陸上競技経験者からの信頼も厚いアシックス。学生時代からずっとアシックスという人も多いですよね。市民ランナーでもマラソンブームの前から走っている人は、アシックスのランニングシューズを使っている比率が高いのではないでしょうか。
そんなアシックスユーザーが待ちに待った、記録にこだわるランニングシューズ「メタレーサー(METARACER)」が4月17日に先行発売という形ですが、販売が開始します。まだ情報はそれほど多くありませんが、現時点でわかっていることをお伝えしていきます。
メタレーサーはカーボンプレート搭載のスピードモデル
アシックスが昨年から力を入れているのが、ガイドソール(GUIDESOLE )テクノロジーを採用しランニングエコノミーを上げることを目的としたメタシリーズです。このガイドソールを導入したシューズには下記モデルがあります。
- メタライド
- グリッドライド
- エボライド
いずれもランニングにおける動きのロス、エネルギーの損失を最小限に減らすことを目的にしたランニングシューズで人気が出ましたが、トップアスリートやシリアスランナーが勝負レースで履くほどのポテンシャルはありませんでした。
もちろん水面下ではスピードモデルの開発が進められており、すでにトップランナーがレースで履いているなどの噂もありました。そして、満を持して発表されたのが「メタレーサー(METARACER)」というわけです。
これまでの3タイプとの大きな違いは、カーボンプレートを採用したことにあります。これまで薄底にこだわってきたアシックスですが、メタライドの発売以降は過去の栄光を捨て、新しい技術の導入にためらいがなくなりました。
メタレーサーはアシックスユーザーのための1足ですが、アシックスの復活を告げる1足でもあります。ここからアシックスの逆襲が始まる。そんな期待をもたせてくれるシューズに仕上がっています。
ランニングエコノミー向上により後半の失速を防ぐ
マラソンにおいて30kmまでは誰でも自分の思い描いたように走れます。問題はそこからいかにスピードを落とさずに走り切るかということにあり、いわゆる30kmの壁をどう乗り越えるかが、ランナーにとっての課題です。
この課題に対して、まずナイキが出した答えが「厚底」でした。厚底にすることで、ソールに十分なクッション性を持たせて、着地の衝撃を軽減させました。ただし、柔らかすぎると今度はそこにロスが生まれるから、カーボンプレートをスタビライザーとして採用しました。
そうして完成したのがヴェイパーフライです。
ヴェイパーフライが発売された当初は、ほとんどのメーカーが「あんなシューズでは走れない」と薄底軽量に拍車をかけましたが、結果はみなさんの知っているとおりです。そしてアシックスをはじめとしたシューズメーカーがナイキと同じ方向に舵を切りました。
ただ、どのメーカーにもプライドがあります。ナイキに負けないだけのテクノロジーを搭載させて追いつくがテーマだったのでしょう。アシックスが開発したのがガイドソールテクノロジーだったわけです。
ガイドソールテクノロジーは着地時の足首まわりの負担を約20%削減できる技術です。無駄のない走りに誘導することで、ランニングエコノミーが改善され、後半の失速を防げるというのがガイドソールテクノロジーのコンセプトです。
この技術の素晴らしいところは、トップランナーのランニングシューズだけでなく、初心者向けのシューズにも導入できるという点です。すべてのランナーが恩恵を受けることができ、42.195kmを気持ちよく走り続けられるようになります。
さらにメタレーサーはアウトソールにも最新テクノロジーを導入しています。アシックスグリップとウェットグリップラバースポンジの組み合わせにより、濡れた表面でも優れたグリップ力を発揮するので、どんな天候でもベストパフォーマンスを発揮できます。
4月17日から一部で先行発売
メタレーサーは本来開催されるはずだった東京オリンピックに向けてのアイテムということで、4月17日が発売日となっています。ただし、まずは先行発売という形ですので、店頭に並ぶのには少し時間がかかるかもしれません。
幸か不幸かしばらくはレースもないので、焦って購入する必要はありません。夏くらいまで様子を見て、秋以降のマラソン大会が開催されそうなら購入するというので十分に間に合います。むしろ、現時点では急ぎでない買い物は控えるべきタイミング。
SNSやYouTubeなどでレビューが上がるとは思いますが、ちょっとガマンすることをおすすめします。価格は税抜2万円でカーボンプレートの入ったスピードモデルとしては、比較的安い価格帯ですが、型遅れ品が3足買えてしまう価格です。
もう少し状況が落ち着いてから検討しましょう。もちろん生活に余裕があり、誰よりも早く履きたいなら4月17日の購入でもかまいません。ぜひ、新しい時代を築くことになるアシックスのランニングシューズを楽しみましょう。
サイズなどの情報はまだ発表されていませんので、気になる方はこまめにアシックスのサイトをチェックしておきましょう。