國學院大學の平林清澄選手にシューズのことや体のケアのことを聞いてみた

アディダスの高速レース用ランニングシューズ「アディゼロ タクミセン9」の発売(2022年12月15日)前のタイミングで、昨年の箱根駅伝9区で5人抜きを達成するなど、國學院大學の中心選手として活躍する平林清澄選手にインタビューする機会をいただきました。

RUNNING STREET 365の読者でもある一般のランナーが気になっている、ランニングシューズの使い分け方や、リカバリーで重視するポイントなどを聞いてきましたので、今よりももっと速くなりたいと試行錯誤している方はぜひ参考にしてください。

目次

國學院大學の平林清澄選手について

まずは國學院大學の平林選手のプロフィールを簡単にご紹介します。

國學院大學・経済学部・2年

生年月日:2002年12月 4日
身長・体重:167センチ、43キロ
出身地:福井・越前市
出身校:福井県立美方高等学校

第98回箱根駅伝(9区):区間2位
第25回日本学生ハーフマラソン選手権大会:1位(1時間01分50秒)
ADIZERO: ROAD TO RECORDS出場(ハーフマラソン)

平林選手は國學院大學の経済学部に在籍しており、2022年の箱根駅伝では1年生ながら9区で区間2位、5人抜きを達成するなど、國學院大學陸上競技部を牽引する選手の1人。本格的に陸上競技を始めたのが高校からという、いま伸び盛りの選手としても注目されています。

今年から國學院大學陸上競技部がアディダスファミリーに加わり、平林選手は2022年4月30日にドイツのヘルツォーゲンアウラハで開催された「ADIZERO: ROAD TO RECORDS」にもアディゼロ タクミセン8を着用して出場しています。

ランニングシューズは目的に合わせて使い分ける

平林選手は駅伝ランナーとしては珍しく、レース用シューズにアディゼロ タクミセンを愛用しています。アディゼロ タクミセンは5〜10kmという距離を走るのに適した1足ですが、ハーフマラソンも駅伝もアディゼロ タクミセンを選んだのは、相性のよさを感じたから。

そもそも薄底軽量のランニングシューズを愛用しており、厚底シューズのようにクッション性や反発力が高いシューズよりは、程よい反発力が得られるアディゼロ タクミセンが合っているのだとか。平林選手は167cmで体重が43kgと軽さを強みにしており、他の選手よりもクッション性が必要ないのかもしれません。

ただ、他のトップランナーと同じように、ランニングシューズは用途に合わせて使い分けています。どのような使い分けをしているか聞いてみたところ、次のような組み合わせにしているとのこと。

ジョグ:ボストン / アディスター
ペース走:アディオス プロ2
レース:タクミ セン

4〜5足を使い分けており、ジョグとはいえアディスターを履いて走っているのは以外でした。勝手に足が進む感覚があり、キロ6分程度のゆっくりなスピードで走る場合にはアディスターが良いと感じているようです。ここから学べるのは、目的に合わせてシューズを選んでいるということ。

大学駅伝や実業団レベルの選手になると、意味のない走り、目的のない走りはなく、「何のために走るのか」が1回の練習毎に明確になっているので、履くべきシューズは自然と決まる。あたり前のことのように思えますが、このあたり前のことを徹底することは簡単ではありません。

ちなみに12月1日に発売されるアディゼロ タクミセン9をすでに履いており、ソールスペックは従来どおりで、以前よりも軽くなっている点とカラーリングが気に入っているとのこと。新年の箱根路を駆け抜ける平林選手の足元をぜひチェックしてみましょう。

リカバリーは栄養バランスに優れた食事が大事

厳しいトレーニングを積んでいる選手ですので、リカバリーについてどう考えているのかも聞いてみました。最近はトップランナーも睡眠の重要性を口にするようになっていますので、若い駅伝選手がどれくらい寝ているのか気になります。

平林選手を含め、國學院大學陸上競技部の選手は合宿所で生活をしているので、睡眠時間を意識することはなく、22時の消灯に合わせて就寝し、朝の練習の準備のために5時30分に起床しているとのこと。このため7〜7時間半睡眠になるそうです。

特別に長く眠ろうしたり、睡眠環境を整えようという意識があるわけではなく、それ以上に気を使っているのが「食事」とのこと。國學院大學の選手は1年に2回ほど栄養指導をされているため、栄養バランスに優れた食事を大切にしています。

朝ごはんと夕ごはんは寮で食事をしますが、たとえば昼ごはんにコンビニでお弁当を買うときには、ドリアに野菜ジュースを組み合わせるなどの工夫をして、自分にとって必要な栄養をしっかりと摂るように心掛けています。

体の材料になる食事がしっかりしていないと、いくら睡眠の質を上げたところでリカバリーしないというのが平林選手の考え方。これはどちらが大切ということではなく、どちらも大切で、睡眠時間がきちんと管理されているからこそ、食事への意識が高くなっているのかもしれません。

22時に消灯し5時30分に起きる。同じことを会社員ができるかというと難しいかもしれませんが、一般のランナーもシリアスにランニングと向き合いたいなら、他の楽しみは手放して「あたり前のように眠り」、あとは食事への意識を高める必要があるかもしれません。

1度に長い距離を走るのではなく複数回に分けて走る

駅伝選手は月間走行距離が1,000kmにもなることがあり、私たち一般ランナーにしてみると、そんなに走ったらケガをするのではないかと思いますよね。もちろん、彼らはそれに耐えられるだけのカラダづくりを行っているわけですが、他にもオーバートレーニングにならないために気をつけていることがないか聞いてみました。

基本的にはトレーニングで追い込みすぎている場合になどには、監督やチームスタッフがコントロールしてくれるとのことですが、自分に適したシューズを履くことも大切だそうです。「みんなが履いている」のではなく、きちんと自分の走りに適したシューズを選ぶこと。

そして、目からウロコだったのは、1回に走る距離を伸ばすのではなく、走る回数を増やしているという話です。たとえば毎日20km走るのに、1回で20kmを走るのではなく、10kmを2回というように分けていることが、ケガの予防につながるのかもしれないとのこと。

私たち一般のランナーは休日に走り溜めする傾向にあり、休日に20〜30kmを走る人もいますが、1回でその距離を走り切るのではなく、朝と夕方に分けて走ればケガのリスクは低くなることは容易に想像がつきますよね。

もちろんレースの調整として距離走をする場合は別ですが、ケガをせずに月間走行距離を伸ばしたいという人は、2部練、3部練を取り入れてみるのはいいかもしれません。

仲間がいるから成長が加速する

最後に仲間がいることについて、どう感じているかも質問してみました。マラソンというのは個人競技ですので、基本的には1人で走ることになります。でも、1人だと追い込むような練習ができないという一般のランナーも少なくありません。

ところが駅伝は陸上競技としては珍しく団体競技になります。チームメイトと共に生活をし、同じ目標に向かって日々のトレーニングを積んでいる平林選手に、「チームメイトが良い記録を出したときにどう感じるのか」という意地悪な質問をしてみました。

それに対して、チームメイトの成長は純粋に嬉しく感じるとのこと。かつては、焦りだったり悔しさもあったとのことですが、自分たちの目標はチームとして駅伝で勝つことであり、チームメイトの成長はその目標に近づくことを意味するので、今はポジティブにとらえているそうです。

もちろんライバルという関係でもあるものの、それが刺激になって自分の成長にもつながると考えているのかもしれません。1人で黙々と練習するよりも、走力が近いラン仲間と競い合うことで成長を加速させることができる。これは一般のランナーも同じことがいえます。

ただ、ライバル関係になれるラン仲間をどう探していいかわからないという人や、走力アップを目指しているけど具体的に何をすればいいかわからないという人もいますよね。そういう人には「AR(adidas Runners Tokyo)を活用してほしい」とのこと。

平林選手がARのイベントに参加したときに、とても魅力的に感じたとのこと。そんなARは「プロジェクトPB」という、自己ベスト更新を確実に実現するためのランナー支援プロジェクトを12月中旬から3月末まで開始します。

ランナーのためのフィジカルトレーニングやランニングセッションが開催されるので、ラン仲間を作りたい人やワンランク上のランナーになりたいと考えている人は、ぜひ「プロジェクトPB」にご参加ください。申し込みは下記adidas Runners Tokyoのサイトから行えます。

また、平林選手はTwitterやInstagramなどのSNSも行っていますので、トップランナーの日常やレースで感じたことなどを知りたいという人はぜひフォローお願いします。

國學院大學陸上競技部:http://www.kokugakuin.com
平林清澄選手Twitter:https://mobile.twitter.com/hira_kiyoto
平林清澄選手Instagram:https://www.instagram.com/bayasi_kun2022/
adidas Runners Tokyo:https://shop.adidas.jp/running/community/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次