トークショー「陸上界大放談」レポート

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2016年3月23日、マリオット東京で北海道士別市主催のトークショー「陸上界大放談」が開催されました。増田明美さんをMCに野口みずきさんと伊東浩司さんの3人で行うトークショーでしたが、ここでしか聞けない話もありましたので、ここで紹介します。

足が壊れるまで走りたい

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「足が壊れるまで走りたい」野口みずきさんがそう言いました。これは実業団のチームに入ったときから言い続けているそうです。それを聞いた伊東浩司さんは「考えられない」との一言。

同じ日本記録保持者でも考え方はいろいろです。でも実際は伊東浩司さんも、足が壊れる覚悟で9秒台を狙っていたような気がします。

アスリートというのはそういうことを言うのでしょう。後のことは考えず、常に全力で競技と向き合う。自分をどんどん高めていくことだけを生きがいとする。陸上でオリンピックに出るというのは、そういうことなのかもしれません。

金メダルには自信がありました

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「金メダルには自信がありました」これも野口みずきさんの言葉です。

福士加代子さんが金メダル宣言をしたことに対して、野口さんはどうだったかと聞かれたとき、福士さんがそう答えたのです。

他の発言は柔らかい感じがありましたが、この時だけは勝負師の顔をして、迫力のある言葉でした。偶然金メダルを取れたわけではない。そういう思いが強いのかもしれません。

北京オリンピックで欠場となったことでいろいろ悩んだり、言われることもあったのでしょう。だからこそアテネオリンピックで金メダルを取った自分が、ここまでの心の支えになっているのかもしれません。

練習で距離を踏めない選手が増えている

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最近の若い選手はマラソン練習で長い距離を踏めなくなっている人が多いそうです。「走った距離は裏切らない」野口みずきさんの口癖のような言葉です。のぐちみずきさんは、これまで距離を踏むことで自信をつけ結果を出してきました。

その原動力となったのが食事です。

野口みずきさんはとにかくよく食べることで有名ですが、「走っていなかったら食べない」と言います。「走るために食べている」そうです。そういえば高橋尚子さんもよく食べ、よく走っていました。

走れる選手になるには、食べることのできる選手になる必要があるのかもしれません。

伊東浩司さんは今の食事まで完全にコントロールされている短距離の若手を見て、「もう少し自由にしたほうがいいのに」と感じているとのこと。今の時代の選手だったら「日本記録を出せなかった」とまで言っています。

野性的な感覚が今の若手にないことを不安に感じているそうです。

とにかく食事をしっかりすること。これが増田明美さんを含む3人の共通した意見でした。食べずに走っても、瞬間的に速くなっても体を壊すだけ。強いランナーにはなれない。そう伝える姿には切実感がありました。

短距離走者を参考にする

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名古屋ウィメンズマラソン前の合宿で調子が上がらなかった野口みずきさんは、同じ競技場内で練習をしていた短距離の黒人選手のフォームを観察して、自分本来の走りを取り戻したそうです。

もともとは短距離の選手だった野口みずきさん。そこから長距離へとシフトしたからこそのあのダイナミックなフォームだったわけですが、そのフォームは天性のものではなく、地道な筋トレによるものです。

週2回はマシンを使った筋トレを行い、週3回は補強のための器具を使わない筋トレを行っているそうです。走って体幹を鍛えることも大事だけど、トップランナーであり続けるには「筋力が必要」とのこと。

野口みずきさんは短距離の選手に近いレベルの筋トレを行っていたそうです。150cmの小さな体で世界と戦うためには外国人に負けないパワーが必要。それが彼女の出した答えでした。

陸上界のこれから

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東京オリンピックに向けて、日本陸上界は一丸とならなくてはいけないのですが、いまはまだ短距離と長距離が、それぞれに頑張っているような印象を受けました。日本陸上界はもっと魅せることの出来る競技にならなければいつまでたってもアマチュアのまま変わりません。

そのことに対する危機感は、短距離界不遇の時代を知っている伊東浩司さんが最も強く感じているようです。陸上をどうやって盛り上げていくか。それはRUNNING STREET 365というウェブメディアでもやるべきことがあるはずです。

市民ランナーも含めたオールジャパンで東京オリンピックを成功させる。そこにいい選手を送り出す環境を作る。そのためにRUNNING STREET 365は、これまで以上にいい情報を発信し続けます。

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