【シューズレビュー】ワークマン「ハイバウンス オーバードライブ」カーボンプレート搭載で2,900円の驚異

ハイバウンス オーバードライブ:2,900円

980円のランニングシューズでランニング業界をざわつかせたワークマン。そこから3年の月日が流れ、再びワークマンのターンがやってきました。カーボンプレートを搭載したランニングシューズ「ハイバウンス オーバードライブ」がなんと2,900円というとんでもない価格で登場。

ワークマンアンバサダーとして「ハイバウンス オーバードライブ」を発売前に提供していただきましたので、実際に走ってみた感覚などをレビューしていきます。発売は3月末から4月にかけてとのことなのでまだ先ですが、ひと足先にワクワク感を共有してください。

目次

すべてのランナーが買っておくべきランニングシューズ

ロング走でもスピード練習でも履きたくなる仕上がり

購入検討の参考にとお伝えしましたが、結論からいえばレビュー記事を読まなくても「買い」の1足です。圧倒的に走れる1足で2,900円。2万円もするような厚底✕カーボンプレートシューズのように、レース用に大事にしながら履く必要はありません。

ポイント練習でもロング走でも、全部これ1足でOKです。シューズがヘタったら?買い替えればいいんです。ただ、発売してしばらくは入手困難になるかもしれません。先に伝えておきますが、絶対に2足目が欲しくなるので、まとめ買いしておくのがおすすめ。

でも、このシューズの素晴らしさをみんなで分かち合いたいので、やっぱり最初は1足で我慢してください。きっとワークマンが供給体制を整えて、欲しいときにいつでも最寄りのワークマンで購入できるようにしてくれます(してくれますよね?)。

加速力が強すぎて心肺機能がついてきません……

とにかく履いて走ったら、興奮が止まらないわけです。実際にはシューズの出せるスピードが速すぎて、心肺機能がまったくついていかずにちょっと凹んでいるのですが、どこがそんなにすごいのか、詳しくレビューしていきます。

ちなみにRUNNING STREET 365はワークマンのアンバサダーという立ち位置ですが、忖度なしというかそんなレベルではないとんでもないランニングシューズになっていますので、安心して読み進めてください。

フィット感はやや緩めだけど調整できる

フィット感はシューレースホールで調整可能(写真は高いフィット感を欲しいときの位置)

まずは足入れした感じですが、ワークマンのシューズらしくやや幅が広い感じです。980円シューズほどではありませんが、ややダボッとしています。前足部に遊びがあって指がしっかりと動くのでここは好みが分かれるかもしれません。

中足部もやや緩いかなという感じがありましたが、これは1番上のシューレースホールに内側ではなく、外側を使うことで解決。店頭に並ぶときにはどちらのシューレースホールを使っているかはわかりませんが、緩いと感じたら外側のシューレースホールを試してみてください。

実際に走ってみないとわからない感覚でもありますので、購入したら2つのシューレースホールそれぞれを試して、自分に適したフィット感にしてから走るのがおすすめです。ちょっとしたことですが、シューズの追従性が大きく変わるのでとても重要なポイントとして覚えておいてください。

100km以上走ったあとですが25.5cmで227g

アッパーがかなり軽くて、こちらも素材からして足にフィットするという感じではありません。あまりに薄くて耐久性が気になりますが、このタイプのアッパーを採用しているランニングシューズも増えていますし、縫い目も少ないのできっと大丈夫。

素材にかなりこだわっているので、カーボンプレートを搭載しても重くないのも「ハイバウンス オーバードライブ」から本気度が伝わってきます。25.5cmで227g(計測を忘れていて100km以上走った後なので230gくらいあるかもしれません。)は程よい軽さ。

アッパーがかなり軽いので重心が低く、フィッティングが甘いとシューズがブレる可能性があるので、足の幅は狭いという人は少し注意が必要です。ただ従来のワークマンシューズを履けている人なら問題ないかと思います。

ベタ踏み坂(江島大橋)を駆け上がってみた

鳥取と島根をつなぐベタ踏み坂(江島大橋)

ハイバウンス オーバードライブを履いて最初に挑戦したのが、境港の近くにある通称「ベタ踏み坂」の江島大橋。壁のように反り立つ橋として有名ですが、たまたま出張があったのでせっかくなら全力を出せる環境で試してみようかと。

走った日はあいにくの天候で路面はウェット。でもグリップ力のテストとしてはいい環境です。もっとも作業靴のワークマンですから、グリップせずにシューズが滑るなんてことはありませんでしたが。むしろウェットな路面でもきちんと地面を掴めるので、スピードがでてこわいくらい。

ちなみに「ハイバウンス オーバードライブ」のソールは厚底ではなく、通常のソール厚(実測値:約28mm)になっています。このため、厚底シューズよりも足さばきしやすく、いきなり履いて走っても違和感なく走り出せます。

ウェットな路面でもしっかりとグリップします

上りももちろんしっかりと踏み込めて、足への追従性も十分。小さなザックを背負っての状態でしたが、きちんと足を回すことができます。フィッティングをしっかりとしているので、シューズがブレるということもなく一体感があります。

別日にウレタン舗装のランニングコースで1kmのタイムトライアルもしてみましたが、加速力が高くて一気にトップスピードにもっていけます。もちろん私のスペックが追いつかずに、トップスピードのあとにしっかり失速。それでも他社のレーシングモデルと変わらないタイムが出ています。

キロ3分台で走っても安定した着地ができるので、スピード練習や5km、10kmのレースなどにも使えそうな感じはあります。スピードを出すときの走り方は、自然な感じのフォアフットで良さそう。走力が高い人ほど強い反発をもらえるので、シリアスランナーにも試してもらいたいところです。

倉敷・玉野シーサイドサイクリングロードを走ってみた

倉敷・玉野シーサイドサイクリングロードは瀬戸大橋の真下を通過

スピードを出せるのはわかりましたが、問題はフルマラソンに対応できるのかということ。カーボンプレート内蔵ではありますが、ソールはそこまで厚みがありません。ソール材は柔らかいものの一般的な厚底シューズほどの衝撃吸収で疲労を貯めずに走り続けられるのか気になります。

本当は愛媛マラソンで実戦投入の予定だったのですが、残念ながら中止。テストで倉敷のサイクリングロード「倉敷・玉野シーサイドコース」を走っていたので、そのときの感覚をベースに長距離に使えるのかどうかをレビューします。

倉敷・玉野シーサイドコースはすべて走ると100kmあるので2日にわけて走っています。レースペースではなく、観光もしながらの旅ランで、初日に60km、翌日に45km。走っているときのペースはキロ6分程度なのでサブ4よりやや遅いくらい。

写真を撮っていなかったので後日近所で撮影

これくらいのスピードで走ると、走り始めに前足部に硬さを感じます。流れに乗ってしまえば気にならないのと、ミッドフット着地であれば安定感が増して、むしろ快適に走れます。上り坂でも下り坂でもトレイルでも安定しているのは正直意外。

特にトレイルの下りでスピードを出したときの安心感は「これトレランシューズでいいんじゃない?」と思うほど。アッパー素材を考えると、枝が刺さって穴が開く不安がありますが。ただ速さと安定感が両立しているのが「ハイバウンス オーバードライブ」の特徴かもしれません。

カーボンプレート内蔵のシューズはスピードを出すレース向きという考えがありましたが、ハイバウンス オーバードライブはジョグペースでも安定するので、これ1足あればすべてまかなえそうです。ジョグもスピード練習も、レースもトレイルもいけてしまうのに2,900円。ちょっとやばくないですか?

写真を撮っていなかったので後日近所で撮影

忖度なしで「これだけあればいいかも」が走っているときの感想です。肝心の長距離への適応ですが、60kmを走った翌日に45kmを走れていることからわかってもらえるかと思いますが、走り終えたときの疲労感はほとんどありません。

締め付けるタイプのランニングシューズではなく、どちらかといえば緩い感じですので長時間走ったときに足がむくんでも、その緩さが吸収しているのかもしれません。狙ったわけではないとは思いますが、結果的にロング走でもストレスなく走れました。

シューズとは関係ないのですが、この倉敷・玉野シーサイドサイクリングロードは瀬戸大橋を眺めたり、歴史を感じたりしながら走れるので旅ランにおすすめ。寄り道ばかりで前に進めないのですが、それも含めて楽しめる旅ランになります。

結論:フィジカルトレーニング以外は何にでも使える1足

安定感が高いから不整地でも気持ちよく走れます。

すでに冒頭で結論をお伝えしましたが、ハイバウンス オーバードライブはすべてのランナーにおすすめできる1足で、買わない理由があるとすれば足の幅がどうしても合わないくらいです。シューレースホールの調整である程度は改善されますが、ワークマンのシューズらしく幅広ではあります。

足に合えば加速力を活かした短いダッシュにも使えますし、マラソンでもしっかりと足をサポートしてもらえます。長時間履いていてもストレスなし。ただ、マラソンペースで42.195kmのテストができていないため、そこだけは各自で確認してもらえればと思います。

シューズスペックでいえば、サブ3を狙うランナーシリアスランナーも満足でき、それでいて安定感もあるのでフルマラソン完走を狙うレベルのランナーでもOK。「これさえあれば他はいらない」と思えるくらいの仕上がりになっています。

フルマラソンで使えるか、耐久性はどれくらいあるかは各自テストしてください
  • フルマラソンペースへの適応
  • 耐久性

この2点が今回のレビューでは確認できていませんが、とりあえず100km以上走って大きな問題は見つかりません。アッパーがかなり薄いので「破けた」という報告も出るかもしれません。フルマラソンも後半に足がもたずに失速したという人も出てくることも考えられます。

唯一使わないほうがいいときがあるとすれば、すれはスクワットやジャンプなどのフィジカルトレーニングや筋トレをするときくらい。体を鍛えることに特化したいときにはサポートのない980円のアスレシューズが適しています。

それらを差し引いても、まずは多くのランナーに試してもらいたい1足です。発売は3月末から4月で、店舗によって発売日が違ってきます。見かけたら即買い&SNSなどで「◯◯店に入荷してる!」とラン仲間に教えてあげてください。

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