マラソンの世界に大きな変化を与えることになったランニングシューズ「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%」。レースで勝ちたいのであれば、これを履かない選択肢はないというくらい、市民ランナーの間でも高い人気が続いています。
おそらくナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%を超えるシューズは、しばらく登場しないだろうと思っていたところに、ナイキからとんでもない発表がありました。ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%を進化させたランニングシューズの登場です。
その名も「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」、ネクスト%という言葉にナイキがどのようなランニングシューズを作ったのかが伝わってきます。
そもそものヴェイパーフライ4%の「4%」というのは、そナイキで最も速いシューズとされていたナイキ ズーム ストリーク 6よりも、ランニング効率が平均4%高くなることから名付けられています。
そして、ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%は4%以上、その次の%に到達することを目指して作られたシューズということです。
ただ、それだけでは言葉遊びになってしまいますので、具体的に何が変わったのかをご紹介します。
・アッパー素材に最新のヴェイパーウィーブを採用
・シューレースを中心からずらした位置に配置
・かかと内側に小さなフォームを配置
・ミッドソールに使用するナイキ ズームX フォームを増量
・フォームの配置を見直し
・オフセットを11mmから8mmに変更
・前足のグリップ性を改善
この他にも様々な改良が加えられています。ここまで大きな変更となると、すでに「4%」の領域をはるかに超えていることが期待できます。実際にすでに着用しているトップアスリートからも高い評価を受けています。
モー・ファラー
「プレートがフォアフットを促し、より速く走れる」
大迫 傑
「特にシューレースのあたりのフィット感が良くなった」
ロザ・デレジェ
「前足部分のフォームが厚くなったので、ストライドの最後の瞬間のエネルギーリターンがより大きくなったように感じる。試しに履いた時に、今までのトレーニングランで最も速く走れた。」
ジョフリー・キルイ
「限界を感じずに、走るための自由と自信を感じるためにはトラクションがとても大切」
ベースはナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%にありますので、こちらもカーボンプレートが内蔵されています。そして、フォームは増量されていますが、シューズの重量は変わりません。
アッパー素材を変更したことで、これまでの雨に弱いという点が改良され、シューレースの位置を変えることでフィット感がさらに高まり、シューズの反応が改善されています。濡れた路面でもしっかりとグリップ力を発揮しますし、安定感もましています。
ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%は間違いなく、現時点でナイキ史上最高の1足になります。おそらくさらなる「ネクスト%」が開発されているのでしょうが。
発表されたリリースに基づいてのご紹介ですので、実際にどれくらいの違いがあるのかなどは現時点では分かりません。上記動画からはっきりと分かるのは、このシューズは本当のトップアスリートのための1足だということ。
キロ2分50秒〜3分30秒くらいがベストな使用範囲。もちろん、それよりも遅いスピードで走るランナーでも十分に効果を期待できますが、正しい走り方でないとシューズのポテンシャルを100%出し切ることはできません。
勘違いしてはいけないのは、このシューズは魔法のシューズではないということです。十分なトレーニングをしたランナーの力を引き出してくれますが、十分なトレーニングをしていなければ、魔法は発動されません。
自分を超えていきたい。そのために適切な練習を行い、十分に栄養のある食事をして、回復のためにしっかり眠る。そういったあたり前のサイクルを日々積み重ねられるランナーにこそふさわしい1足。
発売は7月の予定ですが、4月28日に開催される大会でお披露目ということですので、おそらくロンドンマラソンで使用されることでしょう。そうなると気になるのはどのような結果が出るのかということ。
ナイキが再び世界を驚かせることになるのか、「ネクスト%」がそのポテンシャルをいかんなく発揮するのか、楽しみに待つとしましょう。