「第2回 ユニクロ イチロー DREAM FIELD DAY」レポート

好きなスポーツに出会える体験イベント「第2回 ユニクロ イチロー DREAM FIELD DAY(ドリームフィールドデイ)」が、6月27日にMUFGスタジアム(国立競技場)にて開催されました。主催はユニクロ、イチローさん・中山雅史さん・末續慎吾さんがコーチとして参加しましした。

対象となったのは小学4年生から中学3年生まで。午前中には「好きなスポーツを見つけるきっかけ」として、野球・サッカー・陸上の各競技を体験。午後からは、競技力をより高めるためのた「BOOST コース」を実施。実績のあるレジェンドプレイヤーから、スポーツの楽しさや上達のコツを学びました。

目次

好きであることが競技力向上のベースになる

「第2回 ユニクロ イチロー DREAM FIELD DAY」で子どもたちが学んだことについては、本人たちの宝物にしてもらいたいので、ここでは深くはお伝えしませんが、大人にも通じる大切なエッセンスがいくつかあったので、ランナーのみなさんにも共有しておきます。

最も心に残ったのはイチローさんの「好きじゃないと続かない」という言葉でした。

このイベントは、子どもたちがさまざまなスポーツを体験し、その中から自分が得意なものや楽しく感じるものを見つけてもらうために開催されましたが、その中で最も大切なのは「好き」であることと、イチローさんは説きます。

これはランニングやマラソンも同じで、走るきっかけは「健康のため」とか「友人に誘われて」かもしれませんが、そこでまず取り組むべきは、ランニングに「自分の好き」を見つけることだと、私もパーソナルトレーニングをしながら感じています。

たとえば「ダイエットのため」に走り出した場合、ランニングを途中で諦めてしまうケースが多々あります。ダイエットのために走ることが悪いというわけではありません。ただ、ランニングで痩せるのには時間がかかるので、毎日のランニングにおける喜びがありません。

ダイエットのためであっても、速くなる自分を楽しんだり、季節の香りを楽しんだり、それぞれの走る楽しさを見つけられる場合、それが「好き」になります。「好き」なことをしているので、ランニングを続けることができ、結果的にダイエットも成功します。

この感覚はどのレベルのランナーにも忘れないで欲しいことで、とくにこれからランニングを始める人は意識してみてもらいたいポイントです。走ることを憂鬱にしないだけでなく、むしろワクワクにする。そのために、自分なりにランニングの中に楽しさを見つけること。

これが継続のコツでもあり、走力アップのためのベースになります。

周りに惑わされずベクトルは常に自分に向ける

サッカーや野球はチームスポーツであり、チームが勝つことが最も重要です。イチローさんもW杯の試合を見て、「チームのため」に役割分担を明確にして連動する選手を見て、今の野球に足りなくなったものがあると話していました。

ただ、3人のトークを聞いていて感じたのは、3人とも「自分を鍛える」ことを対してまっすぐであり、そこに関して一切の妥協がないことを感じました。

チームスポーツであっても、自分が成績を残したり、与えられた役割を果たせなかった場合には、どれだけチームが勝っても外されてしまうのがプロスポーツ。末續さんのように陸上競技の世界においては、記録を出せなくなったら存在意義を示すことができなくなります。

だから3人のコーチは、常に自分を向上させるために何をすべきかを考えていて、それは現役であろうと引退しようと関係なく、人生におけるスタンスになっているように感じました。

もちろん、それぞれに個性があり、中山さんのように優しさが表に出るケースもあれば、末續さんのように厳しさが表に出るケースもあります。

でもそれはベクトルが外に向いているとき(向かせなくてはいけないとき)のスタンスであり、競技者となったときには、周りがどうとかいうことは関係なく、感覚のすべてを使ってベクトルを自分の内側に向け探求していく。

昨今はSNSで周りのランナーに対して攻撃的になる人もいたりして、ちょっと殺伐とすることもありますが、それはベクトルがずっと外を向いているから起こることだと私は感じています。ベクトルが自分の外ばかり向いているから他人のことが気になる。自分と反対の意見が気になる。

「そんなことはどうでもいい」として、好奇心の対象を自分に集中させる。競技力を最大限に伸ばすためには、そういうスタンスが求められる。3人のトークを聞いていていると、そんな考え方が大切なのかなと感じました。

好きが探究心を高め、技術を手に入れることで競技力が伸びる

「第2回 ユニクロ イチロー DREAM FIELD DAY」の午前に行われた「CHALLENGE コース」では、これから取り組むスポーツを决めていく世代を対象にしていましたが、午後からは「BOOST コース」として、すでに競技と向き合っている子どもたちが、トップアスリートから技術を学んでいました。

まず「好き」であることが大切であり、でもそれだけでは自分のポテンシャルを最大限に引き出すことができず、そこで必要になってくるのが技術や競技との向き合い方になります。

短時間のセッションでしたので、すべての技術や考え方、向き合い方を伝えるというわけにはいきませんが、それぞれの競技で「絶対的に必要なこと」を細かい部分まで丁寧にレクチャーしているのが印象的でした。

しかも、それだけで子どもたちの動きが大きく変わっていきます。ここで大切なのは、動きが変わったということではなく、「ちょっとした変化でその競技がもっと楽しくなる」と感じられたことにあるのかもしれません。

それを知った子どもたちは、自分のチームに戻ったときに、自分なりに創意工夫をするようになり、うまくできないときに、自分よりも上手い人から学ぼうとするようになります。それにより成長できることを体験として知っているから、技術について貪欲になっていくわけです。

ランニングと向き合う場合も同じで、技術やコツによって速く走れる楽しさを体験したら、どんどん探究心が高まっていき、ランニング沼にハマることになります。

私自身もその1人で、私の場合は膝が痛くなって走れなくなったときに、膝に負担をかけない走りを知り、そこから「走る技術」を追求し、気がつけばランニングの情報発信を行ったり、ランニングを教えたりするようになっています。

ベースにあるのは間違いなく「好き」ですが、そこで立ち止まるのではなく、「どうすれば速くなるか」を学んだり、試行錯誤したりすることで技術が身につき、そして競技力が向上する。競技力が向上すれば、また探究心が大きくなりっていきます。

このサイクルは大人も子どもも関係なく、ランニングを含めて、あらゆる競技を続けていく上で大切なことなのだと学んだイベントとなりました。

末續さんが診断したイチローさんの走りは59点

これはちょっとおまけのような話ですが、今回のイベントの中で、末續さんがイチローさんの走りを診断するコーナーがあり、実際にイチローさんが参加者の目の前で走って点数を付けてもらっていました。

結果は59点で、60点以上が高得点とされる中で1点足りなかったことに対して、ずっと悔しそうにしていたイチローさんが印象的でした。イチローさんといえば「俊足」というイメージでしたが、陸上競技の走りと野球で求められる走りや体の使い方が違うことが影響したのかもしれません。

興味深かったのは、そのあと末續さんが実際に走るとなったときに、子どもたちが総立ちになったシーン。アップの段階で、スペシャリストとしての雰囲気を漂わせていたのを。子どもたちは肌で感じ、一瞬たりとも見逃してはいけないと感じたのでしょう。

さらに、イチローさんと末續さんが共走を行ったのですが、末續さんに触発されたのかイチローさんのギアがひとつ上がった感じがあり、会場は大きな盛り上がりを見せました。

陸上競技はとてもシンプルな競技ですが、とにかくわかりやすい。周りとの比較で1番を目指すのも素晴らしいことですが、1番になれなかったらダメということではありません。過去の自分を越えていくことができれば、それは成長の証であり、やってきたことに意味を感じられます。

そして、どこまでやるのかを決めるのは自分自身。社会人がマラソンと向き合うときに、人生をどれだけランニングに注ぎ込めるか(注ぎ込むか)は人それぞれ違います。だから、誰かと比べることに意味はなく、サブ3やサブ4という称号すら「どうでもいい」ことになります。

私たちランナーに必要なのは、日々のランニングの中に「好き」を見つけて楽しむこと。そして、そこから1歩踏み出して、自分を越えていくために探究心を高めて技術を身につけること。それができれば、何歳になっても走り続けることができます。

あとは子どもだった頃の気持ちを忘れないこと。「好き」であることをもっともっと表に出していいですし、好きなことを純粋に楽しみましょう。その背中を見た次の世代が夢や希望を持ってチャレンジしてくれると信じて。

第2回 ユニクロ イチロー DREAM FIELD DAY 実施概要

日時:2026年6月27日(土)10:30〜17:00
会場:MUFG スタジアム(国立競技場) / 東京都新宿区霞ヶ丘町 10-1
コーチ:イチロー、中山雅史、末續慎吾 (敬称略)

対象
◆CHALLENGE コース : 小学4年生~中学3年生(初心者向け)
◆BOOST コース : 小学4年生~中学3年生(経験者向け)

「イチロー DREAM FIELD」特設サイト:https://www.uniqloichirodreamfield.com/

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