今年の箱根駅伝10区。日本中に驚きを与えたのは真っ白なシューズでした。ほとんどの選手がスウォッシュがデザインされた高速シューズを選ぶ中、10区の区間新記録を叩き出した創価大学所属の嶋津雄大選手の足元にはかつて見たこともないような白いシューズ。それがミズノの新モデル「WAVE DUEL NEO」のプロトタイプでした。
そう遠くないうちに発売されると噂されていたあのシューズが、ようやく発売となります。あの白いシューズの秘密はどこにあったのか、そして買うべき1足なのかについてご紹介していきます。
WAVE DUEL NEOは勝つためのランニングシューズ
WAVE DUEL NEOはミズノのランニングシューズにおける最高峰であり、激化する次世代ランニングシューズ競争において、ミズノという存在をあらためて認識してもらうための1足です。このため、ミズノが持つ技術とノウハウを詰め込んだ仕様になっています。
- MIZUNO ENERZY LITE採用
- ウエーブプレート採用
- 非厚底シューズ
ポイントはこの2点にあります。高速シューズはカーボンプレートばかり注目されていますが、次世代ランニングシューズ競争の本当の主役は、ソール材にあります。ナイキは「ZoomX」、アディダスは「ライトストライク プロ」といった、軽量で高反発なソール材を開発し、高速シューズを開発しています。
ミズノが作り出したソール材はMIZUNO ENERZY LITEで、従来のソール素材と比べると、反発性が約35%も向上しています。従来のソール材も十分に高性能だったことを考えると、そこから35%向上というのは驚きの数字です。
またミズノはカーボンプレートではなく、加工のしやすい樹脂プレートを選びました。カーボンプレートほどのしなりはありませんが、最高の反発力を得られるように陸上スパイクの開発技術を活かしてデザインされています。
そして、ミズノが選んだ道は「薄底」でした。ソールの厚さをトップランナー向けのWAVE DUELと同等にすることで、走り方のフォームを変えずに、スピードに乗った走りができる構造になっています。
見た目からもわかりますが、通常モデルはハイカットになっています。同時にローカットモデルも発売されますが、ハイカットモデルはかかと部を支えるカウンターパーツ(芯材)を入れずにフィット感を高めることができるため、ローカットモデルよりも10gも軽量です。
WAVE DUEL NEOは買い?それとも待ち?
片足185g(26cm)と軽量で、薄底でクセがなく箱根駅伝で区間記録を出すという実績もあるWAVE DUEL NEO。買うべきかどうかと聞かれれば、もちろん「買うべき」と答えます。少なくとも迷っている人が、買わない理由はどこにもありません。
あえて買わない理由を挙げるなら「いつ履くの?」ということくらいです。これだけの高機能シューズですから、やはり自己ベスト更新を狙って購入したいところです。でも、肝心のマラソン大会がありません。買わない理由があるなら「今じゃない」というだけ。
他社のシューズと違ってアウトソールにグリップ力を高める『G3ソール』を採用しており、これがすり減ってしまうとシューズが寿命を迎えます。いま購入していざレースで履くときがきたら、すでにシューズが使い物にならなくなっている可能性があります。
逆にいま購入する理由を挙げます。それはまだみんなが履いていないということ。多くの人が様子見になるでしょうから、ちょっと自慢できます。YouTuberランナーは言うまでもなく発売日に購入すべき1足です。
慌てて購入する必要はありません。特に青が好きではないという人は。お気に入りのカラーが発売されるまではこのシューズに見合うだけの体作りに専念するのがおすすめです。
WAVE DUEL NEO 商品概要
ミズノ陸上に新しい風を吹かすプロジェクトとして、2019年12月から「本気の反撃」ページを公開しています。着用選手のインタビューなど、今後も様々なコンテンツをアップしていきます。
WAVE DUEL NEO | WAVE DUEL NEO Low | |
---|---|---|
発売日 | 2020年7月中旬 | 2020年7月中旬 |
価格 | 25,300円(税込) | 20,900円(税込) |
サイズ | 24.5-28.5cm | 24.5-28.5cm |
ソールスペック | ドロップ:9mm 前足部 20mm/かかと部27.5mm | ドロップ:9mm 前足部 20mm/かかと部27.5mm |
重さ | 約185g(26cm) | 約195g(26cm) |