【シューズレビュー】ナイキ「エア ズーム ペガサス 39」ペガサスターボの領域へ

ナイキの定番ランニングシューズであるペガサスがアップデートされ、「エア ズーム ペガサス 39」として発売を開始しています。前作はズーム エア ユニットが前足部のみに配置されていましたが、新作は踵部にも配置され、より高いクッション性を実現しています。

ただしペガサスはモデルチェンジがあるたびに、まったく性格が違うシューズに変わることがあるので、買い替えていいものかどうか迷っている人もいるかと思います。そこで、ここでは「エア ズーム ペガサス 39」を実際に履いて感じたことをレビューしていきます。

目次

足首周りが緩めで絶対的には絶妙なフィット感

まず足入れをした感覚ですが「柔らかい」というのが第1印象です。フカフカしている感覚があり、足裏に吸い付くような感覚があります。前足部に少し余裕があり、中足部でしっかりと固定、そして足首周りがかなり緩いという印象です。

あまりにも緩くて「これで大丈夫?」と思いましたが、そのあたりはさすがにナイキ。走っているときには緩さはそこまで気にならなくなります。むしろ中足部にしっかりとフィットしてくれるので、着地したときにブレるということもありません。

重さについては公開されていませんの正式な数字はわかりませんが、調べてみると27cmで260g程度と重たくもなく軽くもなく標準的なシューズですが、実際に走ってみると追従性が高いからかソールの軽さを感じます。

記録を狙うならもう30gは軽いほうが嬉しいですが、「エア ズーム ペガサス 39」でも重さによるストレスを感じることなくフルマラソンを走れそうです。包み込むようなアッパーの柔らかさもあるので、安心感もあります。

2つのズーム エア ユニットのバランスが絶妙

「エア ズーム ペガサス 39」と前作の大きな違いは、踵部にズーム エア ユニットを搭載したという点です。前作はフォアフット着地を前提としており、人によっては思うような推進力を得られませんでした。その問題を解決したのが踵部のズーム エア ユニットです。

踵部でしっかりと反発をもらえるので、どのような着地方法であっても弾むような推進力を感じられます。しかも前後のズーム エア ユニットのバランスが絶妙で、それぞれ個々の昨日でありながらきちんと連動するようにチューニングされています。

ただし、前後にズーム エア ユニットを搭載したことで、走っていないときには不安定感が出てしまいます。これは上位モデルと同じように「ランニングシューズは走っているときに安定すればいい」という考えを導入した可能性があります。

従来のペガサスは立ち止まったときも安定感があり、普段履きもできるシューズでしたが、「エア ズーム ペガサス 39」はフワフワとしています。その結果、スクワットのようなその場から移動せずに行うトレーニングをするときに、上体がグラつきやすい仕様になっています。

「エア ズーム ペガサス 39」は走りに特化したシューズとして進化しており、フィジカルトレーニングを行う場合には、安定感の高い薄底シューズに履き替えるのがおすすめです(不安定さを活かして体幹トレーニングをするというの方法もありますが)。

ペガサスターボの走りを彷彿させる直進性

「エア ズーム ペガサス 39」を履いて皇居ランをしてみたのですが、どことなく過去に履いたことがある感じがあり、思い出してみたら初代のペガサスターボにかなり似ていることに気付きました。フィット感も推進力もほぼペガサスターボ。

すでにペガサスターボが手元にないので、どこまで似ているのか比較することができませんが、ソールの反発具合や着地したときの安定感、走り出したときの直進性など「これはペガサスターボ」と思えるようなシューズに仕上がっています。

ただ100%同じかというとそうでもなく、キロ4分台前半よりもスピードを出すと、ズーム エア ユニットの反発のタイミングが間に合わなくなります。ペガサスターボはキロ3分台でも反発していましたので、ポイント練習にも使えましたが、「エア ズーム ペガサス 39」は追い込むような走りには向いていません。

実際にどのスピード領域で適しているかは、走力や体重によって異なります。私の感覚では「息が切れない範囲」が「エア ズーム ペガサス 39」に適したスピード領域。その先を目指すならヴェイパーフライなどのレーシングシューズをおすすめします。

あくまでも「エア ズーム ペガサス 39」はジョグシューズ。従来モデルよりも加速しやすいのでスピードを求めたくなりますが、さすがにそこまで万能ではありません。

結論:これは買い!誰にでもおすすめできる1足

「エア ズーム ペガサス 38」は走りやすいという人と走りづらいという人にわかれてしまいましたが、「エア ズーム ペガサス 39」は前作が合わなかった人でも、「これならいいかも」と思えるシューズになっています。もちろん前作が気に入っている人も、より走りが快適になるはずです。

唯一の不安点は立ち止まったときのグラつきがあることで、ショップで試し履きしたときにそこが気になって買わなくなる可能性があります。ただ走り出せばグラつきは消えてしまいますので、そこは差し引いて試し履きしてください。

できればラフィネなど、「エア ズーム ペガサス 39」をレンタルシューズとして貸し出しているランステを利用し、実際に5〜10km程度走って自分に合うか確認しましょう。もっとも、試し履きしたその足で「エア ズーム ペガサス 39」を買いに行くことになると思いますが。

それくらい素晴らしい仕上がりになっています。「エア ズーム ペガサス 39」はこれからランニングを始める人にも、シリアスランナーにもおすすめできる1足。迷っているなら「買い」でいいでしょう。

ナイキ エア ズーム ペガサス 39 商品概要

価格14,300円(税込)
カラー●メンズ
ピュアプラチナム/ミネラルスレート/ブライトスプルース/トータルオレンジ

●ウィメンズ
アイリスウィスパー/サミットホワイト/ライトマダールート/マダールート
ブラック/ダークスモークグレー/ホワイト
ホワイト/ピュアプラチナム/グレーフォグ/メタリックシルバー

●フライイーズ
ピュアプラチナム/トータルオレンジ-ミネラルスレート
サイズメンズ:24.5-30.0cm
ウィメンズ:22.0-27.0cm
フライイーズ:25.5-28.0cm
※カラーごとにサイズラインナップが異なります。
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