「いつまで走り続けられるだろう」と考えたことのある人は多いかと思います。年齢を重ねるごとに筋力が低下していき、かつての自分のようには走れなくなっていくのを実感していると、どこかでフルマラソンを諦めなくてはいけないといった漠然とした不安を抱えていたりしますよね。
でも世の中には100歳でフルマラソンを完走したランナーがいます。『100歳ランナーの物語 夢をあきらめなかったファウジャ』は、100歳でフルマラソンに挑んだファウジャの伝記を描いた絵本で、子どもはもちろんのこと大人でも心が動かされる1冊です。
あらすじ
生まれつき足が弱く、5歳まで歩けなかったファウジャ。
周りから「無理だよ」と言われたことも決してあきらめず、挑戦しつづけました。
時は流れ、81歳で初めて、故郷のパンジャブ地方を離れることになりました。
妻を失い、イギリスで子どもたちと一緒に暮らすと決めたのです。
でも、家族は忙しく、言葉も通じません。
鬱々と過ごしていたある日、テレビで走る人たちを目撃します。
その様子にすっかり引きつけられ、ターバンをまいた姿で公園を走るようになったファウジャ。やがて、フルマラソンを走るという目標を立て、見事、ロンドンマラソンを88歳で完走しました。
そして、その次に、ファウジャが立てた「新しい目標」とは・・・?
多くのランナーに目標を与えてくれる絵本
『100歳ランナーの物語 夢をあきらめなかったファウジャ』は絵本ですが、フィクションではなく実際にあった話です。生まれつき足が弱かった少年が、どうやって100歳でフルマラソンを完走したのか、挑戦する姿勢の大切さも含めて影響を受けることになる1冊です。
絵本ですので、これから様々なことに挑戦してもらいたい子どもにプレゼントをするのもいいですし、失敗をおそれて1歩を踏み出せないラン仲間に贈るのもいいでしょう。でも、本当にこの本が必要なのは自分自身なのかもしれません。年齢を言い訳にすることが増えてきたという人は、いい刺激になるはずです。
そして100歳でフルマラソンを走るという目標を立てようではありませんか。それは目先の自己ベスト更新に挑戦するよりも難しいことかもしれませんが、きっと走るための新しい指針を得られるはずです。なぜ走り続けるのかと問われたときに「100歳でフルマラソンを完走するため」と答えられるって素敵じゃないですか。
マラソン大会が開催されず、目標を失いそうになっている今だからこそ手にしてもらいたい1冊です。
書籍情報
100歳ランナーの物語 夢をあきらめなかったファウジャ
- 2020年12月10日発売/2020年12月12日刊行
- ISBN 978-4-86706-016-2
- 定価:本体1600円+税
- 文:シムラン・ジート・シング / 絵:バルジンダー・カウル
- 監修:金 哲彦 / 訳:おおつかのりこ
- B4変型・上製・44ページ ※すべての漢字にふりがな
- 発行・発売:西村書店