれません。

ちなみにULTRABOOST PARLEYはアッパー素材にプラスチック廃棄物を使っているランニングシューズで、1足に約11本分のプラスチックボトルが使われています。ベースはULTRABOOSTですので、もちろんランニングに使えます。

ペットボトルで作られたとは思えないほどのフィット感があり、スピードを出してもきちんとシューズが足に付いてきてくれます。ただし、ULTRABOOSTは踵着地かミッドフットでそのポテンシャルが引き出されるシューズです。

とはいえ、このシューズに関しては機能性よりも、RUN FOR THE OCEANSの想いに賛同するかどうかが購入のポイントです。美しい海を守りたいという想いがあるなら、ULTRABOOST PARLEYはその意思表示をするのに最適なアイテムです。

すでにアディダス直営店などで発売されていますので、興味があるというランナーさんは店舗にてチェックしてください。

また7月8日までは、Runtasticアプリを使って走った距離1kmにつき1ドルがアディダスからPARLEY OCEAN PLASTIC PROGRAMに寄付されます。目標は100万キロ(100万ドル)ですので、途方もない距離ですが1人1人が力を合わせれば達成可能です。

走るだけで世界の海を守ることができるイベントですので、ぜひこの期間はRuntasticアプリを使ってランニングしてみませんか。

もちろんこの期間だけでなく、私たちランナーも地球の環境を少しでもよくするために、できるだけ日々の生活の中でもプラスチック製品を消費しないことを心がけたいところです。

エコバッグを使ったり、ゴミの量を減らしたりするなど、日常の中で1人1人ができる海洋プラスチック汚染対策はたくさんあります。その1つは小さくとも、ランナー全員が取り組めば大きな力になります。

海からプラスチック廃棄物がなくなり、ULTRABOOST PARLEYを作ることができなくなった。そういう未来のためにランナーとしてできることがあります。それぞれのスタイルで海洋プラスチック汚染に対してできること始めてみませんか。

Run For The Oceans(ラン・フォー・ジ・オーシャンズ)
【公式】アディダスオンラインショップ -adidas-

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