ナイキのランニングシューズの最高峰がナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%。大迫傑選手が日本記録を更新し、そしてプロトタイプではキプチョゲ選手が人類初フルマラソンの距離でサブ2を達成したランニングシューズ。
とても優れたシューズではあるものの、日々のトレーニングで気軽に履けるほどの価格ではなく、そして市民ランナーにとってはオーバースペックでもあります。同じDNAを持ちながらも、トレーニングで消耗できるシューズとして、「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」が登場しました。
コンセプトはアルファフライのトレーニング用シューズ
「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」の特長としては、ヴェイパーシリーズやアルファフライの代名詞でもあるカーボンプレートを使わずに、やや柔らかい合成素材を採用しています。反発力はやや下がるものの、ナイキ ズーム エア ポッドを備えているので十分なスピードを得ることができます。
またかかと部には衝撃吸収性の高いリアクトフォームを採用しています。アルファフライでは全面的に使われていたズーム X フォームは中足部と前足部のプレートの上に配置するなど適材適所を意識して、機能性とコストのバランスを考えたソール構造になっています。
コンセプトは明確です。アルファフライは最高のランニングシューズですが、33,000円は簡単に出せる金額ではありません。でも別のシューズでトレーニングをするとアルファフライをレースで履きこなせない。
だから「アルファフライよりも安くて、アルファフライに適した走りを定着させることができるランニングシューズ」としてテンポを開発しました。ではアルファフライを履かないランナーにとっては必要ないシューズなのかというと、そうではなく、むしろほとんどの市民ランナーにとってはこれが理想のシューズかもしれません。
ペガサスターボよりもさらに加速する
これまでナイキのラインナップとしては、レース用シューズにアルファフライやヴェイパーフライがあり、そのトレーニングシューズにズームフライやペガサスターボが用意されていました。カーボンプレートの感覚を掴みたい人はズームフライ、ズーム X フォームの衝撃吸収性と反発力が欲しい人がペガサスターボを選ぶという形でした。
最近はズームフライではなくペガサスターボのほうが人気が高く、実質的には最速のトレーニングシューズがペガサスターボという位置づけになっていますが、ペガサスターボはペガサスシリーズのDNAを受け継いだシューズであり、ヴェイパーフライやアルファフライとはそもそもの源流が違います。
ペガサスターボの位置づけであり、ヴェイパーフライやアルファフライの流れをくむシューズというのがテンポというわけです。少しわかりにくくなりましたが、テンポはペガサスターボに代わるランニングシューズだと考えてください。
ただし、ペガサスターボよりもランニングエコノミーが高く、より高い推進力を得ることができます。そうなってくると、市民ランナーレベルであれば、「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」が最適解という考え方もできます。
もちろんランニングシューズにいくらでも予算をつぎ込めるランナーならテンポをトレーニングで使い、レースやスピード練習でアルファフライを履くのもいいのですが、ランニングシューズに3万円は出せないという人のほうが圧倒的に多いはず。
テンポも税込で24,200円ですので、決して安いとはいえませんがアルファフライよりは手に入れやすい価格になっています。それでいてペガサスターボよりもスピードを出せるなら、コストと機能のバランスが最も優れた1足ということになります。
ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト% 商品概要
ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%は通常のモデルだけでなく、シューズの紐を結べないランナーのために、独自の締め付け構造を持ちヒール部分を折りたためるようになっている「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト% フライイーズ」もラインナップしています。
フライイーズならサンダルのように足をスライドし、ヒールを踏みながらシューズを履けます。これまでのシューズよりも簡単に着脱ができ、それでいてしっかりとフィット感を得られます。このような履きやすいシューズが必要なランナーのことも考えていることからも、テンポに対するナイキの意気込みが伝わってきます。
価格 | 24,200円(税込) |
サイズ | MEN'S:24.0-30.0cm WOMEN'S:22.0-26.0cm |
重さ | 不明 |
発売日 | 2020年8月27日(木) ※フライイーズのウィメンズのみ9月17日 |