
ナイキに押されつつあると言いながらも、「日本人ならアシックス」という考えを持ったランナーもまだまだいます。そして、アシックスの技術が落ちたわけではなく、オールドタイプのランニングシューズの完成度は、今でも世界トップクラスを維持しています。
そんなアシックスから8月9日ターサーシリーズの最新作「TARTHEREDGE(ターサーエッジ)」が発売になりました。ここではそんな「TARTHEREDGE」がどのようなランニングシューズなのか、その特徴をご紹介します。
TARTHEREDGEはどんなランニングシューズ?
● シリアスランナーの走りを解析して設計
● 4分〜4分30秒/kmペースに適している
● 税抜14,000円
TARTHEREDGEのいいところ
● 日本人の足型にフィットしやすい
● 着地時に安定感がある
● しっかりと地面に力を伝えられる
TARTHEREDGEの残念なところ
● 革新性がない
ターサーシリーズのDNAと加速のための正当進化
TARTHEREDGEはシリアスランナーの走りを解析して作られたランニングシューズで、これまでのターサーシリーズとは違う靴底形状を採用しています。シリアスランナーの場合、中足部外側での着地が多いということで、その部分をフラット形状にしています。
これにより、着地するときのブレがなくなり、その後の蹴り出しへの動きがスムーズになります。単純にこれまで逃げていた力が、きちんと地面に伝わるようになるのだと考えてもらえればOKです。
アウトソールにはウレタンのトレッドを配置しているため、路面とのグリップ性も高く、グイグイと推進することが可能です。
もちろんターサーシリーズですので、日本人の足型にフィットしているのは言うまでもありません。すべての人に合うわけではありませんが、「やっぱりこれが落ち着く」という日本人ランナーも多いはずです。
軽量でフィット感が高いというターサーシリーズのDNAはきちん引き継ぎつつも、上記にあるように靴底形状を変更したり、ミッドソールに反発性の高い「FLYTEFOAM PROPEL」を採用したりするなど、新しい技術を導入していくことで進化しています。
新世代ランニングシューズの特徴である厚底とは真逆の方向性ではありますが、自力をつけて速く走れるようになりたいというランナーにおすすめの1足です。
ターゲットタイムは4分〜4分30秒/km
TARTHEREDGEのターゲットタイムは4分〜4分30秒/kmということで、フルマラソンではサブ3・サブ3.5を狙うのに適した位置づけになっています。シリアスランナーの走りを解析して作られたので当然といえば当然ですが、かなり速いランナー向けです。
ただし反発力が高すぎるということもなく、それほどクセも強くないことが予想されますので、むしろ初心者の最初の1足という考え方もできます。
初心者はどうしてもクッション性の高いシューズを選びがちですが、そのままクッションに守られたシューズを履き続けていたのでは、いつまで経っても走力が上がりません。
レースはクッションがあっても構いませんが、トレーニングは「鍛える」ためにあります。ですので、TARTHEREDGEのように、必要以上のサポートがないシューズを選ぶほうが上達に繋がります。
とはいえ、アウトソールにトレッドを配置しているシューズですので、消耗を考えるとやはり走力が高い人のレース用、もしくはスピード練習に使うのが最適な使い方になります。
欠点があるとするなら革新性がないこと
クセも強くなく、軽量で安定感も高い。そして日本人の足型フィットするとなると欠点はほぼないランニングシューズということになります。アシックスのランニングシューズが好きで、サブ3を狙うならこれを買っておいて間違いありません。
でも、ランニングシューズはすでに新世代へと移行が始まっており、厚底で高いクッション性と反発力を得られるシューズが主流になっています。それらのシューズではなく、オールドタイプのシューズを選ぶことに大きなメリットはありません。
進化はしているけど革新性はない。これがTARTHEREDGEの特徴でもあります。
もちろん、必ずしもシューズに革新性がないといけないというわけではありません。大事なのは自分のパフォーマンスを100%引き出してくれるかどうか。TARTHEREDGEがそれならまったく問題ありません。
TARTHEREDGE製品概要

価格 | 14,000円(税抜) |
サイズ | MEN'S:24.5-29.0cm,30.0cm WOMEN'S:22.5-26.0cm |