来年の3月11日で東日本大震災からちょうど10年を迎えます。多くの人にとってはすでに過去のことかもしれませんが、東北の三陸地方ではいまだ復興の道半ばです。そんな三陸地方を走って盛り上げるステージレース「ステージレース三陸311」の開催が発表されました。
ステージレースというのは日本国内ではあまり見かけませんが、世界では砂漠やジャングルを走るステージレースがいくつもあります。1日のレースでは得られない体験があり、走りきったときの達成感を得られます。そんなステージレースが国内で開催ということで、今回の発表は話題になりつつあります。
そこで、今回は東北・三陸地方を311km走る「ステージレース三陸311」について、分かっている範囲内で詳しく解説していきます。
ステージレース三陸311の目的
ステージレース三陸311は311kmの距離を走るレースですが、競走することだけが目的ではありません。複雑な入り江によるリアス海岸の絶景や、日本では珍しい「海を見ながら山を走る」トレイル、豊富な海と山の幸など、三陸の素晴らしさを発見していく旅という位置づけになっています。
レースですのでもちろん順位がつきます。でも、大事なのはそこではなく、三陸の景色や道を多くのランナーに体験してもらいたいという想いが込められています。
そもそもこのレースの構想が生まれたのは、東日本大震災直後のこと。後に企画することになるスタッフは、被災地の復旧ボランティアに参加し、車で南三陸から宮古まで移動しました。そのときに「ここなら素晴らしいレースができる」と感じ、これまで時間をかけて準備を進めてきました。
震災直後はまだ三陸でイベントを開催できる状況ではなく、地元の人たちの協力が必須のこのレースを開催できるようになるまで、待つしかありませんでした。ただ、その期間もスタッフは何度も三陸に足を運び、着実に協力体制を整えていき、震災から10年が経過する2021年の開催にこぎ着けました。
この開催により、三陸の復興しつつある町に活気をもたらすこともレースの目的となっています。もちろん、東日本大震災を風化させないことも目的としています。
6日間で311kmを走るステージレース
スタートは岩手県宮古市の浄土ヶ浜です。そこから南下し、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市、そして宮城県気仙沼市、南三陸町まで、2県に渡る5市3町を走ります。3日目に三陸鉄道に乗車する移動区間もありますが、それ以外の走行距離の総計が311kmとなります。
1日平均で約52kmですので、100kmのウルトラマラソンを完走できる走力があれば、6日間を走り切るのはそれほど難しくはありません(トレイルもあるということで簡単ではありませんが)。
311kmと聞くとかなり不安になるかもしれませんが、きちんとした準備を行えば多くのランナーが挑戦できる距離です。ただ、開催は2021年の8月下旬を予定しているということなので暑さ対策なども必要になります。人によっては仕事を休む必要も出てきます。
大会の詳細はまだ決まっていませんが、募集開始は2021年3月を予定していますので、まずは来年の8月にこのような素敵な大会が始まるということだけ覚えておきましょう。
ステージレース三陸311プレ大会開催予定
2021年の本大会の1年前となる2020年8月に、50人ほどの規模でコースの一部を走る「プレ大会」を計画されています。プレ大会では3日間で120km程度を走る予定です。ただし、今後の新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、実施の可否を5月下旬に判断するとのこと。
どのようなレースなのか体験してみたいという人や311kmは無理でも120kmなら走れそうという人は、今後の情報も期待して待ちましょう。RUNNING STREET 365でも情報が分かり次第お伝えします。
プレ大会:2020年8月21日(金)~23日(日)(予定)
ステージレース三陸311開催概要
大会名 | ステージレース三陸311(STAGE RACE SANRIKU 311) 略称:SRS311 |
開催日 | 2021年夏(8月下旬を想定) |
開催地 | 岩手県 宮古市・山田町・大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市 宮城県 気仙沼市・南三陸町 |
参加募集人数 | 500人(予定) |
参加者募集 | 2021年3月開始予定 |