欧米の物価高と円安の影響もあり、ランニングアイテムの価格が跳ね上がっていますが、その中でもランニングウォッチはかなり高額になってしまいました。スタンダードモデルでも6万円以上するものが多く、そこまでお金を出せないという人も多いはず。
一方で多くのランナーにとってスタンダードモデルでもオーバースペックで、実はもっと機能を抑えたモデルでも十分だったりします。たとえばガーミン(GARMIN)から新しく発売される「Forerunner 165/165 Music」はシリアスランナーを除くすべてのランナーが満足できる低価格ランニングウォッチになります。
ほとんどのランナーが満足する機能を搭載
「Forerunner 165/165 Music」のガーミンに置ける位置付けは入門モデルということになっています。入門モデルは「ForeAthlete 55」では?と思うかもしれませんが、「ForeAthlete 55」は入門モデルではありますが、向上心を持ってマラソンと向き合う人だと、その機能の少なさからいずれ不満が出てきます。
単純にログが取れればOKというのであれば「ForeAthlete 55」でも構わないのですが、ランニングウォッチとしての機能が少なく、同じようなことが2万円以下のスマートウォッチでできてしまいます。もちろん計測精度などはガーミンならではの強みもありますが。
「Forerunner 165/165 Music」ならトレーニング効果やリカバリー具合を測定できたり、ガーミンコーチを利用できたりして、ほとんどのランナーが「これで十分じゃないか」と思える基本機能がきちんと搭載されています。
それでいてForerunner 165の価格は39,800円(税込)と比較的リーズナブルです。もっともアメリカなら249.99ドルなので割高感は否めませんが。もし1ドル100円で2.5万円で発売されていたら、日本でもスマッシュヒットしそうなくらい機能性は充実しています。
ただ、安いのにはかならず理由があります。たとえばForerunner 265はガラスにCorning Gorilla Glass 3を採用し、ベゼル素材はFRPになるなど、ワンランク上の作りになっています。他にも機能面で劣る部分があるので、次章ではForerunner 165/165 Musicにできないこと、向いていないことを紹介していきます。
Forerunner 165/165 Musicのランニング機能
■Garminコーチ
無料アプリ「Garmin Connect Mobile」で距離やタイム、具体的なレースなど目標を入力すると、ランニングプログラムやワークアウトを提案してもらえます。ランニング後の効果分析もウォッチに表示し、手元を参照しながら最適なトレーニングが行えます。
■手首ベースでの「ランニングパワー」と「ランニングダイナミクス」
どれだけのパワーを発揮しているかを計測できる「ランニングパワー」を搭載。視覚的にわかりやすい曲線グラフでリアルタイム表示し、さらにランニング後には、平均と最大を含むランニングパワーの概要、ランニングパワーとランパワーゾーンを確認できます。
さらにピッチや歩幅、接地時間(GCT)などのランニングフォームに関する指標を計測できる「ランニングダイナミクス」機能も搭載。
※ランニングダイナミクスは、ウォッチからの計測のみとなります。
■PacePro
目標タイムや好みのペース配分、コースデータに基づいてガイドしてもらえるので、ペースランナーのような役割を果たしてもらえます。
■おすすめワークアウト
現在のトレーニング負荷に基づいて、フィットネスレベルを考慮したランとバイクのワークアウトメニューを提案してもらえます。入力した目標から自動作成することも可能です。7日分のワークアウト提案も可能です。また、トレーニングレディネスとワークアウトの連動も行えます。
■VO2 Max(最大酸素摂取量)
パフォーマンスの指標である最大酸素摂取量を計測します。
■トレーニング効果
有酸素および無酸素トレーニングの効果に関するフィードバックから、ワークアウトが持久力やスピード、体力にどのような影響を与えているか確認できます。
■リカバリーアドバイザー
ランニング後、次のトレーニング/ワークアウトまでの休息時間を教えてくれます。
■LiveTrack
ランニング中の現在地や心拍数などの情報を、あらかじめ設定した友人や家族にリアルタイムで知らせることができます。フルマラソン中の位置情報がわかるので、応援しやすくなります。
■事故検出&救助要請機能
ウォッチが事故の発生を検知した場合、あらかじめ設定した連絡先にリアルタイムの位置情報を緊急送信してくれます。
■レースウィジェット
レース情報、目標情報を入力することで、天気やパフォーマンスに基づくトレーニングの進捗情報やヒント、レース当日の予測タイムなどを表示し、レースに向け最高のコンディションを整えてくれます。
アプリ「Garmin Connect Mobile」を活用し、レース当日と前日のコンディションをサポートする「My Day」機能を搭載。またレース結果に基づいたレース後ケアやトレーニングなども計画できます。
Forerunner 165/165 Musicにできないこと
Forerunner 165/165 Musicに搭載されていな機能のひとつが「GNSSマルチバンド」です。GNSSマルチバンドに非対応ということで、位置情報の精度が上位モデルと比べて高くありません。たとえば青空が広がる河川敷で走るなら、GNSSマルチバンドに対応していなくても問題ありませんが、ビルの中を走るような場合には、位置情報が不安定になります。
また「トレーニングステータス・トレーニング負荷・トレーニングレディネス」といった中級者以上が必要とする情報にも対応していません。さらにGPSを使ったときの稼働時間が19時間と、上位モデルよりもやや短いといった弱点もあります。
ただ、それらの機能を必要としている人がどれくらいいるのかと考えたときに、サブ3やサブ3.5などを目指すようなランナーでない限り、そこまで重要な機能ではありません。あれもこれもはできないけど、必要な情報は計測できるというのがForerunner 165/165 Musicの強みです。
本格的にランニングをするというのであればForerunner 265をおすすめしますが、完走が目標という人や練習は週末だけという人にとってはオーバースペック。予算に余裕があったとしても、シリアスランナーでないなら、Forerunner 165/165 Musicと最新モデルのランニングシューズを買うほうが幸せになれる気がします。
音楽を聴くなら絶対にForerunner 165 Music
それならForerunner 165/165 Musicを購入しようとなった人もいるかと思いますが、次に悩ましいのが「Forerunner 165」と「Forerunner 165 Music」のどちらを選ぶかということです。ただ、この判断は感ったんで、音楽のサブスクに加入していて、普段から音楽を聴きながら走っているなら、絶対に「Forerunner 165 Music」がおすすめです。
音楽機能があってもMP3とかにして保存しなくてはいけないんでしょ?と思う人もいるかも知れませんが、ガーミンの音楽機能はサブスクに対応しており、Spotify、Amazon Music、LINE MUSICのプレイリストを同期でき、最大450曲もウォッチに保存できます。
もちろんSuicaに対応しているので、もうスマホを持って走る必要がなくなります。音楽を聴きながら走らないという人も、Forerunner 165 Musicを手に入れて、音楽のあるランニングライフを始めてみてはいかがでしょう。最近はオープンイヤーのイヤホンが増えているので、安全に音楽のあるランニングを楽しめます。
Forerunner 165/165 Music 製品概要
Forerunner 165
カラー:Black Gray, White Gray
価格:39,800円(税込)
Forerunner 165 Music
カラー:Black Gray, White Gray, Turquoise, Berry
価格:44,800円(税込)
重量 | 39 g |
サイズ(W×H×D) | 43×43×11.6 mm |
ディスプレイ | 直径1.2インチ AMOLED |
解像度 | 390×390 ピクセル/カラー |
ベゼル素材 | 繊維強化ポリマー |
レンズ素材 | 化学強化ガラス |
バンドサイズ | 20mm(シリコン) |
稼働時間 | スマートウォッチモード:約11日間 GPSモード:約19時間 |
防水機能 | 5ATM(50m防水) |
接続機能 | Bluetooth® ANT+ Wi-Fi(Musicのみ) USB |
衛星測位 | GPS GLONASS Galileo みちびき(補完信号) |
センサー | 光学式心拍センサー 電子コンパス 気圧高度計 加速度計など |
ランニングデータインターフェイス | PacePro リカバリータイムなど |
ランニングサポート機能 | トレーニング効果 モーニングレポート レースウィジェット おすすめワークアウト ガーミンコーチ VO2 Max トレーニングプラン 予測タイム ランニングパワー ランニングダイナミクス(手首ベース)など |
ライフログ機能 | 心拍数 呼吸数 Body Battery HRVステータス 睡眠スコア 昼寝検出 フィットネス年齢 血中酸素トラッキング 女性の健康追跡 週間運動量 ストレススコア ヘルススナップショット 消費カロリー ステップなど |
スポーツ&フィットネス | ランニング サイクリング スイミング 筋トレ ヨガ ピラティスなど25種類以上 |
スマート機能 | 各種通知機能(メール、SNS、ニュース等) Garmin PayおよびSuicaなど 音楽再生(Spotify®、Amazon Music、LINE MUSIC) 最大450曲まで保存可能 ※スマートフォンとのペアリングが必要 ※音楽再生は「Forerunner 165 Music」のみ対応 |
その他の機能 | タッチスクリーン(オンオフ切り替え可能) 事故検出・救助要請機能など |
標準付属品 | USB-Cチャージングケーブル 製品保証書 |
カラー | Forerunner 165 ・Black Gray(ブラックグレー) ・White Gray(ホワイトグレー) Forerunner 165 Music ・Black Gray(ブラックグレー) ・White Gray(ホワイトグレー) ・Turquoise(ターコイズ) ・Berry(ベリー) |
価格 | Forerunner 165:39,800円(税込) Forerunner 165 Music:44,800円(税込) |
発売日 | 2024年2月29日(木) |