日本一早いマラソン大会「第63回愛媛マラソン」

これまで何回出場したかわからない愛媛マラソン。フルマラソンを走るようになってから、コロナ禍以外すべて出場してきましたが、今年の成績が振るわず、残念ながらアスリート枠を消失してしまいました(実は2回目の消失ですが)。

ただ、これは最後の愛媛マラソンになったとしても、後悔しないと言い切れるくらいの声援を受けて、冷たい風が吹く伊予路を満喫してきました。いい意味で年々エスカレートする沿道の声援。今年はどんな変化があったのかレポートしていきます。

目次

小さくとも改善を積み重ねていく愛媛マラソン

今回の愛媛マラソンでは、受付のための郵送物が廃止されました。これまでは前日受付・当日受付をしており、その受付のための受付票が郵送されていたのですが、「第63回愛媛マラソン」からはQRコードに変更になっています。

受付ではQRコードと本人確認書類(運転免許証など)を提出するのですが、これはかなりスムーズに受付作業ができていました。おそらくQRコードを使うだけでなく、何か他にも工夫があるのだと思いますが、読み取ってもらって、1歩進んだらすでにゼッケンが用意されていました。

そして、これまで受付後に移動して参加賞を受け取っていたのですが、今年からその場で配布。学生ボランティアさんがチャキチャキとコミュニケーションをとって、スムーズな受け渡しをしていました。

こうなると大会会場のほうが少しさみしいくなっており、スポンサーブースがぽつんとあるくらい。あとは遠方からの参加者にちょっとしたプレゼントを毎回用意しており、それを受け取るためだけに移動する感じになっていました。

ちなみに、このちょっとしたプレゼントも一新されていて、もらって嬉しいお菓子のプチ詰め合わせみたいになっていました。おそらく多くの参加者が晩酌のお供にホテルで食べていたことでしょう。

さらに、受付では本人が出走するように、これまで腕にリボンを巻いていたのですが、そのリボンが長すぎて、お刺身を食べようとすると、リボンの端が醤油皿にダイブする問題が発生していましたが、今年から紙製になっていて、すっきりしました。これは賛否が分かれるかもしれませんが、変えてみようという姿勢が嬉しいところ。

さらに、これまでのNFT完走証が動画完走証になるという試みも。これはかなり嬉しいサービスで、自分の走りを客観視できますし、SNSでのシェアも簡単にでき、レース展開を視覚的に知ってもらうことができます。これはかなり先進的なサービスです。

このように、大きな変化ではありませんが、小さな改善や変更、チャレンジを積み重ねているのが愛媛マラソンのホスピタリティの高さ。さすがお遍路文化が根づいている土地柄といったことろでしょうか。おもてなしに関しては日本全国探してもこのクオリティを安定して出せる大会は限られています。

もちろん、完璧ではありません。まだまだ改善しなくてはいけないこともあるのでしょうが、一気に変化させるのではなく、ちょっとずつできることからやっていく。これが「愛媛」らしさのように感じます。

学生ボランティアの盛り上がりが倍増?

そして愛媛マラソンといえば、沿道の声援が素晴らしいことで有名ですが、今年は学生ボランティアの配置が例年よりも細かく分かれていたのか、どこを走っていても若さあふれる声援でランナーを鼓舞してくれました。

正直なところ、それによってオーバーペースになっていた感もなきにしもあらずですが、それはあくまでも私の力量の無さによるもの。自分をコントロールできなくなるほどの声援。それを体験できるのも愛媛マラソンならではということで。

ただ声援そのものはずっと前からあったのですが、今回はそこに「ハイタッチ」が加わっていました。ハイタッチもこれまでもあった応援方法ですが、これまでは一部だけが実施していたものが、どのグループもハイタッチの準備をしていました。

その影響か、沿道でもハイタッチを求める人も多く、老若男女関係なくハイタッチが続きます。もちろんそれだけ消耗しますが、ハイタッチはメンタル面でプラスになり、気持ちが奮い立つので個人的には嬉しい変化のひとつでした。

コースは相変わらずのアップダウンで、コース序盤と終盤はフラットですが、中盤はフラットな場所がかなり限られていて、小さなものから大きなものまでアップダウンがあり、ペースが安定しないという難しさがあります。

また、今年もしっかり冷え込んで、スタート時の気温がおそらく5〜6℃。ビルの間からスタートするので、スタート前は体が冷えてしまいます。さらに中盤以降は「風早」の地名に負けず劣らずの冷たい風が体温を奪っていきます。

私は防寒対策として、貼るカイロを背中とお腹に貼って、ゴミ袋で作った簡易ポンチョを着込んでいましたが、後半寒くなると予想して、簡易ポンチョは最後まで脱ぎませんでした。瀬戸内とはいえやはり2月。この寒さとアップダウンが愛媛マラソンの難易度を上げているような気がします。

それでも寒さを吹き飛ばしてくれるのが沿道の声。エイドの学生ボランティアもとにかく楽しそうにしていて、それを見ているとこっちまで嬉しくなります。今回は何度、その笑顔に救われたかわかりません。

進化の余地と大改革の可能性

ずっと進化し続けている愛媛マラソンですが、もう何回も走っているとマンネリ化しているところもあります。基本的にエイドは多少の変化があるとはいえ、ずっと同じです。それが安定感を作り出してはいますが、1ヶ所くらいチャレンジエイドがあってもいいのかなと。

難しいのはわかっていますが「みかんエイド」みたいなものをやったり、「三津浜焼きエイド」「鯛めしエイド」など、毎年違ったエイドをひとつ用意するだけでワクワク感が変わってきます。何よりも「来年も楽しみ」となります。

そして、今回気になったのは詰まってしまったトイレが何台もあったということ。これは毎年のことなのかもしれません。参加者数が約1.2万人と過去最大だったのも影響しているのでしょう。明らかにトイレが足りておらず、なおかつスタートブロック閉鎖30分前にトイレに並んで、閉鎖に間に合わなかった人もいました。

さすがにそれはかわいそうでした。現在、大会会場となる城山公園は大改修をしており、トイレの設置場所にも限りがあるのでしょう。何よりも予算の関係でこれ以上増やせないのかもしれません。だとすれば参加者数を絞る必要があります。

まだまだ進化の余地があり、これをコツコツ改善していくのか、それともどこかで大きく変化させるのか。たとえば東京マラソンのように、コースを変える、開催月を変えるといった大改革があってもいいのではないかと。今の小さな改善を繰り返すと、ツギハギのような大会になって、行き詰まってしまう未来も見えてしまいます。

もっとも、運営にしかわからない悩みや課題もあるのでしょうから、外野の声をまともに受ける必要はありません。でも、これだけの情熱を持って開催されている大会ですから、さらに良いものになってもらいたいというのが多くの参加者に共通する想いなはず。

そして、そろそろ新しく生まれ変わるのに適した時期なのではないかと思うわけです。困ったことに、大改革があっても来年からは抽選に当たらないと出られないのですが。

「過去最大に楽しかった」が約束されている愛媛マラソン

これまで運良くアスリート枠を確保(男子3時間30分・女子4時間以内の完走)して、さらにアスリート枠を失った翌年に抽選で当たって走ることができましたが、今回は年齢的にもサブ3.5を狙うのも維持するのも難しいのだと実感させられました。

では、もう愛媛マラソンを走らないのかというと、もちろんそんなことはありません。こんなにも素晴らしい大会ですから参加するだけでも楽しめます。だから抽選に当たったら走るという、他のランナーと同じ状態になるだけ(それでも悔しさは消えませんが)。

ただそれで終わるのではなく、愛媛県内のハーフマラソンにも出るようにしようかなと。愛媛マラソンは抽選だからラン仲間を誘ってエントリーしても、一緒に走れるとは限りません。でもハーフマラソンなら先着順ですから、仲間と一緒に参加できます。

そして、ホスピタリティの高さは愛媛の県民性によるものですから、どの大会に行っても気持ちよく走れることを期待できます。しかもハーフマラソンでタイムを気にせずに走って、観光もグルメも楽しめる。今回はそんな方向性に舵切りするためのいいきっかけになりそうです。

愛媛をもっと幅広く走り、そして順番が回ってきたら愛媛マラソンも走るとしましょう。そのときもきっと、「過去最大に楽しかった」となるのが約束されているので、また走れる日を心から楽しみにしています。

まだ愛媛マラソンを走ったことがない。そんなランナーもまだまだいると思いますが、本当に素晴らしい大会です。抽選のライバルが増えるのは困りますが、それ以上に1人でも多くの人に走ってもらいたい大会。ぜひ2026-2027シーズンの勝負レース候補に入れておいてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次