「Apple Watch Series 5」はGPSランニングウォッチとして使えるか

Appleが新製品の発表を行いました。注目はiPhone 11ですが、Apple Watch(アップルウォッチ)も最新バージョンのSeries 5が発表になりました。ランナーとして気になるのは、GPSランニングウォッチとして使えるかどうかですよね。

ここでは、ランニングアイテムとして、Apple Watch Series 5は使えるのかどうかについて分かりやすく解説していきます。

目次

Apple Watch Series 5のスペック

それではまず、Apple Watch Series 5のランニング仕様時におけるスペックから見ていきましょう。

● GPSを使用した屋外ワークアウト:最大6時間
● ケース重量(アルミ):【40mm】30.1g / 【44mm】36.7g
● ケース重量(その他):【40mm】39.8g / 【44mm】47.8g
● GPS、GLONASS、Galileo、QZSS
● 加速度センサー
● 気圧高度計
● 光学式心拍センサー
● 電気心拍センサー
● 50メートルの耐水性能

4種類のGPSを搭載し、さらに加速度センサーもありますので、GPSランニングウォッチとしての性能は問題ありません。さらに、心拍センサーは光学式だけでなく電気心拍センサーも搭載していますので、精度はかなり高めです。

耐水性能も50メートルありますので、雨の日のランニングでも使えますし、汗で壊れる心配もありません。

ただし、GPSを使ったときのワークアウトの時間が6時間となっていますので、フルマラソンで6時間以上かかるという人はマラソン大会での使用には適していません。このあたりがやや悩ましいところです。

Apple Watch Series 5のメリット

  • ペース・心拍数・距離・時間をひと目でチェックできる
  • Apple payを使えるので財布を持たずに走りに行ける
  • iPhoneなしで音楽を聴きながら走れる
  • セルラーモデルなら電話にも出られる

それではまずメリットについて解説していきます。

ペース・心拍数・距離・時間をひと目でチェックできる

アップルウォッチは視認性も高く、ペース・心拍数・距離・時間をひと目でチェックできるのもアップルウォッチの魅力のひとつです。もっともこれに関しては、他のGPSランニングウォッチも同様ですので、普通に使えるという話です。

最近のGPSランニングウォッチもスマートウォッチに近づいてきて、音楽を聞いたり、支払いができたりしますが、スマートウォッチとしての使い勝手の良さという意味ではApple Watchが圧倒的に優れています。

Apple payを使えるので財布や鍵を持たずに走りに行ける

アップルウォッチにはApple Pay機能があるので、財布を持って走る必要がありません。アップルウォッチ単体でも支払いができるので、iPhoneを持たずに走りに出かけて、コンビニで水などを買うことができてしまいます。

ほぼ手ぶらでランニングできるのは画期的ですよね。Qrio Lockのような施錠システムを導入すれば、家の鍵すら持って出る必要がありません。子どもの頃に描いた未来がすでにすぐそこまでやってきています。

iPhoneなしで音楽を聴きながら走れる

アップルウォッチは音楽を保存できますので、iPhoneを持たずに走りにでかけても、アップルウォッチとBluetoothイヤホンの組み合わせで、音楽を楽しみながら走ることができます。音楽を聞きながらでないと走れないという人もいると思いますが、そういう人にはかなり嬉しい機能です。

セルラーモデルなら電話にも出られる

しかもセルラーモデルならiPhoneが手元になくても、電話に出ることも出来ますし、簡単なメッセージなども送ることができます。電話に出られないという不安がないというのは、忙しい人にはとてもありがたいメリットですよね。

Apple Watch Series 5のデメリット

  • 手動のラップ計測がしづらい
  • どのアプリを選んでいいのか分からない
  • 音楽を聞くとバッテリーの減りが早い
  • トレーニングのサポートはしてくれない
  • 値段が高い

それぞれどのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。

手動のラップ計測がしづらい

アップルウォッチに限らず、スマートウォッチの多くが手動ラップに対応していません。アップルウォッチのストップウォッチ機能で計測できないこともないのですが、タッチスクリーンですので、ランニング中に正確に押すのは簡単ではありません。

どのアプリを選んでいいのか分からない

アップルウォッチはアプリがいくつもあって、どれを使って記録を残すべきか分からないという問題もあります。迷ったらSTRAVAがおすすめですが、使い勝手の良さはアプリごとに一長一短あります。

音楽を聞くとバッテリーの減りが早い

音楽を聞きながら走れるというのがアップルウォッチの魅力ですが、残念ながら音楽を聞きながら走るとバッテリーの減りがとても早くなり、Spotifyのように通信を必要とする場合には稼働時間が3時間程度にまで減ることもあります。

音楽を聞きながらフルマラソンで使おうというケースでは、まだバッテリーに問題があるのでおすすめできません。

トレーニングのサポートはしてくれない

Garminなどのランニング専用ウォッチと比べると、ランニングのサポートがありません。VO2 Maxはアップルウォッチでも計測できるようになっていますが、ランニングフォームの分析や、トレーニング効果の確認などはランニング専用ウォッチが優れています。

値段が高い

Apple Watch Series 5は万能なスマートウォッチであり、専用端末のようなマニアックな使い方ができません。単純に記録を出す、現状を確認するというだけなら問題ありませんが、でもそれだけに4万円以上も払えるかどうか。

同じ値段を出すなら、Garminのほうが高機能です。でも、Apple Watchはランニング以外でも便利に使えるアイテムです。このあたりが難しいところで、ランニングは専用端末、普段の生活はApple Watchといった使い分けが理想です。

Apple Watch Series 3という選択肢

フルマラソンは5時間以内で走れる人や、マラソン大会に出るつもりはないという人で、Apple Watch Series 5は欲しいけどやっぱり値段が……という人には、Apple Watch Series 3という選択肢があります。

Apple Watch Series 3は2年前のモデルですが、なんと今回19,800円で発売されることになりました。基本的に同じOSで動きますので、それぞれでできることに大きな違いはありません。

Apple Watch Series 5のほうが画面が大きくて、バッテリーの持ちがよくて、少しだけ多機能です。でも42,800円もします。Apple Watch Series 3はその半値以下で購入できてしまいます。

細かい分析などはせずに、ただ記録を残したり、ペースを確認するだけなら、間違いなくApple Watch Series 3で十分です。もし、使い物にならないとなっても、Apple Watch Series 5との差額でGPSランニングウォッチを買えるのは、かなり魅力的です。

予算があまりないというランナーさんは、ぜひApple Watch Series 3も選択肢のひとつとして考えておくといいでしょう。

まとめ

Apple Watch Series 5はとても魅力的な端末ですが、ランニングのために作られたわけではありません。このため、ランニングだけに絞って考えると、GarminやPolarのほうが優れていますし、満足度が高い買い物になります。

でも、ランニング以外の面でいえばApple Watch Series 5のほうができることも多く、生活がもっと豊かになります。財布を持たずに走りに出られて、スマホなしで音楽も聴けるなんて、想像しただけでも楽しいランになりますよね。

ストイックにランニングと向き合うならランニング専用端末、ランニングをライフスタイルのひとつとして楽しみたいというのであればApple Watch Series 5、もしくはApple Watch Series 3がおすすめです。

なぜGPSランニングウォッチが必要なのかを自分なりによく考えて、最適なほうを選びましょう。

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