30時間稼働!回復具合を確認できる「Polar Vantage M」製品レビュー

長年使ってたガーミンForeAthlete220Jのバンドがちぎれてしまい、バンドを買い換えるよりはもう心拍計測できるモデルに買い換えようと思い、いろいろな機種を候補に選定しましたが、最終的にポラールのVantage Mに落ち着きました。

ここでは買い替えの経緯と実際に利用してみたレビューをします。購入を検討しているという人はぜひ参考にしてください。

目次

新しいGPSランニングウォッチに望んだこと

ForeAthlete220Jに代わるGPSランニングウォッチを買うときに、まずは自分がどのような機能を望んでいるのかをリストアップしました。

  • 心拍計測できる
  • 睡眠管理ができる
  • マラソン大会で利用できる
  • 手動でラップ計測ができる

他にもいろいろと希望がありましたが、最低条件ということでこの4点を満たすものから選ぶことにしました。

心拍計測できるというのはもちろんのことですが、それによって睡眠管理できるということを重視しています。これまで寝るときには活動量計を使っていましたが、どうせ買い換えるなら1本化したかったためです。

稼働時間は5時間あれば十分ですが、欲をいえば1に地は知っていることもあるので12時間くらい稼働できれば理想です。またインターバルトレーニングを行っているので、手動ラップが必須でした。このためスマートウォッチは候補から外れています。

ここで候補に上がったのが次のGPSランニングウォッチです。

  • ForeAthlete45
  • ForeAthlete245
  • Apple Watch Series 3
  • Polar Vantage M

アップルウォッチは手動ラップができませんが、音楽を聞くこともできますしモバイル決済もできるので、ランニング以外の部分での強みがあると思って候補に入れています。それぞれのスペックを比較してみましょう。

Polar Vantage MForeAthlete45ForeAthlete245Apple Watch Series 3
価格37,800円24,800円34,800円19,800円
稼働時間30時間11時間22時間5時間
重さ45g32g38.5g32.3g+バンド
GPS
GLONASS
みちびき
GALILEO
GPS
GLONASS
みちびき
GALILEO
GPS
GLONASS
みちびき
GALILEO
GPS
GLONASS
みちびき
GALILEO

まず消えたのはApple Watch Series 3です。半分は物欲を満たすためでしたので明らかにスペック不足のApple Watch Series 3を選ぶわけにはいきません。予算に余裕があったわけではないので、Polar Vantage Mも厳しかったのですが、まだ候補には残していました。

決定的だったのが「Nightly Recharge™」対応

値段はやや高めでしたが、気持ちはPolar Vantage Mに傾いていました。ただポラールにはPolar Igniteというモデルがあり、こちらはフィットネスウォッチでNightly Recharge™という疲労回復を計測できる機能があり、ポラールを買うとなるならどうしてもこの機能が欲しくて二の足を踏んでいました。

Polar Igniteも最初は候補には入れていたのですが、手動ラップ計測ができないということで最終的な候補からは外れています。

ところが、Vantage Mのアップデートで「みちびき対応」となったときに、なんとVantage MでもNightly Recharge™が使えるようになったとのこと。これが決定的なポイントとなって、Polar Vantage Mを購入することに決めました。

ただいかんせん安くはないので迷っていたところ、Amazonのアウトレットに27,841円で出品されており即購入した次第です。

操作性に戸惑ったが基本性能は問題なし

これまでずっとガーミンを使っていたのもあって、最初はさすがに操作方法で戸惑いました。ただ、そういうものは慣れなので戸惑いながら約3ヶ月使い続けて、今ではもう操作ミスするようなことはなくなりました。

実際に購入する人で気になっているのはGPSと心拍計測の精度ですよね。GPSは初期設定のままでみちびきは使っていません。下記のようにGPSともうひとつの衛星を組み合わせて計測するので「GPS+GLONASS」で利用しています。

GPS+GLONASS
GPS+みちびき
GPS+GALILEO

東京マラソンや大阪マラソンのように高層ビルに囲まれた場所を走るなら「GPS+みちびき」が良いかと思います。ヨーロッパで使うなら「GPS+GALILEO」ですね。使い分けが大事になってきます。

基本的にGPS+GLONASSで困っていないので、初期設定のまま。レビューなので比較すべきかもしれませんが、こういう状況ですので思うようには走れないので、いずれコラムなどで比較結果をご紹介しようかと思います。

心拍計測ですが基本的には問題ありませんが、ときどき実際の心拍数よりも高く表示されます。愛媛マラソンで利用しましたが、最初の10kmの心拍数が190くらいになっていて、まったく役に立ちませんでした。でも手首で計測するタイプの心拍計測の精度なんてこの程度のものです。

ガーミンでもそれほど変わらないと思いますので、ある程度妥協しながら使うのがいいかなと思います。自分で負荷を感じながら「これくらいなら心拍数が140くらい」と感覚とのすり合わせに使っておけば、実際の数値と違いが合っても戸惑うことはありません。

個人的には30時間稼働という部分を気に入っています。まだフル活用したことはありませんが、24時間マラソンでも利用できますし、1日走り続ける旅ランやランイベントでもバッテリーを気にする必要がありません。普段の充電も数日に1週間に1回で十分です。

Nightly Recharge™が最高すぎる

心拍計測できるGPSランニングウォッチが欲しくて、機能もそれほど必要ないというのであれば、ForeAthlete45をおすすめしています。ガーミンは使っている人も多いので初心者でも周りの人にいろいろと教えてもらえますので。

でも自分の疲労を管理したいなら、Nightly Recharge™のついているポラールのランニングウォッチをおすすめします。このNightly Recharge™は睡眠の質と自律神経の状態から、どれくらい疲労回復しているかを表示してくれます。

そして疲労具合から練習のタイプを提示してくれます。回復具合が良ければ高負荷のトレーニングを勧めてくれますし、あまりにも状態が悪いときには休むように提案してくれます。こんなものに頼らなくても自分で判断するのが理想ですが、ランナーは往々にして走りすぎてしまいます。

回復具合を目に見えるような形にしてくれると、練習を休む根拠が明確になり「仕方ないか」と思いながらも休むことができ、オーバートレーニングを防ぐことができます。私はこの回復具合をポイント練習をするときの目安にしています。

また、新型コロナウイルスの影響で自律神経のバランスが乱れてイライラすることが増えたという自覚があったので、自律神経を整えるためにあれこれと行い、その効果を確かめるのに利用しています。自分の感覚と表示される数値がほぼ一致するので、こちらもそれなりに精度が高いと感じています。

自律神経についてはマラソンにも影響するので、いずれこちらもコラムでご紹介します。

眠る前にSerene™ 呼吸エクササイズ

自律神経を整えるために利用しているのが、Serene™ 呼吸エクササイズ機能です。表示される画面に合わせて呼吸をすることで、リラックスした身体とおだやかなマインドを取り戻すことができます。睡眠の質が上がり、ストレスにも強くなるエクササイズです。

もちろん科学的に証明されているエクササイズで、これを行ってから眠るといつも以上に入眠が早いような気がします。そもそもすぐに寝てしまえるタイプなのですが、Serene™ 呼吸エクササイズを行うようになってから、寝起きもすっきりしています。

ちなみにフィットネステスト機能もあり、5分間安静にして計測するだけで最大酸素摂取量(VO2MAX)を推定できます。こちらの精度はわかりませんが(写真にあるように、サブ3に届いていないのに60という数値になっています)、自分のトレーニング効果を確認できるので重宝しています。

自分の体と向き合いたい人におすすめ

もしランニングのログを取りたいだけなら、Polar Vantage Mはオーバースペックです。1万円台でも十分に使えるGPSランニングウォッチがありますし、フルマラソンを5時間以内に走れるなら19,800円のApple Watch Series 3で十分です。

そうではなく、自分の疲労回復具合を把握したり、自律神経の状態を整えたい、最大酸素摂取量の変化を把握したい人にPolar Vantage Mは適しています。

もしGPSランニングウォッチにコーチング機能を求めるならガーミンのほうが適しています。GPSランニングウォッチにはそれぞれ特長がありますので、自分が何を求めているかによって選ぶようにしましょう。もし自分の体をもっと知りたいという思いがあるならPolar Vantage Mは最高の相棒になってくれます。

ただひとつだけデメリットを挙げるなら、見た目が安っぽいというところが少し気になります。樹脂部分のプラスチック感が強くて微妙な光沢が出ていてビジネスなどでは使いづらいかもしれません。そのあたりはお店でチェックしてみることをおすすめします。

またバンドはSとMがありますが、手首周りが143mmのわたしがMサイズのバンドで穴の余裕があと1個しかありません。アウトレットで選択肢がなかったのもありますが、同じような手首周りのサイズの人はSサイズをおすすめします。

決して安くはありませんので、手動ラップ機能がいらないのであれば、Polar Igniteも選択肢にいれておくといいかもしれません。

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