「adidas adizero Sub2」レビュー〜不可能を可能にするランニングシューズ〜

マラソンで結果を出すには、充実した練習とその練習に絶えられる身体的ポテンシャル、そして素晴らしいランニングシューズが必要だと、昨年の東京マラソン王者キプサングは言いました。

数年前まで、ランニングシューズは、軽量で足にフィットしていることだけが重視されていました。ところが、アディダスがBOOST™フォームを開発したことで、ランニングシューズの世界は大きく動き出します。

各メーカーが、走りを改善するための機能をシューズに付加することで、この数年でランニングシューズはかつてない進化を見せました。そして、これまで以上にマラソンにおけるランニングシューズの重要性が注目されています。

そんな中、進化系ランニングシューズの元祖ともいえるアディダスでは、フルマラソンを2時間以内で走るためのランニングシューズを発売することになりました。「adidas adizero Sub2」市販されるのは3月16日ですが、トップアスリートはすでにレースで使用しています。

東京マラソンでは王者キプサングが履いていましたが、残念ながら体調不良により、レースを途中で棄権しています。ただし、日本人ランナーでも「adidas adizero Sub2」を履き上位に食い込んだ選手もいます。

そんな「adidas adizero Sub2」を発売前に試走する機会がありましたので、いったいどのようなシューズなのか、そのフィーリングも含めてご紹介します。

目次

すべてを削ぎ落とした超軽量シューズ

「adidas adizero Sub2」を手にしてまず驚くのがその軽さです。どうすればここまでランニングシューズを軽量化できるのか、最新の技術力にはただただ驚くしかありません。

ただし、軽くても弱いという感覚はありません。ランニングシューズにおけるすべての無駄を削ぎ落としながらも、きちんと構造体としての強さは維持されています。足を入れても型くずれすることなく、それでいて足にしっかりフィットします。

BOOST™フォームは最新のBOOST LIGHTを採用することで、これまでのBOOST™フォームの半分の重さで、これまでと同じクッション性と反発力を実現しています。さらにスタビライザーを取り除き、ソール材にその効果を持たせています。

一体型のソールでありながら、前足部とかかと部は独立した動きを実現するため、無駄なパーツを使わなくても、まっすぐに走ることができます。スタビライザーがないことで、BOOST™フォームの形状がシンプルになっているのも、軽量化に役立っています。

フラットな底面にすることで、ソール全体を薄くすることができ、これまで以上に地面を感じることができるシューズに仕上がっています。

adidas adizero Sub2の狙うところ

adidas adizero Sub2はその名前からも分かりますように、トップアスリートが2時間以内にフルマラソン完走することを目指して作られたランニングシューズです。そなると、一般の市民ランナーには縁のないシューズなのかと思いきや、そういうことではありません。

実際に履いて見ると分かるのですが、adidas adizero Sub2は努力を鍛錬を積み重ねて自分を超えていこうとする、すべてのランナーが手にすべきランニングシューズです。

まず、重要なのはこのシューズはレース用のシューズだということです。基本的には練習中に履くことはありません。とはいえ、いきなり本番でこのシューズを履くわけにはいきませんので、スピード練習くらいには利用します。

キプサング選手もスピード練習に使っているそうですが、長い距離の練習などは別のシューズを履いています。練習に合わせてシューズを履き分けているそうですが、adidas adizero Sub2はいつでも履けるシューズというわけではありません。

ランニングシューズには様々な考え方がありますが、このシューズの狙うところは、トレーニングの成果を100%出し切るためのシューズだということです。最後の1滴まで絞り出すイメージと言えば伝わりやすいかもしれません。そのため、他のBOOSTシューズと比べると足の消耗を感じます。

adidas adizero Sub2で走ってみた感想

今回の試走会はアディダスのRUNBASEで開催されましたので、adidas adizero Sub2を履いて皇居周りをグルッと1周5kmを走ってみました。そこで感じたことをお伝えします。

まず、一番強く感じたことはグリップ力です。フラットな路面の場合は、しっかりと地面に吸い付きます。無駄な摩擦がないため、足の力が地面に伝わるのがわかります。

そのグリップの力もあるのでしょうが、ソールに入った切れ込みがガイドになり、走りをまっすぐにしてくれます。一切のブレがなく体が前に進みます。これはスピードを出せば出すほど顕著になります。

ただし、どちらも強引さはなく、ナチュラルな感じですので、実際に走っているとシューズは存在しないかのような「無」の状態になります。ここまで主張をしてこないBOOST™フォームは初めての経験です。

これまでのBOOST™フォームは、柔からさと反発力をはっきり感じ、走っているというよりも走らされている感覚がありましたが、adidas adizero Sub2は以前のシューズにあった地面をつかむ感覚があります。

速く走るために、無駄なものを限界まで削ぎ落とした結果、必要最低限のクッション性と反発力を導き出したのでしょう。このランニングシューズは、どれだけ鍛えてきたのかを試されるシューズのように感じます。

adidas adizero Sub2で感じた3つの気になる点

素晴らしいシューズであることは間違いありませんが、実際に走ってみて気になったポイントも挙げておきます。adidas adizero Sub2は決して万能シューズではありませんので、購入前にしっかりと頭に入れておきましょう。

粗い路面のアスファルトでは力を発揮しにくい

まず、このシューズ最大の強みでもあるグリップ力ですが、アスファルトの質によって、走りの効率が大きく変わります。アスファルトの路面なんてどこも同じだと思っている人もいるようですが、アスファルトは場所によって違います。

最近は撥水性の高いアスファルトが増え、あえてフラットにせずに路面を粗くしています。東京や大阪のような大都市のメイン道路の多くが、この粗い路面のアスファルトですので、adidas adizero Sub2はその力を発揮しづらい可能性があります。

実際のレースで履くのであれば、車道の白線を利用するなどして、推進力をきちんと作り出すなどの工夫が必要になるかもしれません。

きちんと鍛えていないとケガにつながる

まず、このシューズはタイムを狙うレースのためのシューズだということをしっかり認識してください。履けばタイムが縮まる魔法の靴ではありません。しっかりと鍛えていないと、履きこなすことはできません。

特にグリップ力が高いため、接地時間がコンマ数秒長くなります。それを意識してほんの少し早いタイミングで足を抜かないと、アキレス腱周辺に大きな負荷がかかり、ケガをする可能性があります。

日本人ランナーは筋力で地面を蹴る人が多いので、そのようなタイプの人は接地時間をやや短めにするなどの工夫をしたり、練習に筋トレを入れるなどして、アキレス腱周りの負担を減らすようにしてください。

寿命はそれほど長くない

adidas adizero Sub2はスタビライザーがないため、ソールの溝がとても重要な役割を果たします。このため、ソールが削れてしまうと、その力を発揮することができなくなります。

レース用のシューズですので、これで1000kmも走ろうと思っている人はいないかと思いますが、フルマラソンなら4〜5レースくらいがいいところかもしれません。1年に2レースなら2年くらいで寿命です。

理想は1年目に1足購入して、古くなったものをスピード練習に使うというスタイルです。おそらくadidas adizero Sub2は今後も小さなアップデートはあるはずですので、レース用には最新のモデルを使えばよいかと思います。

adidas adizero Sub2はこんな人におすすめ

ここまでの紹介で、adidas adizero Sub2がどのようなシューズなのか、そのイメージができてきたかと思います。最後に、adidas adizero Sub2はどのようなランナーが買うべきなのか、それをお伝えしようと思います。

「自分の限界を超えていきたい」

おすすめしたいランナーの条件はこれだけです。エリートランナー向けのシューズではありますが、実際にタイムはそれほど重要ではありません。体のポテンシャルは人それぞれですので、サブ4でも大変というランナーもいます。

大事なのは、昨日の自分よりも今日の自分のほうが優れていたい。そういう強い意志を持っているかということだけです。そして、自分の限界を超えるために、しっかりと走り込みをしていることが重要です。

繰り返しになりますが、これは魔法のシューズではありません。積み重ねてきたトレーニングの成果を1滴も無駄にせずに、ゴールまでを走りきるためのシューズです。

そういう意味でもタイムは関係なく、自分の限界に挑みたいというランナーのためのランニングシューズです。サブ3やサブ3.5などの不可能だと思っていた目標達成を可能にするためのレース用シューズとして、検討してみてはいかがでしょう。

2月26日(月)以降のadidas Runners のセッションにて、「adidas adizero Sub2」の貸出が実施されます(※サイズによって数に限りがあります。)。事前に試したい人はセッションに参加してみましょう。

adidas Runners
https://shop.adidas.jp/running/community/

adidas adizero Sub2商品概要

カラーハイレゾアクア×コアブラック×ランニングホワイト
サイズ23.0~29.5cm
重さ160g(27.0cm 片足)
価格18,000円(税抜)
商品番号AC8590
発売日2018年3月16日(金)

2月25日(日)18:00よりアディダス オンラインショップ、全国のアディダス直営店、SteP SPORTS などで先行予約を開始しています。

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