トップランナーの多くがランニングタイツを着用しません。これについては以前の当サイトのコラム「ランニングタイツはどのレベルに到達すると不要になるのか」でご紹介しています。
簡単に説明すると、ある一定のレベルになると、タイツを履くことで体の動きが制限されて、本来の力を出しきれなくなるため、トップランナーはレースではタイツを履かずに走ります。
それに対して「そんなことはない」と待ったをかけたのが、ランニングタイツのトップブランドでもあるワコールのCW-Xでした。この2月から発売された『SPEED MODEL』はサブ3ランナーが履きたいと思えるスピード対応モデルになります。
・股関節を安定させる
・下腹部を押さえて骨盤の前傾を保つ
この2つが『SPEED MODEL』の特徴です。
股関節が安定すると、走る動作に必要な力を脚に集中させることができます。骨盤の前傾を保つことができれば、重心を前にかけることで脚をスムーズに動かしやすくなります。これらによって動作の1歩目をより前に踏み出しやすくしたとのこと。
簡単に言えば、効率のいい走りをしやすくなるランニングタイツということです。
そんな上手い話があるわけがないと思うかもしれませんが、実際に男性のサブ3ランナー58名、女性のサブ3.5ランナー37名に試着体験をしてもらったところ、『SPEED MODEL』を練習で着用したいですか?の問いに、なんと97%の人がYESと回答しました。
ちなみにすべての参加者の中で、これまでランニングタイツを履いていたランナーは17%でした。ランニングタイツなんていらないと思っていた人が、実際に履いてみて「これはいい」と感じたわけです。
機能を説明した上での試着体験かと思いますので、プラシーボ効果もあるかと思いますが、それでも実感できた人数を考えると、決して無視できる数字ではありません。その中にはフルマラソンを2時間30分で走るランナーもいます。
実際に着用したランナーの声としては、走りを阻害することないという反応が多く見られました(どれくらいの時間着用して、走り続けたのかは分かりませんが)。
面白いのは、「レースで着用したいですか?」の問に対しては、YESと答えたのは75%と低下しています。75%でも十分に高い数字ですが、4人に1人はレースでは必要ないと答えています。
このあたりは、アイテムに頼りたくないという気持ちもあるのかもしれません。
それでも、明らかにこれまでのコンセプトとは違う、まったく新しいモデルがラインナップされたことになります。そして、トップランナーでも走りが改善されると感じているわけです。
とはいえ、走りやすさを感じるということは、これまで使っていない筋肉を使うわけですので、筋肉がそれに順応するまでは『SPEED MODEL』を着用して走行距離を伸ばすことは避けるべきです。
『SPEED MODEL』は一種の矯正器具を付けて走るようなものだと考えてください。最終的にはこれらに頼らずに、自分の筋肉で骨盤を安定させ、正しいフォームを身につけるのが理想です。
ただ、その正しいフォームが分からない。チェックしてくれるコーチがいないというランナーにとっては、とても有用です。そういう意味では、自己ベスト更新を狙うランナーに試していただきたいアイテムです。
ちょっとでも気になるというランナーさんは、まずは『SPEED MODEL』特設WEBページをチェックしてみましょう。
『SPEED MODEL』特設WEBページ
https://www.cw-x.jp/news/speed_model.html