新訳マラソン用語辞典

24時間マラソン

24時間でどれだけの距離を走れるかを競う競技。ロード、トラック、室内の3種目あり、トラックの世界記録は303.506km。日本テレビの24時間テレビで24時間で100km程度を走る企画が毎年行われ、SNSやネット掲示板で叩くのも含めて夏の風物詩になっている。

30km走

フルマラソン大会前の行われるトレーニングのひとつ。「ケガのリスクがあるので30km走は必要ない」という考え方が定着しそうになると、走り込みをして結果を出したトップランナーが「走った距離は裏切らない」と言うので、定期的に30km走ブームがやってくる。

BUFF(バフ)

チューブ型のネックウェアで、スペインで誕生したアイテム。防寒のために首に巻くだけでなく、ヘアバンドのように髪を束ねることもでき、様々な使用用途があることから世界に広がっている。類似品がいくつもあるが、BUFF社が作っているものをBUFFと呼ぶ。

DNS

Did Not Startの略。エントリーした大会に対して、体調不良や寝坊などで不出場になったことを意味する。参加賞はもらえるが、受け取りに行くか送付依頼(着払い)が必要なケースが多い。参加賞が事前送付されている場合には、ICチップを返却しなくてはいけない。

DNF

Did Not Finishの略。マラソンレースにおいて途中棄権すること。関門の制限時間に間に合わない場合や、審判員によって中断させられた場合にはDNFとなる。DNFを経験すると、悔しさからマラソンとの向き合い方が変わり、大きく成長する事が多い。

HIIT

高強度インターバルトレーニングのこと。いくつかの方法があるが、20秒の高強度トレーニングの後に10秒休むを8回行う「TABATAプロトコル」を行う人が多い。脂肪燃焼効果が高く、ミトコンドリアが増えるため心肺機能が向上し、持久力アップに繋がる。

PB(ピービー)

Personal Best(自己ベスト)の略。「PBどれくらい?」「PB更新した」というような使い方をする。SNSで「PB更新した」と書き込むと、多くの人が「おめでとう」と返してくれるが嫉妬の感情も引き起こす。喜びすぎるとラン友が減るため、ほどほどにしておく必要がある。

LSD(エルエスディー)

ロングスローディスタンスの略。遅筋線維の毛細血管密度を上げるために、ゆっくり長い距離を走るトレーニング。「ゆっくり」走ることは意外と難しく、経験の浅いランナーは退屈を耐えきれずスピードを上げてしまい、LSDの効果が得られてないことが多い。

LT値(乳酸性作業閾値)

運動負荷を上げていったときに、血中の乳酸濃度が急激に上昇するポイント。個人ごとに違い、高い人ほどマラソンでは有利とされる。ペース走などでLT値を高めることもできるが、普通に練習していれば上がるので、通常はあまり気にしなくてもよい。

Starva(ストラバ)

ランニングアプリ。ランニングやサイクリングなどのログを残すだけでなく、SNS機能で世界中のランナーと繋がれる。無料で高機能なアプリとして世界で5000万人の登録者数があるが、2020年にサブスクリプション化し、ほとんどの機能が有料となった。

アウトソール

シューズの底の部分。地面に接するため、グリップ力と耐摩耗性を考慮してゴム材を使うことが多い。アウトソールがすり減るとシューズの機能が保てなくなるため、ミッドソールが見えると買い替え時ではあるが、大抵のランナーは気にせず履き続けている。

アッパー

シューズの甲を覆う部分で、一般的にはソールを除いた上部をアッパーと呼ぶ。フィット感や通気性に影響を与えるだけでなく、シューズのデザインやファッション性を決める部分。ランニングシューズの個性が出るため、機能性よりも見た目で選ばれることが多い。

アミノ酸

たんぱく質を構成する栄養素で、人間の体は20種類のアミノ酸で構成されている。そのうち体内で合成できない9種類を必須アミノ酸と呼び、食事などから摂る必要がある。筋肉やホルモンなどの原材料になる重要な成分で、不足すると筋力や免疫力が低下する。

インソール

シューズの中敷きのこと。交換できる構造になっていることが多く、カスタムメイド品に差し替えることができる。アーチサポートや負荷分散などの効果を得られる商品もあり、ケガ防止にも役立つ。ただしインソールによってシューズのバランスが崩れることもある。

インターバルトレーニング

中強度・高強度のランニング(運動)の間に低強度のランニング(運動)を挟むトレーニング方法。スピード強化と心肺機能向上が期待できる効果的なトレーニングだが、負荷が高いため、体ができていない段階で取り入れるとケガにつながりやすい。

インナーマッスル

体の奥深い部分ある筋肉のことで、深層筋とも呼ばれる。使っている感覚が薄いため、専門知識を持ったトレーナーからトレーニング方法を学ぶ必要がある。トレーニングとしてはピラティスが適しているが、慣れてくるとランニングでも鍛えられるようになる。

ウェーブスタート

参加者が多いマラソン大会で、スタートの混雑を緩和するために、数回に分けてスタートさせる方法。接触での転倒などを防ぐことができ、一斉スタートよりもストレスなく快適に走れる。ただし「スタートが混雑した」という言い訳ができなくなる。

ウルトラマラソン

フルマラソンよりも長い距離を走るマラソンのことを示す。定義の上では43kmも該当するが、100kmを走る大会が多い。ランナーではない一般人には理解不能な競技だが、強力な中毒性があり、1度足を踏み入れるとそこから抜け出せなくなる人が多い。

エイドステーション

レースの途中で給水や給食を受けられる施設。地元の名物が出されることもあり、大会の魅力のひとつとなっている。通常は「水→食べ物→水」で並んでいるが、まれに「水→水分を奪う銘菓」となっていて、ランナーを潰しにかかるエイドステーションもある

駅伝(駅伝競走)

数人の選手がリレー方式で走り、合計タイムで競う競技。チームの総合力が求められ、1人でも失速すると順位が下るため、選手にかかるプレッシャーが大きい。「チームのため」という想いが生まれることで、いつも以上の走りができ、チーム内の絆も強まる。

オーバートレーニング

疲労回復を考慮せずにトレーニングを積み重ねること。パフォーマンスが下がり、ケガのリスクも高まる。「走った距離は裏切らない」というトップランナーの言葉を信じたピュアな人やスポ根アニメが好きな人ほどオーバートレーニングになりやすい。

親子マラソン

親と子どもが一緒になって走るマラソン種目。親子で手をつないでフィニッシュするというルールが設定されていることが多い。子どもの体力に合わせて2〜3kmの短い距離が設定されているが、トップグループは子どもが先行し親が置いていかれることが多々ある。

オンラインマラソン

スマホアプリを使ったマラソン大会。参加者は自分の好きな場所、好きな時間に走ることができる。新型コロナウイルスにより中止になったマラソン大会の補完として始まる。大会によっては完走証が発行され、記念品がプレゼントされることもある。

カーボローディング

体内にグリコーゲンを溜め込むための効率的な手法。レース数日前から炭水化物を多めに摂ることで、レース中にエネルギー不足になるのを防ぐ。
地方で行われるマラソン大会前日、夕食の〆にご当地ラーメンを食べるための言い訳にも使われる。

活性酸素

高負荷なトレーニングを行い、多くの酸素を消費したときに発生する化合物。体内の活性酸素が増えると、体を錆びさせるため、疲労や老化の原因になるとも言われている。抗酸化作用のある食品を摂取すると活性酸素の働きを軽減できる(疲労が抜けやすくなる)。

完走

マラソンを制限時間内に走り切ること。制限時間内にフィニッシュラインを通過できれば完走となるので、途中で歩いても「完走」という扱いになる。途中で歩かないことを完走の定義とし、それを目標に日々のトレーニングを積み重ねているランナーもいる。

完走メダル

マラソンを完走したことを表彰して与えられる勲章。最初に2〜3個くらいは嬉しいが、それ以降は喜びが薄れ、10個を超えると収納が面倒になる。最近は凝ったデザインの完走メダルも増え、マラソン大会直後にメルカリやヤフオクに出品されることもある。

関門

コース上にあるポイントで、定められた時間までに通過しないとリタイアとなる。先着順の人気レースの場合、エントリーを0次関門と呼ぶことがある。関門の設定は大会ごとに個性があり、NAHAマラソンのように普通に走っているだけで第1関門に引っかかる大会もある。

筋トレ

筋力トレーニングの略で、骨格筋の出力向上や持久力向上、筋肥大を目的に行われるトレーニングのこと。ランニングにおいては筋力がスピードに直結するため、より速く走れるようになりたい場合や加齢による筋力低下を防ぎたい場合に必要となる。

グリコーゲン

多糖類の一種で、運動するときにグルコースに分解されエネルギーになる。摂取した糖質が小腸で吸収され、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵される。グリコーゲンの貯蔵量には限度があり、それを超えた量の糖質を摂取すると脂肪として蓄えられる。

グロスタイム

スタートの号砲からフィニッシュラインを通過するまでのタイムで公式記録となる。走力のあるランナーがやや後方からスタートした場合、優勝したランナーよりも2位以降のランナーのほうが実質タイム(ネットタイム)が速いという現象がときどき発生する。

腸脛靭帯炎

ランナー膝とも呼ばれ、膝の外側にある腸脛靭帯が太ももの骨に擦れて炎症を起こすケガのこと。オーバートレーニングが主な原因になり、治療方法としては走らずに休むのが基本となる。腸脛靭帯の柔軟性が向上やランニングフォームの改善で再発を予防となる。

肩甲骨

肋骨の後方を覆うように位置する三角形の骨。周囲の筋肉が固まっていると、肩甲骨の動きが悪くなり、スムーズな腕振りができなくなるため、ほぐしが重要とされている。ただし肩甲骨と骨盤が連動していないと、腕振りと肩甲骨が連動してもそれほど意味はない。

月間走行距離

1ヶ月間に走った距離の合計。トップアスリートの場合には1000kmを超えることもある。練習量の目安にはなるが、月間走行距離が多いからといって必ずしも速く走れるわけではない。月間走行距離をアピールする人もいるが、とりあえず褒めておけばいい。

月刊ランナーズ

1975年に刊行したアールビーズが発売するランニング専門誌。発売日は毎月22日。RUNNETと連携している。ランニングブーム以前から走っているランナーを中心に人気がある。硬派な内容の記事を中心に構成されており、取材記事も多くて読み応えがある。

月例マラソン

地域ごとに月1回のペースで開催されているマラソンイベント。練習会とマラソン大会の中間的な位置づけで、日々のトレーニングの成果を定期的にチェックできる。地域ごとに距離が違い、40kmを走る月例マラソンもある。当日受付の大会が多く気軽に参加できる。

皇居ラン(皇居ランニング)

皇居の外周を利用したランニングのこと。1周5kmで高低差30mとそれなりの負荷があり、信号で停まらずに走れることから人気がある。周囲にはランステも多く、警察官の警備もあるなど環境が整っているが、ランナーが多すぎて走りにくい日もある。

高地トレーニング

標高1300〜2000m程度の高地で行うトレーニング。低酸素の環境に体が適応しようとして赤血球やヘモグロビン濃度が増え、低地に戻ったときにパフォーマンスが上がる。最近は高地トレーニングができるスタジオも増え、市民ランナーも取り入れ始めている。

コンディショニング

パフォーマンスを最大限に引き出すために身体を整えること。ストレッチやマッサージなどのケアだけでなく、リカバリーのための睡眠や、栄養価の高い食事を心がけること、心を整えるために釣りや読書も人によってはコンディショニングになる。

コンプレッションタイツ

足に適度な圧力をかけて血行改善を促すアイテム。疲労回復効果があるとされている。最大パワーが向上する製品もあり、ハーフタイツをレースで着用する市民ランナーが増えている。ランニングパンツと併用しないと、恥ずかしい格好になることもある。

最大酸素摂取量

1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量を示した数値で、VO₂maxとも呼ばれる。一般的には数値が大きいほど速く走れるが、必ずしもマラソンの成績に比例するわけではない。トレーニング成果を確認するためのひとつの指標とするのがよい。

差し込み

ランニング中に発生する脇腹痛。オーバーペースや食後すぐのランニングで起こりやすく、トップアスリートでも発生しレースの結果を左右することもある。横隔膜が引っ張られることや脾臓からの急激な血液の流れ、腸内のガスによる腸管の張りが主な原因とされる。

サブ3

フルマラソンを2時間59分59秒以内に完走すること。市民ランナーの憧れであり目標のひとつとなっている。サブ3を達成するとラン仲間から褒め称えられるが、同時に「あっち側の人」となってしまい、見えない壁ができてしまうこともある。

サブ4

フルマラソンを3時間59分59秒以内に完走すること。継続的に走り続けている市民ランナーにとっての目標のひとつ。「誰でも達成できる」と断言するトレーナーがいるが、正確には「マラソンに人生を捧げれば誰でも達成できる」なので真に受けてはいけない。

サブエガ

フルマラソンを2時間50分以内に走ること。エガは芸人の「江頭2:50」からきている。サブ3を達成したランナーの次の目標として設定される。市民ランナーではごくわずかな人しか達成しておらず、陸上未経験者が達成するには人生をなげうつ必要がある。

暑熱順化

暑さに体が慣れること。暑熱順化をすると体温が低い状態から汗をかけるようになり、早めに体を冷やせるため体のオーバーヒートを抑えられる。汗にナトリウムが含まれなくなり、熱中症リスクを下げるという効果もある。ただし慣れるだけで、暑いものは暑い。

収容車

レース途中でリタイアした人や関門を通過できなかった人を乗せてゴール地点まで運ぶ車。マラソン大会では大型バスが使われることが多い。最終走者のすぐ後ろを走行するため、後方のランナーにとっては存在そのものがプレッシャーになり、ペースを乱される。

ジョグ

ゆっくりと走るトレーニング。ウォーミングアップやクールダウンに用いられる。負荷が軽いので軽視されがちだが、走れる体を作るための重要な練習のひとつ。人によって最適なペースは違うが、市民ランナーなら「会話を楽しめるペース」がひとつの目安になる。

心肺機能

酸素を体内に送り届けるための心臓と肺の機能のこと。心拍出量が多いほど心臓機能が高く、肺活量が大きいほど肺機能が高いとされる。心肺機能が高いほうがマラソンにおいては優位になるため、心肺を鍛えるためにインターバルトレーニングを行う。

スタートブロック

マラソン大会でスタートの混雑を避けるために、走力ごとに割り当てられたグループのこと。速いランナーほど前方のブロックになるが、自己申告制であるため、記録を狙う人がスタート渋滞を避けるために虚偽の申告をすることがあり、結局混雑する。

ストライド

歩幅のこと。歩幅を広げて走る走法をストライド走法と呼び、背の高くて足が長い選手に向いている。最適なストライドはランナーごとに違うが、狭すぎるとスピードが出ないので、サブ3やサブ3.5を狙うレベルになると意識してストライドを伸ばす練習も必要になる。

スロージョギング

会話を楽しめるくらいのゆっくりしたスピードで走るジョギング。乳酸が溜まらないペースなので、体への負荷が少なく、遅筋の毛細血管を拡張し持久力が上がる。フォアフットで走るのがポイントで、ウォーキングよりも筋肉を使うの老化予防も期待できる。

静的ストレッチ

筋肉をゆっくりと伸ばして可動域を広げるためのストレッチ。ランニング前に行うとパフォーマンスが下がるため、ランニング後に柔軟性の向上、ケガ予防、疲労回復、リラックスなどの効果が得るために行う。痛みが出ない範囲で呼吸を止めずに10〜20秒伸ばす。

ゼロドロップ

シューズのつま先と踵部に高低差がない状態のこと。通常のランニングシューズはつま先よりも踵部のソールが厚くデザインされ、傾斜をつけることで推進力を生み出す構造になっているが、ゼロドロップは傾斜をなくすことで、裸足に近い感覚で走ることができる。

体幹

体のコアになる部分のこと。「体幹=腹筋」というイメージがあるかもしれないが、背筋などの背中側の筋肉も含めた胴体全体を体幹となる。「体幹を鍛える」という表現をされることも多いが、体幹は「整える」もので、鍛えるのはインナーマッスルである。

タイムトライアル

タイムを測定して走ること。TTと表記することもある。1kmや5kmといった決まった距離を走り、自分の走力を数値化することで、トレーニングの効果や成長度合いを把握できる。定期的に行うことで目標を立てやすくなり、モチベーションアップにもつながる。

代理出走

マラソン大会にエントリーした人が出場できなくなり、その代わりに走ること。ほとんどの大会で禁止されているが、定期的に代わりに走った人が入賞したり、救急車で搬送されたりして代理出走が発覚して問題になる。頼まれても基本的には引き受けないこと。

超回復

筋肉に負荷のかかるトレーニングを行い、48〜72時間の休息をすることで、筋力がトレーニング前よりも上がる現象のこと。この筋力アップしたタイミングで次のトレーニングを行うことで筋力がさらに高まる。理論上は無限に筋力アップするがもちろんそんな訳はない。

東京マラソン

日本最大のマラソン大会で、2019年以降は3月に開催されている。2013年からはワールドマラソンメジャーズに加入、人気が高く抽選倍率は10倍以上。落選前提で年間スケジュールを組むので、当選して2週連続フルマラソンになってしまうランナーが続出する。

動的ストレッチ

反動を使って筋肉を動かしながら行うストレッチで、代表的な動的ストレッチとしてラジオ体操がある。可動域が広がり、体温も上昇、交感神経優位となるため、トレーニング前に行うのが一般的。運動不足だと動的ストレッチだけで息が上がる人もいる。

トレイルランニング

林道や登山道などを走ること。不整地を走るので起伏や路面の変化に対応するため集中力が必要になる。自然の中を走るということそのものが楽しく、ロードでは鍛えにくい細かな筋肉の強化にもつながる。苦しいのが好きなランナーほどハマりやすい。

ドロップ

シューズのつま先と踵の高低差のこと。一般的なランニングシューズは踵を高くし、体重移動を促すように作られている。ただし踵を高くしすぎるとヒールストライクになってブレーキが掛かりやすいなどのデメリットもあるため、目的に合わせたドロップで設計される。

流し

70%程度の力で100〜300mをリラックスして走ること。風に乗る感覚で走ることから、ウインドスプリントとも呼ぶこともある。筋力が向上しスピードアップにつながり、疲労抜き効果もある。負荷が大きいため、ウォーミングアップ後やトレーニング後半に行う。

ネガティブスプリット

レース序盤はスピードを落として体力を温存し、後半に向けてペースを上げていく走法。スタート渋滞しやすい大会で有効な走り方。ネガティブスプリットを意識したことで自己ベスト更新する人もいるが、実現するにはメンタルの強さが求められる。

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ネットタイム

スタートラインを通過してからフィニッシュするまでのタイム。スタートロスがなく自分にとっての正確なタイムだが非公式記録になる。このためネットタイムで2時間59分、グロスタイム(公式記録)で3時間1分となったとき、サブ3達成でもモヤモヤ感が残る。

バーチャルマラソン

スマホアプリなどを使い、それぞれが好きな場所、好きな時間に参加できるマラソンイベント。新型コロナウイルスの影響で大会を走れなくなったランナーの救済やモチベーション維持のために開催される。新しいマラソンの形として期待されている。

ハーフマラソン

フルマラソンの半分である21.0975㎞を走る競技。日本ではあまり注目されていないが、海外ではフルマラソンよりもハーフマラソンの参加者が多い大会もある。スピードを出せる一方で、上手く走り切るのが意外と難しく、後半失速するランナーも多い。

裸足ランニング

裸足で走ること。雑な着地をしていると足裏が痛くなるので、自然と柔らかくて丁寧な着地が身につく。膝のケガを経験して裸足ランニングを始める人が多い。フルマラソンだけでなくウルトラマラソンを裸足で完走するランナーもいる。

ヒールストライク

踵から着地する走法。以前はヒールストライクが日本人に適した走り方とされ、世界のトップクラスでも踵着地をするランナーもいる。踵着地はケガをしやすいと言われているが、ゆっくり走る場合には安全性が高く効率よく走れるという説もある。

ピッチ

1歩進むのにかかる時間のこと。通常は1分間で何歩進めたかで表す(例:180BPM)。一般的にはピッチとストライドは反比例の関係にあり、ピッチが速くなるとストライドが下がる。最適なピッチは人によって違うが、体の小さな選手ほどピッチが速くなる傾向にある。

ビルドアップ走

ゆっくりとしたスピードで走り始め、徐々にペースを上げていくトレーニング。スタミナアップやスピードアップにつながる。3〜5段階でペースを上げていき、最後はレースでの想定ペースよりも速いペース(最大心拍数の80〜90%程度)で走り切る。負荷が高いので無理なく行う必要がある。

疲労骨折

小さな外力が何度も繰り返しかかることで起こる骨折。ランナーの場合には足のアーチ部である中足骨や脛骨に発生することが多い。オーバーワークや栄養不足が原因で、真面目なランナーほどなりやすく、ほどよくサボることが推奨される理由のひとつ。

貧血

血液中のヘモグロビン量が低下した状態。ランナーは発汗や足裏での赤血球の破壊により貧血になりやすい。貧血になると体内に運べる酸素量が減るので、軽いジョギングでも息が上がるようになる。対策としては鉄分や造血作用のあるアサイーの摂取などがある。

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ペース走

設定したペースを保って設定した距離を走るトレーニング。ペース感覚が身につき、スピード持久力の向上が期待できる。実際のレースペースで10〜20kmを走るのが一般的だが、調子がいいと追い込んでタイムトライアルになってしまうので気をつける必要がある。

ペースランナー

目標とするタイムでの完走をサポートするために、ほぼ一定のペースで走るランナー。最後までついていけば目標タイムで完走できる。日本の大会のペースランナーはペースが安定しているが、中国ではペースランナーが立ち止まって記念撮影を始めることもある。

フォアフット走法

前足部から着地する走り方。膝への負担が小さく、ケガをしにくいとされている。アフリカ系ランナーに多い走法であることから、理想の走法とされているが、彼らもジョグのときはミッドフット走法になる。狙ってするものではなく、結果的に「なる」もの。

プロテイン

タンパク質のこと。日常会話で使われている「プロテイン」はプロテインサプリメントのことを示す。水や牛乳に溶かして飲むことで効率的にタンパク質の摂取ができ、筋力アップや疲労回復の効果が期待できるが、市民ランナーで使っている人は少ない。

プロネーション

歩いたり走ったりするときに、地面からの衝撃を軽減するために踵の周りが内側に倒れ込むこと(回旋)。倒れすぎるのがオーバープロネーションで、膝にねじれが発生しケガにつながる。シューズによって改善できるが、シューズによって悪化することもある。

ポジティブスプリット

レース前半を積極的に速めのペースで走り、後半に向けて徐々にペースを落としていく走法。ポイントはペースを落としてもきちんと走り切るということ。前半に飛ばしすぎて後半にエネルギー切れで失速するのはポジティブスプリットとは呼ばない。

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マラソン

長距離を走る競技。正式には42.195kmを走る競技がマラソンになるが、主催者の権限で1kmでもマラソンになる。敷居の高い競技と思われがちだが「100mも走れない」と言っていた人が、1年後にフルマラソンを完走していることが多々ある。

マラニック

マラソンとピクニックを合わせた造語。レースとは違ってタイムを競わないため、景色を楽しんだり写真を撮ったりといつもとは違った方向性でランニングを楽しめる。ただしコースや制限時間が決まっており、ただのウルトラマラソンになっているマラニックもある。

メドックマラソン

ワインで有名なボルドー地方のメドックで開催されるマラソン大会。22ヶ所のエイドでは給水だけでなくワインも振る舞われる。さらにはワインに合う給食も用意され、パーティーのように楽しめるマラソン。仮装が必須で毎年テーマが決まっている。

ランステ

ランナーズステーション・ランニングステーションの略。更衣室やシャワーなどがあり、ランナーの活動拠点となる施設。ランステ・ランナーズステーションはアールビーズ、ランニングステーションはミズノの登録商標であることはあまり知られていない。

ランナーズハイ

長時間走り続けて気分が高揚した状態のこと。メカニズムは明確になっていないが、脳内麻薬の発生が影響していると言われている。飽きっぽい人でもランニングが続く理由のひとつ。ただし中毒性もあるのでオーバートレーニングを引き起こすこともある。

ランニングアプリ

ランニングの記録を残すためのアプリ。スマホのGPSを使って走ったルートや距離、ペースなどを計測・管理する。ただしアプリによっては精度が低いため、GPSランニングウォッチと組み合わせて使うのが一般的。stravaのようにSNS機能のあるアプリもある。

ランニングウォッチ

ランニングにおける記録を計測できる腕時計。ストップウォッチとしての機能だけでなくラップ計測もできる。最新のランニングウォッチはGPSや心拍計が搭載され、健康管理やトレーニングメニューの作成までできるが、ほとんどの人は使いこなせていない。

ランニングシューズ

走るときに履く靴。競技では「履いてもいい」とされている。軽量で、前に進むことに特化した構造になっている。厚底がトレンドになったが、厚底化が進むとフルマラソンが数歩で終わってしまう可能性があるため、ソール厚は4cmまでと規制されている。

ランニングタイツ

寒さから足を守るためのアイテム。寒さ対策だけでなくサポート機能もあり、膝などに不安がある人にとっては必須のアイテムになっている。最近はハーフタイツを着用するトップランナーが増えつつあるが、安易に真似るとただの変態になるので注意が必要。

ランニングマガジン・クリール

ベースボール・マガジン社が2002年に創刊したランニング情報誌。最新の専門知識をエビデンス付きでわかりやすく解説してくれる特集や気軽に読めるエッセイなど、ランニングを様々な角度から切り取って紹介している。dマガジンでも読める。

ランニングマシン

室内でランニングをするためのアイテム。ルームランナーやトレッドミルと呼ばれることもある。高級なイメージがあるが時速16kmのモデルでも5万円程度で購入できる。傾斜をつけての本格的トレーニングも可能だが、振動が大きく賃貸住宅には適していない。

リカバリー

疲労を取り除くこと。適切なリカバリーを行うと回復が早まりパフォーマンスも上がる。不十分なリカバリーを積み重ねると回復が遅れケガのリスクが上がる。リカバリーで重要なのは栄養と休養だが、多くのランナーは無自覚に睡眠不足という問題を抱えている。

陸連(日本陸上競技連盟)

日本の陸上競技を統括する組織。マラソン大会においては大会の主催、競技規則の制定、指導者や審判員の育成などを行っている。コースや大会、日本記録を公認するのも陸連の役割。あまり知られていないが、オフィシャルグッズの販売もしている。

陸連登録

陸連に個人もしくは団体で登録すること。陸連登録をして公認レースを走ると、完走タイムが公認記録になる。都道府県陸協で申込み登録料を支払うえば誰でも登録できる。大会によっては前方のブロックからスタートとなるが、大阪マラソンでは仮装できなくなる。

練習ノート・練習日誌

日々のトレーニングの記録を残すノート。トレーニング内容やコンディションを記録することでモチベーションアップになり、記録を見返すことで問題に気づける。トップランナーの多くが練習ノートをつけているが、市民ランナーは3日坊主になりやすい。

ワールドマラソンメジャーズ

世界のマラソン大会のうち、東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティの6大会での順位によるポイントを競い合うシリーズレース。順位・年度に関係なく、すべてを完走すると「Six Star」として特別なメダルが贈られる。

ワラーチ

ランニング用のサンダル。メキシコの先住民であるタラフマラ族(ララムリ)が履いているサンダルをベースに作られている。「BORN TO RUN」で紹介され世界中に広まる。日本では自分で作るのが一般的で愛好家も多く、ワラーチのコミュニティがいくつもある。