アディダスにカーボンプレート内蔵シューズ「adizero Pro(アディゼロ プロ)」登場!

マラソンのランニングシューズは、猫も杓子もナイキのヴェイパーシリーズとなっていますが、他のメーカーも手をこまねいているわけではありません。特に世界記録を出したシューズを開発した経歴のあるアディダスは、再び脚光を浴びるために、ランニングシューズ開発を続けてきました。

そして昨年、新モデルとなる新シューズのプロトタイプがひそかに登場し、それを履いたモロッコのダザが福岡国際マラソンで優勝。「あのシューズは何だ?」と業界関係者の間で話題になりました。そして、そのランニングシューズがアディゼロ プロ(adizero Pro)として、2020年4月1日に発売されることになりました。

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アディゼロ プロはカーボンプレート内蔵

アディダスのトップランナー向けのランニングシューズは、これまでアディゼロ ジャパンでした。アディゼロ ジャパンは世界記録を出したシューズの系譜にあるシューズで、現在でもトップランナーから愛されている1足です。

その上に匠がありますが、こちらはマラソンシューズではなくハーフマラソンまでの短い距離、いわゆる駅伝シューズという位置づけです。ジャパンにしても匠にしても良いシューズではありますが、世界を戦うという意味では1世代前のランニングシューズから脱却ができていません。

世界で戦うには、より高いクッション性と反発力が必要になります。そこで、アディダスもランニングシューズにカーボンプレートを取り入れるという道を選びました。二番煎じと思われるかもしれませんが、その道はシューズの進化において必然ともいえる選択肢になります。

従来の樹脂によるスタビライザーでは、シューズの限界を超えていけない。そこでアディゼロ プロは無理して独自路線を進むのではなく、使えるものは使ってしまうという合理的な道を選んだわけです。そこにアディダスの気迫のようなものを感じます。

アディゼロ プロは驚くほどきれいに足が前に進むシューズ

実はすでに、1度だけレビューのためにアディゼロ プロのプロトタイプモデルを履いて走る機会をいただいています。神宮外苑のコースを2周ほど。ほとんど予備知識なしで走りましたが、軽く走っているつもりなのに普段よりも確実にスピードが出ます。

接地した瞬間に足全体がグイグイと前へ進みます。あまりにもスピードが出すぎて、心肺機能のほうがまったくついていけなかったのですが、1kmほどタイムトライアルをしたところ、後半失速しながらも自己ベストに近いタイムが出ています。

3分20秒/km程度のスピードですが、サブ3よりも上のクラスのランナーなら、おそらく同じようにスピードを感じてもらえるかもしれません。反対に、それよりも遅いランナーにしてみれば、走らされる感覚で後半にきつくなる可能性があります。

アディゼロ プロは紛れもなく、トップアスリートのためだけに作られた1足です。

誰が履いてもそこそこ速く走れるシューズですが、42.195kmを走ることを考えたときには「誰でも」というわけにはいきません。きちんと距離を踏んで足を作ってきたランナーだけが履きこなせるガラスのシューズです。

「間違いなく速く走れる」それが試走したときの感想です。個人的にはアディゼロ ジャパンが好きですが、レースで履くならどちらかと尋ねられたら、迷うことなくアディゼロ プロだと答えます。気持ちよく前に進むことができ、まるてトップランナーになったかのように錯覚してしまいます。

福岡国際マラソンで優勝という実績

すでにお伝えしましたように、アディゼロ プロのプロトタイプを履いて、モロッコのダザ選手が福岡国際マラソンで優勝しています。周りのほとんどがナイキのランニングシューズを履いているなか、圧倒的な強さを見せつけました。

もちろんダザ選手の能力が素晴らしいというのもありますが、これによって実際に勝てるシューズであることが証明されました。プロトタイプですので、製品がどこまでそれに近づいているかは分かりません。ソール厚40mm規定の影響を受けている可能性もあります。

ただ、ナイキのヴェイパーシリーズに対して、明確な対抗馬が登場することになるのは間違いありません。栄枯盛衰という言葉がありますように、ひとつの勝者が永遠に勝ち続けることはなく、歴史は常に塗り替えられます。

アディゼロ プロがそのためのランニングシューズになるかどうかはまだ未知数で、さらにこのシューズを契約選手が履いてくれるかどうかすら分かりません。これまでのアディゼロとはまったく違う感覚で走るシューズなので、契約選手でも扱いきれない可能性もあります。

しかも今回が初期モデルということで、期待値が大きくなるのはブラッシュアップした第2世代以降です。それでも、この初代アディゼロ プロを実際に履いて走った者としては、期待せずにはいられない1足です。

アディダスが持てる技術をすべて注ぎ込んだ1足。さあここから反撃開始。そんな想いが伝わってくるからこそ、1人でも多くのシリアスランナーに履いてもらいたいランニングシューズです。

アディゼロ プロ商品情報

アディゼロ プロの発売日は4月1日(水)となっています。価格は22,000円(当初25,000円となっていましたが変更がありました)とやや高額ですが、速さを追求するランナーにとっては、それだけの価値がある仕上がりになっています。シューズに自分のポテンシャルを引き出してもらいたい人は、ぜひアディゼロ プロの購入を検討してみましょう。

商品名adizero Pro (アディゼロ プロ)
サイズ展開  22.0-31.0cm
発売日2020年4月1日(水)
自店販売価格 22,000円(税抜)
取扱店舗アディダス オンラインショップ
アディダス ブランドコアストア 各店
SteP Sports 各店
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