日本一早いマラソンレポート「第55回愛媛マラソン」

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愛媛にはおもてなしという言葉ではなく、お接待という文化があります。四国遍路を歩くお遍路さんに、食べ物や飲み物などを提供することがお接待なのですが、この文化が根付いていることで、愛媛の人たちは人を迎えるのがとても上手です。

それだけが理由ではないかと思いますが、愛媛マラソンはRUNNETのランキングで年間1位になったこともあります。他にも魅力的なマラソン大会がいくつも誕生したいまでも、倍率が2.8倍と非常に高い人気を維持しています。

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そんな愛媛マラソンが2017年2月11日に開催されましたので、その内容についてレポートします。

愛媛マラソンが魅力的な大会になるもうひとつの理由が、県のトップである愛媛県知事がマラソン好きということで、愛媛マラソンの開催にとても力を入れているということがあります。

今回は川内優輝さんをゲストランナーに迎え、2時間9分54秒で52年ぶりに大会記録を更新して優勝しましたが、なんと川内優輝さんを誘ったのは、地方のマラソン大会に出ていた愛媛県知事だそうです。

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お接待の文化と、マラソン大会に情熱を持って取り組む知事の存在が、愛媛マラソンを他にはない、独特の盛り上がりを作り出しています。

今年は愛媛県で国体が開催されることもあってか、沿道の声援が例年以上に多く、いつもは応援する人がいないような田舎道にまで地元の人達が駆けつけています。スタートから8km先までは応援がまったく途切れず、ゴール手前から5kmの区間もずっと応援が続きます。

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しかも沿道からの声が途切れることがありません。マラソン大会では人は集まっても、それほどランナーに声をかけないようなことが多いのですが、愛媛マラソンの応援に駆けつける人は、ずっと走ってくるランナーに声を送り続けます。

ゴール前で苦しくて歩いていたランナーが、何人もその声援によって気持ちを持ち直してゴールを目指すシーンを目撃しました。これだけの声援の前で歩くわけにはいかない。ランナーをそう奮い立たせてくれます。

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愛媛マラソンのコースは1ヶ所大きな上り下りがありますが、あとはなだらかなアップダウンと、フラットなコース。そして今年は風がそれほど強くなく、気温も低めでとても走りやすいコンディションでした。

そのせいか、ゴールしたランナーの多くが「飛ばしすぎた」と言っています。気温が低めでも太陽がずっと照り続けたため、思った以上に汗をかいて、後半失速したランナーも多かったようです。

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またエイドにある地元のエイドの銘菓とポンジュースが気になりすぎて、どうしても足を止めてしまうランナーもちらほら。記録を狙うランナーはそんなエイドの誘惑との戦いも発生します。

エイドではボランティアの学生さんが手渡しで水を配ります。気温が低くて自分に水やスポーツドリンクがかかってしまっても気にせずに、次々とやってくるランナーにドリンクを渡します。

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バナナなどはまるごと一本と、半分にカットしたものを用意している気の使いよう。こういうところがお接待の文化によるものなのでしょう。公設エイドだけでなく、企業による私設エイドがあるのも愛媛マラソンの面白いところです。

地元の人だけでなく、地元の企業もこの愛媛マラソンというお祭りを楽しんでいるようで、スポンサーの数がとても多いのがこの大会の特徴でもあります。もちろん興味がない人もいるのでしょうが、街全体がお祭りを盛り上げている雰囲気が伝わってきます。

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そして参加者の多くは地元の人たちです。知り合いが出ているから沿道に応援に行こう。そういうことの積み重ねで、ここまでたくさんの人たちを動員しているのかもしれません。知り合いのうち誰かが必ず出ている。じゃあちょっと見てみようかとなり、見てしまうと自分も出たくなる。いい循環がここにはあります。

そもそもとても素晴らしい大会ではあるのですが、今年はおもしろい取り組みがひとつされていました。

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マラソン大会ではゴール後に選手が座り込んでしまって危険な状態になるのですが、今年の愛媛マラソンでは、ゴール直後に学生たちによるハイタッチゾーンができていました。ゴールしたらもうハイタッチに行くしかありません。

そしてハイタッチの途中でICタグの回収を行ったり、フィニッシャータオルをかけてくれたりして、そのままの流れで記録証の発行をしてもらいます。ランナーは休む暇がないので大変ですが、取り組みとしては面白いものがあります。

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ランナーはゴール後の高いテンションのまま手荷物預かりまで終わらせて、そこで初めて休憩をするのですが、実はその先にはまだランナーを休ませない仕組みがあります。

愛媛マラソンの完走後にはお接待エリアが待ち受けていて、スープや豚丼、菓子パンや甘酒、芋汁など、これでもかというくらいの食べ物が用意されています。ランナーはもちろん無料でいただけます。

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正直、横でお店を出している飲食ブースは商売上がったりかとは思いますが、何よりもランナーファーストを大切にしていることが伝わってきます。

他にもゴール後にはフォトボランティアという立て札をもったボランティアさんが、ランナーさんの記念撮影のお手伝いをするなど、愛媛マラソンは本当に至れり尽くせりの大会です。

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これまでも高評価だったのに、それをさらに改善しようという貪欲な姿勢は、いったいどこまで愛媛マラソンを成長させていくのか、とても興味があります。

ランナーなら絶対に走っておきたい大会がいくつかありますが、愛媛マラソンもそのうちのひとつです。男子は3時間30分以内、女子は4時間以内の記録を持っていればアスリート枠として優先的にエントリーできますので、ぜひ来年の愛媛マラソンに申し込んでみましょう。

それに足りない人は抽選になりますが、レポートを呼んで、ややハードなコースと本当に気持ちのいい声援と運営を体験したくなった人は、ぜひ愛媛マラソンに参加してください。

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