ランナーならLSDというトレーニング方法の名前くらいは聞いたことがあるかと思います。ロング・スロー・ディスタンス(Long Slow Distance)のことで長い距離をゆっくりと走るトレーニング方法です。
これは世界的な名コーチであるアーサー・リディアートが用いた「会話を続けられる程度の十分ゆっくりしたペース」に基づいたもので、現代ではそこからさらに進化発展しています。
ここではLSDをしてみたいけど、どうすればいいのか分からないというランナーのために、LSDの基本について説明します。
LSDはどんなペースで走ればいい?
LSDをするにあたって、まず気になるのがペースですよね。「ゆっくり」言われてもいったいどれくらいゆっくりにすればいいのか分かりませんよね。基本的な考え方としては「ニコニコペース」が理想です。
ニコニコペースというのは笑顔で走り続けられるペースです。でもランナーによってこのペースは違います。このためLSDは基本的に1人で行わなくてはいけません。誰かのペースに合わせると、人によっては余裕がありすぎますし、人によっては苦しくなります。
ただ、どうしても1人では走れないという人は、遅い人にペースを合わせるようにしてください。必要以上に心拍数を上げないことがポイントです。
どうしてもペースを知りたいというのであれば、普段のレースペースに対して1キロあたり2分くらい遅いペースから始めましょう。そこから徐々にペースに上げていき、苦しくなったらペースを落として自分の理想のペースを探してください。
LSDは何キロ走ればいい?
LSDというと長い距離を走るものだと思っている人もいるようですが、このトレーニング方法が考案された当初のルールは次のようなものでした。
・走るのは週3〜5回
・1回あたりの走る時間は1時間以上
・1回あたりの走る距離は15マイル(24km)以下
・週1回は2時間以上走る(5か月目以降)
LSDは5〜6時間と走るものだと思っている人も多いようですが、距離で24km以下に抑える必要があります。キロ7分で走った場合は168分ですので2時間48分です。これが本来のLSDで、5〜6時間も走る必要はありません。
ここで大事なのは週3〜5回走るということで、1回あたりの距離は短くても1週間のトータル距離を増やす必要があります。
LSDの解説で1週間に1回でOKと書いてあるものもあります。断言しますがそれでLSDの効果は得られません。「いやいや、それで結果が出たから」という人もいますが、それはただ長時間運動するのに体が慣れただけで、本来のLSDの効果とは違います。
LSDは走りそのものは楽でも、練習量を減らして手を抜いて速くなるというような魔法のメソッドではありません。むしろ地味で嫌になるくらい退屈なトレーニング方法です。
仕事で忙しいという人は、朝起きて1時間のランニングを平日に2〜3回、週末に2時間のランニングを入れるようにしましょう。帰宅後というのは、まずやる気がおきませんし、残業が遅くなると走れなくなって継続できなくなります。
LSDにはダイエット効果もある?
雑誌で「LSDで痩せよう」と毎年のように特集記事が書かれていますが、実際に痩せることができるかというと、あまり期待はできません。運動をほとんどしていない人が、週3〜5回走ればもちろん痩せます。
それは別にLSDに限ったことではありません。真剣にフットサルと週3回もやれば間違いなく痩せます。
確かにLSDは体内の脂肪を使って走るため、痩せやすいという面もありますが、走った分だけ食べてしまえば結局は同じこと。様々なダイエット方法がありますが、結局のところ、「摂取カロリー<消費カロリー」の状態にする以外に痩せる方法はありません。
LSDをして汗をかいたからといって、揚げ物をつまみにビールを飲んで、シメにラーメンまで食べていたら当然痩せられるわけがありません。もしLSDで痩せたいというのであれば、きちんとカロリーコントロールをしてください。
もっとも、走ってお腹が空いてしっかり食べて太るというのは、人としてとても健康な状態です。ストイックにタイムを追うのでなければ、体重増はそれほど気にしなくてもかまいません。
痩せるためにLSDをするという人だけ、食べすぎないように注意してください。
夏場にLSDをするときの注意点
LSDをするのに適した季節というのはありません。ただ、秋マラソンで結果を出したいのであれば、7〜8月はLSDで月間走行距離を伸ばしたいところです。夏を制するものが秋マラソンを制します。
ただ、夏場にLSDをする場合にはひとつだけ気をつけて欲しいポイントがあります。それが水分補給と塩分補給です。水分補給と塩分補給はそれぞれ別物だと考えてください。
夏場は水分補給が大事と言われますが、水分だけを補給すると低ナトリウム血症という状態になってしまいます。血液中のナトリウム濃度が下がった状態で、とても危険な状態です。
汗をかいていますので水分補給は重要ですが、それと同じように塩分も補給しなくてはいけません。このため、水ではなくスポーツドリンクを飲まなくてはいけないのですが、ぬるくなったスポーツドリンクは美味しくないですよね。
そんな夏場のLSDにおすすめしたいのが、O.R.S 経口補水塩タブレットです。このタブレットは水に溶かすことで経口補水液を作ることができるというもので、熱中症などの危険があるときにはそのまま食べることもできます。
経口補水液は薬局などで買えますが、LSDのコースに必ずしも薬局があるわけではありませんよね。しかも経口補水液はあまり美味しくないですし。でもこのタブレットなら自販機で水を買えばすぐに経口補水液が作れます。
そして何よりもレモン味で飲みやすいのが嬉しいところです。O.R.S 経口補水塩タブレットはAmazonで購入できますので、ぜひチェックしておいてください。
夏場にLSDをするというランナーさんは、5分おきくらいに1口ずつの水分補給を心がけましょう。そのときの塩分補給にO.R.S 経口補水塩タブレットを利用して、熱中症対策をしっかりしておきましょう。