【シューズレビュー】ワークマン「アスレシューズエピオン」はランニングに使える?1500円の格安シューズのポテンシャルを徹底解剖

RUNNING STREET 365でワークマンといえは、やはり980円の格安シューズ「アスレシューズライト」ですよね。賛否は分かれたものの、話題性の大きさでは、トップブランドのシューズ以上の反響があり、今でも愛用している人もいるかと思います。

そんな「アスレシューズライト」が廃盤になり、生産終了ということで、在庫限りとなります。そして、そのDNAを引き継ぐ「アスレシューズエピオン」が発売開始となりました。価格は1,500円と、約1.5倍になっていますが、気になるのは後継シューズになるのかですよね。

そこでここでは「アスレシューズエピオン」がランニングシューズとして、どれくらいのポテンシャルがあるのか、詳しくレビューしていきます。

目次

アスレシューズエピオンは何が変わったか

まず前提としてお伝えしておくのは、RUNNING STREET 365はワークマンのアンバサダーという立場だということですが、今回のアスレシューズエピオンは忖度なしでレビューをしたかったため、自腹購入しています(1,500円ですが)。

アスレシューズエピオンと前作のアスレシューズライトの大きな違いは3つあります。

  • ソール素材が変わり部分的にラバーを採用
  • スリムなデザインになった
  • 重たくなった

それぞれのポイントを見ていきましょう。

ソール素材が変わり部分的にラバーも採用

アスレシューズエピオンのアウトソールには部分的にラバーが採用されていて、ミッドソールは高反発素材に変更しています。これにより耐久性は明らかに上がっています。

ただそれは「一般論」での話。私はアスレシューズライトで2000kmくらい走って、それでもアウトソールはそれほど削れておらず、汚れが目立ってきたので買い替えましたが、2000km走った後でもまったく問題なく走れましたので、個人的にはそれ以上の耐久性を求めていません。

それでも人によっては100kmでソールが削れて使い物にならなくなったという話もあるので、ほとんどの人にとっては、耐久性アップは喜ぶべきポイントになるはずです。ミッドソールの耐摩耗性も上がっているように感じるので、間違いなく長く履ける1足になっています。

ソール素材が変わったとなると、気になるのは走り心地です。これについては、アスレシューズエピオンを履いて長い距離を走ってきたので、後ほど詳しくレビューします。

スリムなデザインになった

そもそも、ワークマンのアスレシューズライトはランニングシューズではなく、現場の人たちが履くスニーカーとして開発されたシューズになります。それを私が勝手に「マラソンに使えるかも」なんて思いつき、ランニングシューズとして広めたという経緯があります。

このため現場の好みに合わせて幅広で、かなりブカブカなサイズ感になっていました。そのままでは左右のシューレースを限界まで寄せてもフィットしきらないので、インソールを入れるなどして工夫してフィット感を高めて、サブ3.5を達成しました。

アスレシューズエピオンは見た目からしてスリムな感じに仕上がっていて、普通に街履きにも使えるデザインに仕上がっています。ただし、甲が少し高い感覚があり、ほとんどの人は、やはりインソールを入れたほうがフィット感は高まるかと思います。きっちりフィットさせたい人は、100均のインソールでもいいので入れておきましょう。

反対に足の甲が高いタイプの人は、アスレシューズエピオンがジャストフィットするはずです。私は前足部を遊ばせるのが好きなので、インソールなしでも問題ないと判断しましたが、長い距離を走ると縫製部分が指の付け根を押し付けるので、インソールを使ってフィット感を上げるつもりです。

重たくなった

アスレシューズライトをRUNNING STREET 365でおすすめした最大の理由は、価格ではなく「軽さ」にあります。片足150gしかなく、とにかく軽いのが魅力でした。ところがアスレシューズエピオンは220g(実測223g)あります。たった70gと思うかもしれませんが、70gも違うと走りの感覚が全く違います。

前作は重さをほぼ感じることなく走れましたが、アスレシューズエピオンは良くも悪くも「普通」です。一般的なランニングシューズと比べるとやや軽めですが、最近はレースシューズの軽量化がトレンドとなっていて、200gを切らないと「軽い」とは感じなくなっています。

もちろん事前にわかっていたことなので、がっかりすることはないのですが、アスレシューズライトの強みが薄れており、個人的にはここは大きなマイナスポイントです。もっともアスレシューズライトを履いたことがなく、シューズの重さをそれほど気にしない人であれば、そこまでネガティブに感じることはないかと思います。

シューズは耐久性を上げようとすると、どうしても重たくなってしまいます。アスレシューズライトもアスレシューズエピオンも、現場で使うスニーカーであることを考えると、正しい方向への進化。ただ、ランニングシューズとしては減点になるかなというのが私の印象です。

アスレシューズエピオンで丸の内線ランをしてみた

普段はシューズレビューをするのに、まずは5kmくらい走ってから長い距離を走りますが、今回は「ワークマンのシューズは試さなくても走れる」という根拠のない自信があったのと、たまたま時間がぽっかり空いたのもあって、東京メトロの丸の内線を荻窪から池袋まで、副線も合わせていきなり32km走ってきました。

ただしレースではないので、いろいろ立ち寄ったり休憩を入れたりしながらのマラニックスタイルです。

まずはいつもの自分の走り方で試してみます。足裏をフラットにして重心の下に着地させながら走ります。ミッドソールは「高反発」となっていますが、大手メーカーのバネのように跳ねる反発と比べると、反発はほぼゼロなので反発力を活かした走り方はできません。

仕方ありません。なんせアスレシューズエピオンは1,500円のスニーカーなんですから。

アスレシューズライトも反発はありませんでしたが、シューズが軽いため、そこまで足を持ち上げる意識はなくても足をしっかり回せました。

正直、これはどうしたものかとレビューをする上で、かなり困った状況になったのですが、ここまでのすべてのネガティブなイメージが吹き飛ぶような発見がありました。それは「足裏で転がすように走ることで、驚くほど走りがスムーズになる」ということです。

ソール形状からすると、フラットに着地するべきシューズなのですが、「踵→小指→親指」の流れで滑らかに着地するほうがストレスなく走れます。そこからはもう水を得た魚状態でした。スピードはあまり出ませんが、疲労感も少なく、坂道も淡々と上れます。

フルマラソンなら、3時間30分から4時間くらいなら無理なく出せそうです。

ただ、アスレシューズライトと同じ感覚でサブ3.5を達成するには、自分自身の走力をかなり高める必要があります。アスレシューズエピオンは、アスレシューズライト の後継という位置付けですが、それはあくまでも現場でのスニーカーとしてのこと。

ランニングシューズとして考えると、この2つはまったくの別物です。

アスレシューズライトの感覚で走ると、スピードが出ないことにがっかりします。そうなったら、踵側からの着地で足裏を転がすように走ってみてください。きっと、ナチュラルな推進力を感じることができ、30kmくらいなら気持ちよく走れます。

その先の領域で使いたいなら、本物のランニングシューズを選びましょう。反発力が欲しければアスレシューズハイバウンスオーバードライブという選択肢もあります。アスレシューズエピオンは、1秒を削り出すためのシューズではなく、毎日のジョグを楽しむためのシューズという位置づけになるというのが、私の結論です。

アスレシューズエピオンコスパ抜群のジョグシューズ

踵側からの着地をするランナーにとっては、アスレシューズエピオンはとても魅力的な1足です。力を入れなくても前に進んでいけますし、ソールの接地面積がかなり広いので、安定した走りができます。ただサブ3.5ランナーの私にとっては、キロ5分30秒前後が1番気持ちよく走れる領域。

その先の景色を見たければ、もっと予算をかけて、走るためのシューズを選ぶほうが幸せになれます。

アスレシューズエピオンは、ランニングで使えるなら「ジョグシューズ」として履くのがベストです。ただ、足をペタペタさせて、のんびり走るよりは、しっかり足の回転数を上げるために、足裏で転がすように走るのがおすすめです。その走りを習得すればリカバリーシューズとしても使えます。

そして、何よりも1,500円なので懐が痛くありません。

そういう意味では、趣味でジョギングをしてみたいけど、続くかどうかわからないから、まずは安いシューズで始めたいという人におすすめです。月間走行距離が500km以上あって、ジョグシューズが消耗品になっているという人にもアスレシューズエピオンはおすすめです。

反対にアスレシューズエピオン1足でトレーニングからレースまでこなし、そのうえで自己ベスト更新を狙うといった使い方には適していません。フルマラソンを完走できるスペックは兼ね備えていますが、自分のポテンシャルを100%引き出すタイプのシューズではありません。

そのあたりをしっかり頭に入れて選びましょう。トレーニング用のシューズだと考えれば、アスレシューズエピオンは圧倒的にコスパ抜群のシューズです。デザインも随分よくなりましたし、気になるという人はインソールと合わせて購入してみてはいかがでしょう。

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