春以降のレースではかくれ脱水対策をしてスタートラインに立とう

すでに春マラソンの時期に入り、レースでの気温が20℃を超える日も増えてきました。こういうときに起きやすいのが脱水症です。脱水症は夏になるものだと思っているかもしれませんが、20℃程度の気温でも発生します。

脱水症というのはその名の通り、体内の水分が抜けている状態です。ですので、汗をかけば1年中かかる可能性があります。夏は汗が流れるようにたれてきますので、意識的に「気をつけよう」となり、脱水には意外とならなかったりします。

この時期に走るランナーに気をつけてもらいたいのが、「かくれ脱水」という症状です。「かくれ脱水」は脱水症になりかけているのに、それに気づかず有効な対策がとれていない状態のことを言います。

春は気温の変化が激しく、最高気温が20℃近くなったと思ったら翌日に10℃以下になるということがあります。このような変化に体がついていけず、ちょっと気温が上がっただけで必要以上に汗をかいてしまいます。

さらには乾燥しているのもあって、汗が滴り落ちないため、体が水分を失っているのに気づきにくいというのも、対策を取れない理由のひとつとして挙げられます。

春のレースは知らないうちに水分を失って、後半に大幅の失速につながります。「ハーフまでは調子が良かった」「30kmまではいつも以上に走れたのに」と悔やんでいるランナーさんもいると思いますが、その理由としてかくれ脱水があるわけです。

それを避けるには、こまめな水分補給が必要ですが、ここで大事なのは水分だけでなく塩分も摂るということです。

スポーツドリンクは甘いから嫌いというランナーさんもいるかもしれませんが、レース中に水ばかり飲むのはとても危険です。低ナトリウム血症という状態になって、昏睡や痙攣を引き起こす可能性もあります。

美味しい・美味しくないではなく、スポーツドリンクを飲むしか選択肢はありません。どうしても嫌だというのであれば塩を持って走りましょう。塩だとしょっぱすぎるので飲みにくいという人は、カプセルに塩を入れて持っておきましょう。

カプセルは薬局でもAmazonでも販売しています。

マラソンにおいては15℃を超えると、自分の思うような走りができなくなります。心拍数も上がりやすく、体内の塩分も水分も失われやすい。しかも走り出しは体も温まっていて心地いいからいつもよりもスピードを上げがちです。

後半失速する要素はいたるところに潜んでいます。

もちろん、かくれ脱水はウルトラマラソンやトレランでも発症します。ウルトラマラソンは涼しい時間にスタートするので、気がついたら茹でガエル状態になって、水分も塩分も大量に失っているというのがよくあります。

トレランは「水分を大事に」という思いもあるため、序盤に摂取せずにいて、体内の水分と塩分が失われてしまいがちです。そうならないためには、戦略的に水分と塩分を補給していく必要があります。

第1回のさいたま国際マラソン(制限時間4時間)はスタート時には小雨で肌寒く、そこからジワジワ気温が上がっていきましたが、多くのランナーがそれに気づかず給水をしなかった結果、ものすごい数の人が沿道で座り込んでいました。

どれぐらいの量が適正なのかは個人差がありますし、レースの種類によっても違いますが、5分でひと口くらいは飲んでおきたいところです。それを考えるとウルトラマラソンでも水分を持ち運べるリュックやポーチがあると便利です。

フルマラソンでも春マラソンなら本当はボトルを持って、5分にひと口くらいのペースでドリンク(もちろん塩分を含んだもの)を飲むようにするのがベストです。

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春マラソンではわたしたちが思った以上に体から、水分も塩分も失われています。それは意識して摂取しないと、いずれ不足して失速に繋がります。特に感覚派のランナーほどかくれ脱水になりやすいので注意が必要です。

でもやっぱり甘いスポーツドリンクが苦手だというのなら、経口補水液を飲むようにしましょう。経口補水液は吸収スピードが早く、それでいて必要なミネラルも補給できますのでおすすめです。

ただし、こちらもあまり好きじゃないという人もいますよね。そういう人はORS経口補水塩タブレットがおすすめです。500mlの水にタブレットを1個入れるだけで飲みやすい経口補水液を作ることができます。

完全に脱水症状になったときには、タブレットのまま噛み砕いて、水で流し込むという使い方もできます。ただし発泡性があるので、そのまま流し込むとゲップが出やすいので注意してください。

小さなケースに入っていますので、超長距離を走るランナーさんには必需品としてポーチなどに入れておいてもらいたいところです。大事なレースで最後まで失速しないために、こまめな水分と塩分の補給を忘れないようにしてください。


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