【シューズレビュー】「ニューバランス NB HANZO V2」

エメラルドカラーが美しいNB HANZO V2

ニューバランスとM.Lab(ミムラボ)の共同開発によって作られたランニングシューズ「HANZO V2」。2018年12月14日に発売されることが決定し、多くのランナーが世界を代表するシューズ職人の三村仁司氏の1足を楽しみにしていることと思います。

このたび、NB HANZO V2の新作発表会に合わせて開催された、シューズトライアルイベントに参加させていただいたので、RUNNING STREET 365なりの表現でNB HANZO V2がどのようなランニングシューズなのかをお伝えします。

ぜひ購入前の参考にしていただければと思います。

2種類のNB HANZO V2

左がNB HANZO V2 S、右がNB HANZO V2 R

まず知っておいてもらいたいのは、今回発表となったNB HANZO V2には2種類のシューズがあるということです。他のメディアなどではあまり語られませんが、そのラインナップは下記の2種類になります。

NB HANZO V2 S:2時間30分設定
NB HANZO V2 R:3時間設定

ニューバランスのラインナップでは「S」をサブ2.5シューズ、「R」をサブ3シューズとしていますが、これは「仕方なく」そう分けただけで、「R」が劣るというわけではありません。

実際に今シーズンからニューバランスとアスリート契約を締結した神野大地選手は、フルマラソン用には「R」を選んでいます。

SとRの違いとしては、限界まで不要なものを削ぎ落としたシューズが「S:SPEED」で、こちらは基本的にはキロ2分50秒〜3分30秒くらいの設定タイムになり、「R:RACE」は安定性がやや高くキロ3分〜4分30秒くらいの走りにマッチします。

どちらがいいかについては、後ほど詳しく説明しますが、今はこの2種類があるということを頭に入れておいてください。

ケガをせずに練習を積み重ねるためのランニングシューズ

「ケガをせずに練習を積み重ねることができる」ことを狙いにして設計

このシューズを手がけたミムラボの三村仁司さんがいつも言っているのは、「ケガをせずに練習を積み重ねることができれば、誰でも速くなる」ということです。このため、自分の体の弱いところを強くすることを選手にアドバイスします。

ただ、人間の体の構造上、どうしてもトレーニングではカバーできない体の弱い部分を補うためにランニングシューズがあるというのが、基本的なスタンスになります。このためNB HANZO V2は「ケガをしない」ことに重点を置いています。

でも、最近の厚底ブームをあざ笑うかのような、クッションが最小限に抑えられているのがNB HANZO V2です。このベースにあるのは「昔の選手は、ペラペラのシューズを履いて走っていたけどケガはしなかった」という事実です。

最適な重量バランスまで考えてミッドソールはV1の2層構造を1層構造に変更

クッション性がいらないとは言いませんが、過剰なクッションは足を傷めることにつながります。特に日本人は足首周りが柔らかいのもあり、しっかりと地面を感じられるランニングシューズが適しているという考えが三村さんの信念にあります。

日本人の足を何十万回と計測したデータを元に、速く走れるけどケガもしにくくなるシューズというのがNB HANZO V2のコンセプトになります。勘違いしないでもらいたいのが「ケガをしない」シューズではないということです。

市販品ですので、実際に履いてみると足に合わないという人もいます。10人いれば8人はケガのリスクが下がりますが、残り2人はもしかしたらケガを引き起こすかもしれません。「すべての人に合うランニングシューズは作れない」これも三村さんの言葉です。

地面からの反発力がダイレクトに伝わってくる

履いた瞬間にそのポテンシャルの高さが伝わってくる1足

NB HANZO V2は軽量性と反発性を兼ね備えたミッドソール「REVLITE」を採用していますが、実際にはそれほど大きな反発性はありません。スニーカーに使われるEVAよりは反発するという程度で、最近流行りの高反発ミッドソールとは違います。

反発がそれほど大きくないというのは、それほど大きな問題ではありません。むしろ、接地したときのロスが小さくなるため、きちんと足を鍛えていれば、蹴り出したエネルギーを無駄なく地面に伝えることができます。

また、この主張しすぎないミッドソールは、驚異的な即応性も兼ね備えています。私は普段から裸足で走ることが多いのですが、裸足で走るときが、最もダイレクトに地面からの反力を受けることができます。

左がV1、右がV2アウトソールパターンはV1から引き継がれている

ランニングシューズを履くと、どうしても反力が送れますし、ロスが発生して力が逃げるのも分かります。ところが、このNB HANZO V2は驚くほどの速さで足裏に反発力を与えてくれます。さすがに裸足同様とは言いませんが、過去に履いたどのシューズよりもその点は優れています。

必要以上に反発しないため、自分の意志で足の回転数を上げたり、足の動きに余裕をもたせることができるようになります。ガツガツ頑張らなくても推進力が自然と生まれます。

ただし、これは「S」のみの感触で、「R」は反発力がやや遅れ気味で力も小さくなります。とはいえ、一般的なスピード用ランニングシューズと比べても遜色なく、「S」があまりにも優れすぎているというだけのことです。

高速でぶれないランニングシューズ

スピードを出せば出すほど安定していく

NB HANZO V2 Sはキロ5分6分というようなスピードで走ると、不安定感が出ます。このシューズは無駄を削ぎ落としてありますので、最適なスピードで走らないとその力を発揮することはできません。

その領域が「S」ならキロ2分50秒〜3分30秒というわけです。このスピード領域で走ることができると、安定感が一気にアップします。これは他社の高速レース用のシューズでもよくある減少です。

歩くときは不安定に感じても、実際に設定スピードまで上げることができれば、きれいに推進力を生み出すことが可能です。このときの着地は前足部で、できれば前足部全体の大きな面で受けると力のロスを減らせます。

一方の「R」ですが、こちらはそれほどスピードを出さなくても、最初からしっかりと安定しています。比較的乱暴な走りをしても、しっかりと路面をキャッチしてくれるのが、NB HANZO V2 Rの特徴です。

鍛えられた足を包み込むようなフィット感でサポートしてくれる

いずれにしてもキロ3分台のペースで走っても、まったくブレることがありません。これは強力なスタビライザーと、フィット感の高いアッパー部材によるものです。スタビライザーについては、後ほど詳しく説明します。

ここでポイントになるのはアッパーのメッシュ素材へのこだわりです。三村さんはシューズを作るときにフィット感をとても大事にします。フィット感の高いシューズは追従性も高くなり、よりロスをなくしてスピードを出せるというわけです。

ちなみに、NB HANZO V2 は「R」も「S」もミムラボと同じタイプの木型を使用しています。これまでエリートランナーにしか許されなかったミムラボの木型。これを使用したことで、かつてないフィット感を実現しています。

スタビライザーがシューズ選びの鍵になる

強力なスタビライザーにより推進力が生み出される

多くのランナーがどうせ買うなら、よりスピードの出る「S」を欲しいと考えるかもしれませんが、「S」を選ぶにあたって、ひとつだけ気をつけなくてはいけないポイントがあります。それは「S」のソールが反りにくいという点です。

写真を見てもらえば分かるかと思いますが、「S」にはかなり強力なスタビライザーが付いています。これによって、強力な推進力を生み出すことができるわけですが、このスタビライザーがあることで、鍛えられていない足でもそれなりのスピードを出すことができます。

ところが、足が耐えられる以上のスピードを出せてしまいますので、当然そこからケガにつながる恐れがあります。実際に、このシューズで走ってみましたが、1kmくらい走った後に両足のアキレス腱に違和感がありました。

手前が「R」、後方が「S」のアウトソール

最初は踵だと思っていましたが、いつもよりも速いスピードでしたので、アキレス腱に負荷が掛かりすぎたのでしょう。気持ちよく走れてしまうから、ついつい自分の体の限界を超えて追い込んでしまう。そんなリスクもあることを頭に入れておきましょう。

もちろん、普段からキロ3分台前半でトレーニングをしているのであれば、まったく問題ありません。もしそこまでのスピードを出せないのであれば、NB HANZO V2 Sを履いたときにはスピードを出しすぎないようにしてください。

いくらケガをしにくいシューズだからといって、走れる足ができていないのに無理をさせると大ケガに繋がります。

悩んだらNB HANZO V2 Rを選ぶ

左が「R」、右が「S」、Rには補強部材が使われているのが分かる

NB HANZO V2 Sはとても魅力的なランニングシューズですが、毎日しっかりとトレーニングをして、無理なく2時間30分以内に走れるランナーのためのシューズです。もちろん、それよりも遅いという人でもスピード練習には使えます。

ケガだけ気をつけておけば、普段よりも足に負荷をかけられるシューズですので、短時間で効率よくトレーニングすることもできます。でも、フルマラソンで履くとなると話は変わってきます。

正直なところ、ほとんどのランナーはNB HANZO V2 Rで十分です。いや、むしろこちらを選ばない理由はありません。NB HANZO V2 Sは走ることに人生を掛けている大学駅伝の選手や、実業団の選手に適したシューズです。

ニューバランスと三村さんの想いが込められた1足

もちろん、NB HANZO V2 Sも市販されるシューズですので、市民ランナーが履いていけないということはありません。きちんと履きこなすことができれば、自己ベスト更新をサポートしてくれるシューズです。

ただ、極限まで削ぎ落とされたシューズですので、いくらニューバランスと三村さんが作り上げたシューズでも、それなりのリスクはあるということを頭に入れておきましょう。そういう意味でも悩んだらNB HANZO V2 Rで間違いありません。

それでもまだ決心がつかないという人は、やはり実際に足を入れて判断してみてください。発売日は12月14日ですので、ニューバランスの直営店、もしくはランニングショップでそれぞれのフィット感やフィーリングを確かめてみましょう。

ちなみに、オンラインでの予約が規定数に達していたため、予約を終了していましたが、先行予約を再開しましたので、前回予約できなかった人はぜひ先行予約をして発売日に手に入れてください。

NB HANZO V2公式サイト
https://shop.newbalance.jp/shop/e/eEnb-hanzo

NB HANZO V2商品概要

NB HANZO V2はエリートランナー向けにNB HANZO S、シリアスランナー向けにNB HANZO Rというラインナップになっています。ここではNB HANZO Sモデルをメンズとウィメンズに分けてご紹介します。

NB HANZO S M(メンズ)

E2(エメラルド/ブラック)

B2(ブルー/オレンジ)

G2(グレー/ブラック)

NB HANZO S M(メンズ)
サイズD /23.5-29.0cm
2E/23.5-29.0cm
カラーE2(エメラルド/ブラック)
G2(グレー/ブラック)
B2(ブルー/オレンジ)
価格15,000円(税抜)

NB HANZO S W(ウィメンズ)

E2(エメラルド/ブラック)

V2(バイオレット/ブラック)

NB HANZO S M(メンズ)
サイズB/22.0-25.5cm
D/22.5-25.5cm
カラーV2(バイオレット/ブラック)
E2(エメラルド/ブラック)
価格15,000円(税抜)

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