本気でランニングと向き合う人のためのランニングウォッチ「Polar Pacer Pro」レビュー

ランニングウォッチはPolar Vantage Mを使っていたのですが、どうも電池がヘタってきているようで最大30時間計測できるはずが、24時間ギリギリ持つか持たないかという状態に。24時間も計測できればいいじゃないかと思うかもしれませんが、ギリギリだと24時間マラソンをするのに困るんです。

困ったなと思っていたところに、Polar Pacer Proが発売されるとのことで、すぐに飛びつきました。購入してからすでに数ヶ月経過しているのですが、ようやく色々な機能を使いこなせるようになってきて、Polar Pacer Proの魅力がわかってきたので、購入を迷っている人のためにレビューをしておきます。

目次

シンプルなデザインと見やすい画面で普段遣いできる

ベルトが標準で2サイズあるのも嬉しいポイント

Polar Pacer Proの購入を決めたのは、Polar Vantage Mのバッテリーがヘタってきてたからなんですが、購入すると決めたのは正直「一目惚れ」なんです。Polar Vantage Mもシンプルなデザインで気に入っていたのですが、Polar Pacer Proはさらに洗練されています。

Polar Vantage Mはケースのプラスチック感が気になっていたのと、購入したレッドだとジャケットにマッチせず、ビジネスの場で使いづらかったのですが、Polar Pacer Proはブラックを選んだこともあり、ビジネスシーンでも違和感なく着用できます。

実際に使ってみて便利だと感じたのは、明るい日中でもきちんと画面を確認できるという点です。Polar Vantage Mは日中だと走りながら画面を確認するのが難しいシーンもあり、何度も見直していたのですが、Polar Pacer Proは見えにくいということはなく、1回の動作で必要な情報を確認できます。

もちろん、走っているときだけでなく、日常生活でもストレスなく画面の確認ができています。通常画面も複数デザイン用意されていて、Polar Pacer Pro単体で入れ替えることができるのも嬉しいポイントのひとつです。

とにかく電池が長持ちするのが嬉しい

Polar Vantage MからPolar Pacer Proに変えて、驚いたのが電池がとにかく長持ちするということです。24時間マラソンで使っても余裕で残量がありますし、何よりも充電する回数が大幅に減り、逆に購入したての頃は充電をし忘れをしてしまうことがあったほど。

電池残量であと何時間くらい走れるかが表示される機能があるので「あまり残量がないけど、走りに行って途中で電池がなくなったらどうしよう」と心配することもなくなりました。しかも10%もあれば2〜3時間は走れるので、1時間程度のジョグなら準備している間の時間で充電できます。

連続使用時間がカタログスペック上は35時間以上あって、ほとんどのランナーさんは「そんなにも必要ない」と思うかもしれませんが、大は小を兼ねるではないですが、やはり安心感があり、充電回数を減らせるというのは大きな魅力です。

2泊3日の旅ランくらいなら充電ケーブルを持って行かなくても済むのも便利。充電ケーブルくらい大した重さではありませんが、旅ランは荷物を最小限にしたいので、Polar Pacer Proだけでいいというのは嬉しいポイントのひとつになります。

睡眠管理をすることで睡眠への意識が高くなる

夕方以降に時計を外していると、寝ていたことにされるケースがときどきあります。

Polar Vantage Mを使っているときから睡眠管理機能を活用していましたが、Polar Pacer Proにしてから毎朝きちんと確認するようになり、やっぱり便利な機能だと実感しています。もっとも自分の感覚とのすり合わせ程度にしか使っていませんが。

Polar Pacer Proにしてから毎日確認するようになったのは、朝起きたときに睡眠計測をストップできることに気づいたから。Polar Vantage Mでも同じ機能があったのかもしれませんが、それに気付かなかったのもあって、5時に起きているのに7時に起きたことになることが度々。

そういうことが続くと気持ちが萎えるのですが、Polar Pacer Proで手動ストップの存在に気づいてから、正しい睡眠状態を確認できるようになったので、毎朝起きたときにいい睡眠ができたかどうかをすぐに判断できるようになりました。

この効果としては、睡眠の質を高めるための意識を持つようになるということです。朝起きたときに、睡眠の質が悪かった場合、その原因を自分なりに考えて改善したり、寝る前の飲食や動画の視聴をやめたりと、睡眠の質を高める工夫をするようになりました。

その結果、コンディションのいい日が多く、練習の質も上がっているように感じます。気のせいかもしれませんが。でも最近はトップランナーも睡眠について語ることが増え、睡眠の質も重視されつつあります。その睡眠の質を手軽に測れるのはとても魅力的です

ただ、目覚ましの振動が弱く、寝坊するのではないかと少し不安になります。他の活動量計などはしっかりと振動する感じで確実に起こしてもらえるので、もう少し振動が大きいと安心です。もっとも振動の感じ方なので個人差がありますし、もしかしたら調整もできるのかもしれません。

ランニングパフォーマンステストで現状確認

Polar Pacer Proを購入したきっかけは、Polar Vantage Mのバッテリーが弱くなったことが直接の理由ですが、購入するときに期待していた機能がひとつあります。それがランニングパフォーマンステストで、簡単なテストで自分の走力を客観的にチェックしてもらえます。

  • 最大有酸素スピード
  • 最大有酸素パワー
  • VO2MAX
  • 最大心拍数(マックステストのみ)

ランニングパフォーマンステストでわかる指標はこの4つ。これらの数値だけではそれほど意味がありませんが、3ヶ月に1度くらいのペースで計測を行うことで、トレーニング効果を確認できるようになります。

まずは走り込みのシーズン前に計測し、走り込みシーズンからスピードトレーニングに切り替えるタイミングで計測。そしてスピードトレーニングの終わりに計測するといった使い方をすれば、トレーニングの効果がきちんと出ていることがわかるので、安心してレースに挑めます。

もちろん効果が出ていないという結果になることもありますが、その場合にはレースの目標を下げる必要がありますし、翌シーズン以降のトレーニングメニューの見直しにつなげることもできます。自分の弱い部分も明確になりますし、少しでも受けを目指すなら活用してもらいたい機能です。

もっともこの機能はVantage V2にも搭載されていますので、Vantage V2を使っている人がランニングパフォーマンステストのためだけにPolar Pacer Proに買い換える必要はありません。それ以前の機種を使っているという人なら、この機能のためだけでも買い換える価値があります。

計測したいだけならPolar PacerでもOK

写真はPolar Pacer Pro

ランニングパフォーマンステストがPolar Pacer Proの魅力とお伝えしましたが、この機能だけ欲しいのであれば、実はスタンダードモデルの「Polar Pacer」を選んでも構いません。むしろ、ほとんどのランナーはPolar Pacerの機能で十分。

両者の違いは単体でランニングパワーを計測できるかどうか、気圧式高度計を搭載しているかどうか、ナビゲーション機能があるかどうかくらいしかありません。それらの機能が必要になる人は限られているので、シリアスにランニングと向き合うのでなければ、リーズナブルな価格のPolar Pacerがおすすめです。

自分の走力を把握したい:Polar Pacer
データを元により質の高いトレーニングをしたい:Polar Pacer Pro

どちらを購入するか迷っているなら、このような基準で検討してみてください。自分の走力、自分のスペックを知りたいだけなら「Polar Pacer」、それらの情報を元にトレーニングメニューを考えたい「Polar Pacer Pro」こんな感じです。

もっとも1.4万円の価格差ですので、迷うくらいならPolar Pacer Proを選ぶという考え方もOK。もしくはデザインで選んでも構いません。いずれも機能をしっかりと使いこなすことで、今よりもワンランク上の自分を目指せます。

ただ他社のGPSランニングウォッチから乗り換える場合、最初は操作性の違いに戸惑うことになるかもしれません。私も最初にポラールのランニングウォッチに乗り換えたときは「使いづらい!」と思っていましたが、今では慣れてしまって感覚的に操作できるようになりました。

慣れるまでは不便ですが、きっとすぐに慣れるので使い続けてみてください。

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