
アディダス アディゼロ新色コレクションが2025年6月4日より発売開始となります。今回のコレクションには、人気のオールラウンドモデルの最新作「ADIZERO BOSTON 13」が含まれており、発売される前に体験できるプレスツアー「ADIZERO BOSTON 13 TOUR」が5月29日に開催されました。
今回の「ADIZERO BOSTON 13」はアディダスにとっての自信作であり、前作を上回るポテンシャルを備えているということで、ツアーに参加する前から楽しみにしていました。そこでここでは「ADIZERO BOSTON 13」の基本スペックと実際に履いて走った完走をプチレビューとしてご紹介していきます。
正統進化したADIZERO BOSTON 13

「ADIZERO BOSTON 13」は、ジョグからレースまで幅広い用途で対応できるオールラウンドモデルで、フルレングスのグラスファイバー製5本指ロッド「ENERGYRODS 2.0」を搭載しています。ソール厚さはヒール部で36mm。従来よりも2ミリほど薄くなっています。
さらに前作よりも15gの軽量化に成功しており、それでいて、ミッドソールに使用する低密度高反発素材「LIGHTSTRIKE PRO」は13.8%も増量。これにより、高いクッション性を実現しており、フルマラソンの後半でも失速することなく、きちんと余力を残して走れます。
カーボンロッドでないの?と残念に感じる人もいるかもしれませんが、キロ4分よりも遅いペースで走る場合、カーボンロッドを十分にしならせることは難しく、トップランナーでもない限り、そのポテンシャルを100%引き出すことは困難です。
しかもカーボンロッドは反発が強いため、初心者から中級者レベルだと、スピードを出しすぎて後半に大失速する可能性もあります。サブ3を狙うくらいのレベルであれば、カーボンロッドよりも柔軟性を備えたグラスファイバーロッドのほうが走りやすく、タイムも狙いやすくなります。
ロジスティード陸上部の平林清澄選手は、ジョグシューズではなくペース走などのポイント練習で使用しているとのことで、トップレベルのランナーでも、スピードを出す練習で履けるほど高いポテンシャルを備えているのが、進化した「ADIZERO BOSTON 13」になります。
ロジスティード陸上部 平林清澄選手コメント

BOSTON 13のもっとも大きな進化だと感じたのはミッドソールのLIGHTSTRIKE PROの増加と内部形状の変化だと感じました。これにより5本指ロッドの反発をより馴染ませてくれているのだと思います。
また、踏み心地が足の裏全体で押し出せるような感覚になっており、反発だけでなく自分の足で押し出せる点が気持ちよく感じます。その中で、前足部のミッドソールとアウトソールは、より幅が広くなっており接地した際の安定感がかなり増したように感じます。
さらに、BOSTON 12から13への進化に伴いアッパーの通気性はそのままで、踵部分のクッション増加によりホールド感がかなり増したように感じます。ジョグなどの簡単な練習から、距離走・ペース走、またスピードも出せるという点でさまざまなシチュエーションでオールラウンドな活躍を見せてくれています。
ADIZERO BOSTON 13 商品概要
品番:JR4791(M)、JR4793(W)
カラー:フラッシュアクア/フットウェアホワイト/ルシッドレモン
価格:18,700円(税込)
重量(27.0cm):255g
ミッドソールドロップ:6.0mm (ヒール 36.0mm / 前足部 30.0mm)
販売開始予定:6月4日 10:00
URL:https://www.adidas.jp/アディゼロ-ボストン-13-adizero-boston-13/JS4945.html
ADIZERO BOSTON 13プチレビュー

本格的なレビューは後日行いますが、今回の「ADIZERO BOSTON 13 TOUR」では、平林選手と一緒に約10kmをキロ5分で走るグループで走ることができたので、そこで感じた「ADIZERO BOSTON 13」の魅力をプチレビューしていきます。
まず足を入れたファーストインプレッションは、「マイルド」だということ。今作から足首周りにクッションを配置したことで、履き心地がかなり優しくなっています。個人的にアディゼロはSL 2を愛用しているのですが、足に寄り添うスタイルはSL 2に通じるものがあります。
そして前作同様に軽量メッシュアッパーで通気性が高め。今回の「ADIZERO BOSTON 13 TOUR」は河口湖で実施されましたが、天気予報では最高気温が20℃となっており、かなり涼しい環境で走ることができたのですが、ひんやりした空気がしっかり足を冷やしてくれます。
冬マラソンに向けて、夏にしっかり走り込みをしたいランナーにとって、この通気性の高さは、それだけで選ぶ理由になるほど快適です(もしかしたら前作よりも空気が流れやすいかも)。新色のフラッシュアクアカラーも、夏の朝ランを爽やかにしてくれるデザインで、この夏に走り込みするランナーにおすすめです。

ただ、ランナーにとって本当に知りたいのは、走れるシューズなのかどうかですよね。前作から何が変わっているのか、買い換えるメリットがあるかどうか。10kmしか走れていないので、現段階でお伝えできることは限定的ですが、今だから伝えられることもあります。
まず重さですが、これについては「重くもあり、軽くもある」という曖昧な感想になります。200g台前半のADIZEROがあるため、「これは軽い」と表現するほと、軽いわけではありませんが、重くて振り回されるほど重いわけでもありません。しかも、足首周りのフィット感が高いのもあって、追従性が上がっているおり、重さを感じにくくなっています。
個人的にはあと20g以上軽い方が好みですが、重さと安定性はトレードオフであり、「最後まで安定した走りをサポートする」シューズとしての用途を考えれば、ちょうどいい軽さであるとも考えられます。
次に走り心地ですが、走り始めてから6kmくらいは、ソールが柔らかすぎて、どのように走っても、とても「快適」とは言い難い状態でした。前評判は高いと聞いていたため、「もっと走れるはず」と思いながらも、どうも足が乗ってこなかったのですが、6km過ぎから走りが明らかに変わりました。

何が変わったのかはわかりませんが、新品ということもあり、まだグラスファイバーロッドとミットソールが馴染んでいなかったのかもしれません。もしくは足が「ADIZERO BOSTON 13」に馴染んだか。いずれにしても、走れるようになってからは快適そのもの。
クセもなく、尖ったところもないので、シューズのよさを伝えるのが難しいという、逆の意味で困ったことになってしまいましたが、そのあたりは後日、しっかりシューズレビューするときに詳しくお伝えします。いまはっきり言えるのは、10km走っているうちにイメージが大きく変わったということです。
平林選手は「こらならハーフマラソンキロ3分で走り切れる」と言っていましたが、それくらい高いポテンシャルがあり、走りを安定させてくれる1足であることは間違いありません。ただ私のように、新品の状態で走り始めると違和感が出る人もいるかもしれません。
その場合、すぐに「自分に合わない」と判断するのだはなく、「ADIZERO BOSTON 13」を最適化するために、まずは10〜20kmくらいは慣らし運転ならぬ、慣らしランニングをする感覚で走り続けてみてください。きっと、気付かないうちに足に馴染んでいるはずです。
そして、日々のトレーニングをしっかりサポートしてくれる相棒として、これからの走り込みを支えてくれる存在になります。購入するかどうかで迷っている人の背中を、「足に合うなら間違いない」と全力で押したくなる。そんなハイポテンシャルな1足に仕上がっています。

アディダス アディゼロ 新色コレクション
2025年6月4日(水)より発売となる最新コレクションは、「ADIZERO BOSTON 13」以外にも5モデルがラインナップされています。それぞれのデザインをご紹介します。
ADIZERO ADIOS PRO 4

速さを引き出すレーシングシューズ
品番:JR1251
カラー:フラッシュアクア/ルシッドレモン/ミントトーン
価格:28,600円(税込)
重量:200g(27cm片足重量)
ドロップ:6mm(ヒール 39mm / 前足部 33mm)
販売開始予定:6月12日 10:00

ADIZERO PRIME X3 STRUNG

「ルール度外視」の新次元コンセプトシューズ
品番:JR2598
カラー:フラッシュアクア/ゼロメタリック/ルシッドレモン
価格:39,600円(税込)
重量:275g(27cm片足重量)
ドロップ:7mm (ヒール 50mm / 前足部 43mm)
販売開始予定:7月2日 10:00
ADIZERO EVO SL

軽量&高反発で推進力を引き出すランニングシューズ
品番:JS4506
カラー:フラッシュアクア/ルシッドレモン/ミントトーン
価格:19,800円(税込)
重量:224g(27cm片足重量)
ドロップ:6.5mm (ヒール 38.5mm / 前足部 32mm)
販売開始予定:未定

ADIZERO JAPAN 9

薄底&高反発で感覚を研ぎ澄ますランニングシューズ
品番:JH5243
カラー:フラッシュアクア/ルシッドレモン/ゼロメタリック
価格:17,600円(税込)
重量:177g(27cm片足重量)
ドロップ:7mm(ヒール 27mm / 前足部 20mm)
販売開始予定:6月12日 10:00

ADIZERO SL 2

軽量性と安定性を両立させたトレーニング用ジョグシューズ
品番:JR5121
カラー:フラッシュアクア/ルシッドレモン/ミントトーン
価格:14,300円(税込)
重量:232g(27cm片足重量)
ドロップ:10mm(ヒール 36mm / 前足部 26mm)
販売開始予定:6月4日 10:00
