毎年秋に開催されている、ランニングマガジン クリール主催のランニングシューズイベント「クリール・シューズトライアル2019FW」が、今年も9月28日に東京臨海広域防災公園で開催されました。
個別のシューズに関するレポートは別途記事にしますが、ここではどんなイベントだったのか、イベントの雰囲気も合わせてレポートします。
ベストコンディションでの試走
クリールシューズトライアルは、なぜか秋雨の影響を受けることが多く、ここ数年は雨の中での開催が多かったのですが今年は晴天。スタート時には雲ひとつない青空が広がっていました。
ドライな路面で試走ができるため、シューズがしっかりと地面を掴んでくれて、シューズのポテンシャルを発揮できるベストコンディションでの開催となりました。
ただし気温は高めで、9月末にも関わらず30℃近くまで上昇しています。
午前10時に開会式が行われ、そこから5時間の長丁場でしたが、14時くらいには試走をやめていた人も多く、たくさんのシューズを試すという意味では、やや厳しい環境になってしまいました。
今年はアディダスとミズノが参加
ここ最近のクリールシューズトライアルは、大手メーカーが参加しないという寂しい状態にありましたが、今年はアディダスとミズノが参加しています。しかもそれぞれが、主力製品を持ってきており、メーカーの危機感が伝わってきます。
ランニングシューズはナイキがどんどんとシェアを拡大しており、トップランナーだけでなく市民ランナーも「ナイキを履いておけば間違いない」状態になりつつあります。
「少しでもシェアを改善したい」という思いが2つのメーカーにあったのでしょう。アディダスの担当者からは「こういった場にもっと出てくるべきだった」との声も聞かれました。
ランニングシューズはやはり、履いて走らないとその良さが伝わりません。アディダスやミズノといった大手でもそれに変わりはなく、いくらいい商品を作っても、こうした場がないと買ってもらえないという厳しい現実。
ただ、その現実が大手の参加に繋がっているなら、来年以降はもっと多くのメーカーが参加するイベントになるかもしれません。
普段履くことができないシューズを比較できる醍醐味
クリールシューズトライアルが開催されている東京臨海広域防災公園には、いくつかのランニングコースがあり、短いもので1周700mとなっています。長くもなく短くもないこの距離をうまく使って、制限時間内に好きなだけシューズを試すことができます。
今回参加したシューズメーカーは14社あり、それ以外にランニングブランドもいくつか出展しています。
・アディダス
・アルトラ
・オン
・カルフ
・サッカニー
・サロモン
・スボルメ
・ブルックス
・ホカオネオネ
・ミズノ
・メディフォーム
・メレル
・レイドライド
・MBT
それぞれが2〜4種類のシューズを用意していますので、その気になれば20足近く履くことができますが、今回は30℃という気温がそれを阻みました。多い人でも15足くらいだったのではないかと思います。
それでも、15足を比較できる場はそうそうありません。
ほぼ同じ条件で比較してみると、シューズの特徴や走りやすさ、自分との相性が明確になります。私は試走しながら700mのタイムを計測しましたが、2分25秒で走れたものもあれば、2分48秒もかかったものもあります。
後半になると遅いというわけではなく、同じように頑張って走っているのに、700mで20秒以上の差が出ています。
これくらいシューズには個性があります。そして、その個性をメーカーの宣伝文句ではなく、自分の足で感じられるのがクリールシューズトライアルの魅力でもあります。
しかも、普段は履くことができないメーカーのシューズが揃っています。大手メーカーのシューズはランステのレンタル品で借りられますが、例えばホカオネオネやメディフォームなどは、試したいと思ってもなかなかそのような機会がありません。
それもメーカーの担当者からきちんと説明を受けることができ、本当に自分に合った1足を選ぶことができます。
プレゼントもお土産もいっぱい
クリールシューズトライアルに参加するには、1,500円の参加費がかかります。「無料じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、むしろ1,500円で好きなだけシューズを試せるのはかなりお得です。
1,500円で5時間も楽しめるイベントはそうそうありません。
しかも、イベントの終わりには出展メーカーのランニングシューズが当たる抽選会も行われ、当選した場合には無料でランニングシューズをもらえます。抽選に外れても、たくさんのお土産が用意されています。
内容は毎年違いますが、今年のお土産の中には1,700円もするミズノのソックスが入っていました。それだけで1,500円の元が取れてしまうのに、他にもシューズの補修材・シューグーやGONTEXのテーピング、アディダスのランステRUNBASE TOKYOの1回無料券などなど。
さらには、各メーカーのショップで使える割引券も入っているので、気になったシューズを割引価格で購入できます。
これだけ魅力的なお土産があり、とても充実した1日になるクリールシューズトライアル。年1回の開催ですので、なかなか参加しにくいかもしれませんが、参加してもらえれば、シューズを選ぶことの大切さを分かってもらえるはずです。
次回は1年後ということになりますが、こういう特別なイベントがあるということだけでも覚えておいてください。