土日に気温が一気に上がり、5月だと言うのに30℃以上を記録するほどの暑さが続きました。その結果、全国各地で熱中症で倒れる方が続出しましたが、この土日にマラソン大会に出た方も、暑さに苦しんだかと思います。
この時期の真夏日というのは、8月の真夏日とは少し意味合いが違います。体はまだ暑さに慣れていないため、普通に考えれば「走ってはいけない」気温です。それは鍛えているランナーであってでもです。
とはいえ、暑いくらいでDNSにするランナーはいませんよね。
そのときの対処方法として、スピードを落とすという判断ができればいいのですが、体はまだ涼しい時期のペースを覚えているので、暑さを考慮しないペースで走ってしまいます。
その結果、大量の汗をかいてしまって、熱中症になってしまいます。ランナーの場合は、熱中症になっても救急車で搬送されることはあまりありませんが、それでも体は危険な状態になっています。
そのような状況で1番してはいけないのは、水分を我慢することですが、次にNGなのが水を飲むことです。矛盾しているように思えるかもしれませんが、汗で大量の水分を失ったときに水を飲むのはとても危険な行為です。
熱中症になったときに、水だけを飲むと低ナトリウム血症という状態になります。汗で失われるのは水分だけでなく、ナトリウムなどのミネラルも同時に失われます。その状態で水だけ摂ると、血液中のナトリウム濃度が低下します。
これがとても危険で、昏睡状態になってしまうことがあります。
このため、大量の汗を失ったときには、水分だけでなく塩分も同時に摂取しなくてはいけません。このときスポーツドリンクを飲むという方法もありますが、スポーツドリンクはナトリウム濃度が体液よりもやや低めです。
レース直後やレース中に危険な状態になっていると感じたら、経口補水液で給水するのが理想です。本当は経口補水液を飲まなくてもいいペースで走ることが理想ですが、ここではそれは置いておきましょう。
経口補水液が最適ですので、OS-1を持っているといいのですが、脱水状態にならなかったら飲む必要はありません。次の機会に使えばいいのですが、ペットボトルに入ったOS-1を毎回持ち歩くのはあまり賢い判断とは言えません。
しかもレース中にOS-1を持って走るのも面倒ですよね。
そこで提案したいのが経口補水塩タブレットの「O.R.S」を持って走るということです。O.R.Sは本来、ペットボトルの水などに溶かして経口補水液を作るためのタブレットです。
水の量を調整することで、ナトリウム濃度を調整できるため、脱水状態がひどい場合には、ペットボトル半分の水にタブレットを1個入れるような使い方をします。レースなどで危ないと感じたときには、そのままかじることもできます。
発泡性があるので、そのままかじるとゲップが出やすいという問題がありますが、少なくとも体内のミネラル不足は解消されます。
たった1つのタブレットをポケットに入れておくだけで、レース中の熱中症を防ぐことができます。さらに1パック持っておけば、レース後に脱水状態で体調を崩している人に飲ませてあげることもできます。
もちろん、自分の水分・塩分補給にも使えます。
暑い時期ですので、レース後にはすぐに生ビールを飲みたくなりますが、O.R.S経口補水塩タブレットで作った経口補水液を飲むことで、まずは体の水分やミネラルのバランスを回復させることで、疲労を残りにくくできます。
1本12個入りですので、1本買っておけば1年間は使えます。薄いレモン味ですので、飲みやすいというのもO.R.S経口補水塩タブレットの特徴のひとつです。好みはあるかとは思いますが、何かあったときの助けになります。
お守りのようなものだと思ってもらえればいいかと思います。
脱水状態にならないまでも、冬のレースでもミネラルは体から失われていきます。それをレース中に補うことで、後半の失速を防ぐという効果も期待できます。万能なサプリメントではありませんが、大なり小なり効果は確実にあります。
本来は夏前にご紹介するアイテムですが、今年は5月から気温が高いということで、少し早めにご紹介しました。
転ばぬ先の杖、備えあれば憂いなしと言いますが、持っているだけで自分の体をケアしたり、守ることができるわけです。決して高いものではありませんし、Amazonでも購入できますので、ランナーなら1本常備しておきましょう。