タフなコースでありながらも、沿道を埋め尽くす応援と充実したエイドで人気の愛媛マラソン。愛媛県知事や松山市長も走るということもあり、愛媛マラソンは冬の伊予路の風物詩となっています。ただし人気が高くて、なかなか出られない大会でもあります。
出られないと余計に走りたくなるのがランナーというもの。そのためにはまずはエントリーしないことには始まりません。ただ完走できるか不安な人や、1人で参加して楽しめるか気になっている人もいるかと思います。そこでここでは愛媛マラソンの魅力についてたっぷりとご紹介していきます。
愛媛マラソンの特徴
愛媛マラソンの種目はフルマラソンだけです。そもそもアスリートのための大会として始まったこともあり、制限時間は6時間と厳しく設定されています。それなりに走れないと関門に引っ掛かるので、きちんと練習をした上でスタートラインに立ちましょう。
種目
・フルマラソン
2月初旬か1月末に開催されることが多く、スタート時の気温が氷点下になることもあるのですが、走り出してしまえば瀬戸内海地方特有の優しい空気に包まれて、気持ち良く走れる大会となっています(過去に1度、レース中に雹が降ってきたこともありましたが)。
序盤と終盤がほぼフラットですが、途中に大きな坂道と緩やかなアップダウンが続いてペースが安定しにくいコース設定になっていて、記録を狙うのは難しいものの途切れることのない沿道の声援が後押ししてくれるので、自分のベストを尽くしやすく達成感を得られる大会でもあります。
記録を狙って走るのもいいのですが、できることなら「エイド全制覇」を狙って走ってもらいたいところ。お遍路文化が根づいていることもあって、松山名物のタルトや坊ちゃん団子、ポンジュースなどこれでもかというほど、エイドの給食が充実しています。
走り終えた後にも味噌汁やおにぎり、パンなど食べきれないほどの給食が用意されており、フルマラソンを走ったのに体重が増えて帰宅することになります。
高橋尚子さんや、愛媛が地元の土佐礼子さん、お笑い芸人など、大会を盛り上げるためのゲストランナーも豪華で、コース上や大会会場などでランナーに元気を与えてくれます。さらに瀬戸内海の海の幸と道後温泉など、観光もたっぷりと楽しめるのが愛媛マラソンの魅力です。
愛媛マラソンの関門時間
愛媛マラソンは関門が10ヶ所あります。制限時間が6時間と厳しく、関門を通過するのにキロ8分を切るようなペースで走らなくてはいけない区間もあり、それなりに鍛えておかないとスピード不足で関門に引っ掛かることもあるので注意が必要です。
完走目標なら、キロ7分50秒を切るくらいのペースを維持しましょう。後半の失速を考えると、それ以上遅いペースで走っていると、後半に少し失速しただけで関門アウトになってしまいます。
反対にオーバーペースも注意が必要です。沿道の声援は支えになりますが、スタート直後は周りの流れにも乗らされて、自分の完走ベースよりもかなり速く走ってしまいがちです。スタート直後は流れに乗ることも大切ですが、5kmまでには自分の設定ペースにまで落とすようにしましょう。
ポイント | 関門距離 | 制限時間 | ペース |
---|---|---|---|
5.9km | 5.9km | 1時間5分 | 11:01/km |
12.2km | 6.3km | 1時間56分 | 8:06/km |
17.8km | 5.6km | 2時間42分 | 8:13/km |
19.5km | 1.7km | 2時間53分 | 7:39/km |
21.5km | 2km | 3時間11分 | 8:00/km |
26.6km | 5.1km | 3時間53分 | 8:14/km |
30.2km | 3.6km | 4時間22分 | 8:03/km |
34.8km | 4.6km | 5時間0分 | 8:16/km |
38.3km | 3.5km | 5時間29分 | 8:17/km |
40.5km | 2.2km | 5時間47分 | 8:11/km |
愛媛マラソンの気温・天候・完走率
最低気温(℃) | 最高気温(℃) | 天候 | 完走率(%) | |
---|---|---|---|---|
2014 | -0.2 | 10.7 | 晴れ | 90.7%(推定) |
2015 | 3.6 | 8.9 | 雨 | 90.8% |
2016 | 1.7 | 9.6 | 曇り | 91.5% |
2017 | -0.3 | 9.3 | 晴れ | 92.0% |
2018 | 0.4 | 3.4 | 晴れ | 89.4% |
2019 | 1.7 | 10.3 | 晴れ | 92.4% |
2020 | 6.6 | 8.5 | 雨 | 91.8% |
2021 | 8.7 | -0.8 | 晴れ | |
2022 | 8.9 | 3.3 | 曇り | |
2023 | 4.5 | 15.8 | 晴れ | 87.7% |
愛媛マラソンはスタート時間の気温が氷点下になることもあり、スタート地点はビルの間なのでとにかく身体が冷えてしまいます。走り出したら10℃くらいまで上がるので5km以降は気持ちいいのですが、このスタート前の冷えがかなり悩ましい問題となります。
身体が冷えるのでトイレに行きたくなりますが、トイレは行列になっていて並んでいるとブロックの最後方になってしまうのが悩ましいところ。当日はあまり水分摂取をしないことと、トイレはできるだけ自宅やホテルで済ませておくのがおすすめです。またスタート前はポンチョなどで冷え対策をしましょう。
気温はここ数年ずっと晴れていますが、海が近いのもあって風が強い日が多いのも愛媛マラソンの特徴です。ゆっくり走っていると熱を奪われてしまいますので、どこかで歩きを入れる人は、寒さ対策をしっかりとしてスタートラインに立ちましょう。
6時間制限の大会ですので、完走率は90%前後と低めです。きちんと練習をしていないと簡単に関門に引っかかりますので、「なんとかなる」ではなく、大会にエントリーしたら、しっかりと距離を積んでおきましょう。
愛媛マラソンの評価・口コミ
RUNNETの評価は2016年から下降気味ですが、それでも実際に走った人からは「また走りたい」の声も多く、運営もしっかりとしており、沿道からは温かい声援が途切れずに届くので、気持ちよく走れるマラソン大会です。
気になる点は参加人数に対してトイレがやや不足気味という点で、それでも公園内のトイレなどの穴場もあるので、どうしようもないくらい不足しているわけではありません。スタートからしばらくは道が狭いというのも、初めて参加する人にはストレスになっています。
そういう意味では、何回も参加して経験を積むほどに満足度が高まりやすい大会です。何回も走ったら飽きるのでは?と思うかもしれませんが、同じコースおなじようなスタート前のやりとりなのに、なぜかいつも新鮮な気持ちで走れるのが愛媛マラソンの魅力であり、面白さでもあります。
エイドも充実しており、お接待の精神でサポートしてくれるボランティアスタッフの優しさなど、足りないものはほとんどない。それが愛媛マラソンです。ランナーであれば1度は走っておきたい大会ですが、1度走ると「また走りたい」となってハマってしまうかもしれません。
ちなみに男性は3時間30分、女性は4時間以内の記録を持っていればアスリートエントリーとして優先的にエントリーできます(記録は他の大会でもOK)。一般的ランナーは抽選ですので、また走りたいなら、この基準を突破するのを目指してトレーニングするのがおすすめです。
愛媛マラソンのレポート
愛媛マラソンは人気の大会ですので、参加者がそれぞれにブログでレポートを書いています。その中でも参考になるものをいくつかピックアップしてご紹介していきます。
市川でジョギング
愛媛マラソン、走ってきました!
REST HOMEレストホーム
愛媛マラソンに出場しました~冬の日の2020~
RunTrip
愛媛マラソン名物「ポンジュース給水」を堪能【M高史のマラソン紀行】
愛媛マラソンアクセス
愛媛マラソンのスタート会場は城山公園です。松山市駅からもJR松山駅からも徒歩圏内ですが、道後温泉からは少し距離があります。2022年の大会はゼッケンなどは事前送付されますが、前日・当日に城山公園にて本人確認が行われます。当日は検温もあり混雑が予想されるので前日のうちに受けておきましょう。
遠方からのアクセスとしては空路がおすすめです。飛行機の予約が取れなかったときに陸路での移動も検討しましょう。
空路の場合は松山空港発着の羽田・伊丹・仙台・中部・札幌・成田・福岡・鹿児島・沖縄便が利用できます。飛行機を利用する場合にはスカイスキャナーを利用すると、格安便が簡単に見つかりますので、航空会社ごとにフライトをチェックするのが面倒だという人は、ぜひスカイスキャナーをご利用ください。
交通費を少しでも抑えたいという人は、夜行バスでの移動もおすすめです。ただし東京からは約12〜12.5時間かかりますので、勝負レースにしたいという人は避けておきましょう。それでも夜行バスなら片道1万円以下というものもありますので、楽天トラベルなどで検索してください。
愛媛マラソンの宿泊予約
愛媛マラソンの大会会場である城山公園は、伊予鉄松山市駅から北へ約1.0kmのところにあります。徒歩で約15分で行けますので、ホテルの位置としては駅周辺がおすすめです。ちなみに松山市駅とJR松山駅は離れているので注意してください(JR松山駅からでも歩いていけます)。
城山公園近くのホテルが便利ではありますが、記録狙いではないなら観光を兼ねて道後温泉に宿泊するという選択肢もあります。道後温泉から路面電車で20分程度で到着しますので、観光重視なら道後温泉の温泉宿も選択肢に入れておきましょう。
大きな街ですのでホテルの数は十分にありますが、のんびりしていると条件のいいホテルはなくなってしまいます。早めの予約が必要ですので、出場が決まったら、すぐに楽天トラベルやBooking.comでホテルの予約をしておきましょう。
大会詳細情報
第61回愛媛マラソン | |
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開催日 | 2024年2月11日(日・祝) |
エントリー期間 | 2023年8月1日 10:00~2023年8月18日 23:59 |
参加者決定方法 | アスリート枠:先着 一般枠:抽選 |
種目 | フルマラソン |
開催場所 | 愛媛県松山市 |
スタート時間 | 10:00 |
大会受付 | 前日:2024年2月10日(土)13:00~18:00(予定) 当日:2024年2月11日(日)7:30~9:00(予定) 本人確認あり |
受付会場 | 城山公園 |
大会会場 | 城山公園 |
スタート場所 | 愛媛県庁前(松山市一番町) |
フィニッシュ場所 | 城山公園(松山市堀之内) |
参加資格 | 大会当日満18歳以上 |
制限時間 | 6時間 |
参加費 | 12,100円 |
定員 | 10,000人 アスリート枠:3,000人 一般枠:7,000人 |
大会HP | https://ehimemarathon.jp |
愛媛のおすすめガイド本
愛媛は人気の観光地ですので、見どころグルメスポットがいくつもあります。しっかりと計画しておかないと、絶好の観光スポットを見逃してしまいますので、ガイドブックを参考にして旅ランのプランを事前にしっかりと立てておきましょう。
そこで、ここでは旅ランとしての愛媛マラソンを楽しむためのガイド本をいくつかご紹介します。