新訳マラソン用語辞典

ウェーブスタート

参加者が多いマラソン大会で、スタートの混雑を緩和するために、数回に分けてスタートさせる方法。接触での転倒などを防ぐことができ、一斉スタートよりもストレスなく快適に走れる。ただし「スタートが混雑した」という言い訳ができなくなる。

ウルトラマラソン

フルマラソンよりも長い距離を走るマラソンのことを示す。定義の上では43kmも該当するが、100kmを走る大会が多い。ランナーではない一般人には理解不能な競技だが、強力な中毒性があり、1度足を踏み入れるとそこから抜け出せなくなる人が多い。

エイドステーション

レースの途中で給水や給食を受けられる施設。地元の名物が出されることもあり、大会の魅力のひとつとなっている。通常は「水→食べ物→水」で並んでいるが、まれに「水→水分を奪う銘菓」となっていて、ランナーを潰しにかかるエイドステーションもある

駅伝(駅伝競走)

数人の選手がリレー方式で走り、合計タイムで競う競技。チームの総合力が求められ、1人でも失速すると順位が下るため、選手にかかるプレッシャーが大きい。「チームのため」という想いが生まれることで、いつも以上の走りができ、チーム内の絆も強まる。

LSD(エルエスディー)

ロングスローディスタンスの略。遅筋線維の毛細血管密度を上げるために、ゆっくり長い距離を走るトレーニング。「ゆっくり」走ることは意外と難しく、経験の浅いランナーは退屈を耐えきれずスピードを上げてしまい、LSDの効果が得られてないことが多い。

カーボローディング

体内にグリコーゲンを溜め込むための効率的な手法。レース数日前から炭水化物を多めに摂ることで、レース中にエネルギー不足になるのを防ぐ。
地方で行われるマラソン大会前日、夕食の〆にご当地ラーメンを食べるための言い訳にも使われる。

完走メダル

マラソンを完走したことを表彰して与えられる勲章。最初に2〜3個くらいは嬉しいが、それ以降は喜びが薄れ、10個を超えると収納が面倒になる。最近は凝ったデザインの完走メダルも増え、マラソン大会直後にメルカリやヤフオクに出品されることもある。

関門

コース上にあるポイントで、定められた時間までに通過しないとリタイアとなる。先着順の人気レースの場合、エントリーを0次関門と呼ぶことがある。関門の設定は大会ごとに個性があり、NAHAマラソンのように普通に走っているだけで第1関門に引っかかる大会もある。

グロスタイム

スタートの号砲からフィニッシュラインを通過するまでのタイムで公式記録となる。走力のあるランナーがやや後方からスタートした場合、優勝したランナーよりも2位以降のランナーのほうが実質タイム(ネットタイム)が速いという現象がときどき発生する。

コンプレッションタイツ

足に適度な圧力をかけて血行改善を促すアイテム。疲労回復効果があるとされている。最大パワーが向上する製品もあり、ハーフタイツをレースで着用する市民ランナーが増えている。ランニングパンツと併用しないと、恥ずかしい格好になることもある。

サブ3

フルマラソンを2時間59分59秒以内に完走すること。市民ランナーの憧れであり目標のひとつとなっている。サブ3を達成するとラン仲間から褒め称えられるが、同時に「あっち側の人」となってしまい、見えない壁ができてしまうこともある。

サブ4

フルマラソンを3時間59分59秒以内に完走すること。継続的に走り続けている市民ランナーにとっての目標のひとつ。「誰でも達成できる」と断言するトレーナーがいるが、正確には「マラソンに人生を捧げれば誰でも達成できる」なので真に受けてはいけない。

30km走

フルマラソン大会前の行われるトレーニングのひとつ。「ケガのリスクがあるので30km走は必要ない」という考え方が定着しそうになると、走り込みをして結果を出したトップランナーが「走った距離は裏切らない」と言うので、定期的に30km走ブームがやってくる。

ジョグ

ゆっくりと走るトレーニング。ウォーミングアップやクールダウンに用いられる。負荷が軽いので軽視されがちだが、走れる体を作るための重要な練習のひとつ。人によって最適なペースは違うが、市民ランナーなら「会話を楽しめるペース」がひとつの目安になる。

DNS

Did Not Startの略。エントリーした大会に対して、体調不良や寝坊などで不出場になったことを意味する。参加賞はもらえるが、受け取りに行くか送付依頼(着払い)が必要なケースが多い。参加賞が事前送付されている場合には、ICチップを返却しなくてはいけない。

DNF

Did Not Finishの略。マラソンレースにおいて途中棄権すること。関門の制限時間に間に合わない場合や、審判員によって中断させられた場合にはDNFとなる。DNFを経験すると、悔しさからマラソンとの向き合い方が変わり、大きく成長する事が多い。

ネットタイム

スタートラインを通過してからフィニッシュするまでのタイム。スタートロスがなく自分にとっての正確なタイムだが非公式記録になる。このためネットタイムで2時間59分、グロスタイム(公式記録)で3時間1分となったとき、サブ3達成でもモヤモヤ感が残る。

裸足ランニング

裸足で走ること。雑な着地をしていると足裏が痛くなるので、自然と柔らかくて丁寧な着地が身につく。膝のケガを経験して裸足ランニングを始める人が多い。フルマラソンだけでなくウルトラマラソンを裸足で完走するランナーもいる。

ペースランナー

目標とするタイムでの完走をサポートするために、ほぼ一定のペースで走るランナー。最後までついていけば目標タイムで完走できる。日本の大会のペースランナーはペースが安定しているが、中国ではペースランナーが立ち止まって記念撮影を始めることもある。

PB(ピービー)

Personal Best(自己ベスト)の略。「PBどれくらい?」「PB更新した」というような使い方をする。SNSで「PB更新した」と書き込むと、多くの人が「おめでとう」と返してくれるが嫉妬の感情も引き起こす。喜びすぎるとラン友が減るため、ほどほどにしておく必要がある。

マラソン

長距離を走る競技。正式には42.195kmを走る競技がマラソンになるが、主催者の権限で1kmでもマラソンになる。敷居の高い競技と思われがちだが「100mも走れない」と言っていた人が、1年後にフルマラソンを完走していることが多々ある。

ランナーズハイ

長時間走り続けて気分が高揚した状態のこと。メカニズムは明確になっていないが、脳内麻薬の発生が影響していると言われている。飽きっぽい人でもランニングが続く理由のひとつ。ただし中毒性もあるのでオーバートレーニングを引き起こすこともある。

ランニングウォッチ

ランニングにおける記録を計測できる腕時計。ストップウォッチとしての機能だけでなくラップ計測もできる。最新のランニングウォッチはGPSや心拍計が搭載され、健康管理やトレーニングメニューの作成までできるが、ほとんどの人は使いこなせていない。

ランニングシューズ

走るときに履く靴。競技では「履いてもいい」とされている。軽量で、前に進むことに特化した構造になっている。厚底がトレンドになったが、厚底化が進むとフルマラソンが数歩で終わってしまう可能性があるため、ソール厚は4cmまでと規制されている。