デュアルバンドGPSで27,280円のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH FIT 5」をランナー視点でレビューしてみた

HUAWEI JAPANの2026年Q2新製品発表会で発表された、リーズナブルな価格のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH FIT 5」。なんと27,280円でデュアルバンドGPS搭載でデザインも美しいということで、気になっているランナーの方も多いはず。

そんな「HUAWEI WATCH FIT 5」をHUAWEI JAPANに提供していただきましたので、ランナー視点で購入すべきアイテムなのかどうかをレビューしていきます。

目次

日常生活に溶け込むHUAWEI WATCH FIT 5

まずは、HUAWEI WATCH FIT 5について、ランナー視点での率直な評価をお伝えします。HUAWEI WATCH FIT 5をランニングウォッチとしておすすめできるかというと「かなり悩ましい」というのが結論になります。

たとえば、健康のためにランニングをする。ランニングを毎日の習慣にして、心身ともにベストなコンディションで日常を過ごしたい。そんなランナーにとって、最適解とは言わないものの、それに準ずる魅力があります。

一方でサブ3やサブ3.5以上を目指して、シリアスにランニングと向き合っているランナーだと、その機能性や使い勝手という点で、どうしても物足りなさを感じています。

私はすでにサブ3を狙うステージから降りましたが、まだメンタル的にアスリート気質が残っているところもあるので、日常生活での使いやすさと、ランニングでの物足りなさの間で、HUAWEI WATCH FIT 5をメインのスマートウォッチにするかどうかで迷っています。

その点について詳しくレビューしていきます。

HUAWEI WATCH FIT 5のライバルはApple Watch

HUAWEI WATCH FIT 5はデュアルバンドGPSを搭載しており、ランニング時の計測精度の高さを売りにしていますが、製品としての立ち位置はランニングウォッチではなくスマートウォッチになります。

このため、ライバルはGarminやSUUNTOなどではなく、Apple Watchが競合になります。そういう意味では「HUAWEI WATCH FIT 5 Pro」のライバルが「Apple Watch Ultra」ということになります。

ライトな使い方をする場合には、「タッチ決済できないApple Watch」と表現するのが1番しっくりくるかもしれません。中国アカウントならAlipayのタッチ決済に対応しているため、「中国版 Apple Watch」ともいえるかもしれません。

いずれにしても重要なのは、ランニングに特化したアイテムではなく、ランニングのあるライフスタイル、健康的な生活を心がけたい人をサポートするアイテムということになります。

ワイヤレス充電に対応しているから充電もスマート

使っていて便利だと感じたのは、充電の回数が少ないこと。そして、充電方式がワイヤレス充電になっていて、スマートウォッチによくある「接点の不具合で充電できない」トラブルを回避できます。

置くだけで充電できるというのは、想像以上にスマートで快適です。HUAWEI WATCH FIT 4もワイヤレス充電に対応していたようですが、1度この充電方式を知ってしまうと、もはや元には戻れなくなります。

充電速度があまり速くないなどのデメリットもあるのでしょうが、使い勝手を考えるとあらゆるランニングウォッチがワイヤレス充電対応にしてもらいたいところです。

軽量でシンプルデザインだからストレスがない

HUAWEI WATCH FIT 5を使ってみて、感じたというか感じなかったのが「ストレス」でした。とにかく軽くて、そしてデザインもシンプルだから、本当に着けているのを忘れてしまいます。「着けていたっけ?」と気になって腕を見返したのは1度や2度ではありません。

それでいて、主張しないデザインだから、どんな服装にも合わせられます。かつてのHUAWEIは個性を重視しているからか、「なぜこうした?」というデザインになることが多々ありました。

同じ中国系のスマートウォッチでは、Xiaomiのほうがシンプルすっきりという印象がありましたが、少なくともHUAWEI WATCH FIT 5はシンプルでありつつも、上質さをエッセンスとして加えており、2万円台のスマートウォッチとは思えないほどの満足感があります。

それゆえにメインのスマートウォッチにしたいところですが、やはりランニングウォッチとして使おうとすると、物足りなさがあります。ファンランや健康のためのランならHUAWEI WATCH FIT 5でまったく問題ないのですが、シリアスランナーだと満足できない。

どういう理由でそう感じたのかを次章で詳しく解説していきます。

HUAWEI WATCH FIT 5を物足りなく感じる3つの理由

HUAWEI WATCH FIT 5を物足りなく感じる理由は次の3つ。

  • ディスプレイが小さい
  • ランニング中の情報を読み取りにくい
  • Runtripアプリと連携ができない

それぞれの理由について、もう少し詳しくお伝えします。

ディスプレイが小さい

HUAWEI WATCH FIT 5をランニングウォッチとして考えたとき、最大の利点になるのが「軽さ」です。私は手首がかなり細いので、少し大きなランニングウォッチを着けると、腕振りをするときにストレスを感じることがあるのですが、HUAWEI WATCH FIT 5はそれがまったくありません。

ただ、軽さとのトレードオフでディスプレイが小さくなっているため、ランニング中に必要な情報を読み取れないことがあります。

しかもベゼルが太いので、ディスプレイの表示範囲がさらに小さくなります。ベゼルの太さは今どきのスマートウォッチらしくなく、それもHUAWEIの製品だと考えると、もう少し何とかならなかったのだろうかと感じてしまいます。

ランニング中の情報を読み取りにくい

ディスプレイが小さいのも影響していますが、ランニング中のUIも改善してもらいたいところ。Apple Watchを意識してのUIにしているのか、「ペース・平均ペース・心拍数・距離・時間」が縦並びにフラットに表示されるので、自分の必要とする情報を読み取るのに集中力が求められます。

ただ、設定で表示内容を変えたり増減できるため、私は平均ペースを省いたところ、少しだけ見やすくはなっています。とはいえ、ランニングウォッチのUIほどではありません。

ディスプレイがスクエアタイプだから、他に選択肢がないのかもしれませんが、走っていて情報を確認するたびに、小さなストレスが貯まっていきます。

Runtripアプリと連携ができない

私はRuntrip PREMIUM Plus powered by Vitalityスマートに加入しています。このサービスについては、いずれレビュー記事を公開しますが、しっかり走っていればとにかくお得しかないのですが、残念ながらHUAWEIはRuntripアプリに対応していません(2026年6月1日現在)。

このため、HUAWEI WATCH FIT 5を着用して走っても、Runtripアプリのマイルが貯まりません(RuntripアプリにHUAWEIのスマートウォッチの広告が表示されているのにもかかわらず!)。

Runtripアプリを使っているランナーや、Runtrip PREMIUM Plus powered by Vitalityスマートに加入しているランナーは、それだけでHUAWEI WATCH FIT 5が選択肢から外れてしまいます。これはいずれ解消する可能性はありますが、少なくとも現時点ではランニングで使いづらいポイントになっています。

HUAWEI WATCH FIT 5のGPS計測精度

HUAWEI WATCH FIT 5の魅力と物足りなさを感じるポイントをお伝えしましたが、結局のところランニングウォッチとして1番大切なのは計測精度ですよね。そこで、実際に計測精度がどれくらい高いのか、おそらく日本で1番計測の難易度が高いであろう新宿の高層ビル群で計測してみました。

計測スタートは東京マラソンのスタート地点でもある都庁前。まずGPSの補足スピードですが、「とんでもなく早い」という結果に。おそらく2〜3秒でGPSをキャッチしました。これまでいくつかのランニングウォッチで試してきましたが、10秒以内に補足したのはApple Watch Ultra2以外では初めてのこと。

高層ビルに囲まれていますが、このあたりでの精度は高く、しかも横断歩道を渡ったのもきちんと計測し起動を描いています。ただ、どこでも高精度に計測できたかというとそうでもありません。

気になるズレ方をしたのは新宿駅南東エリアで、ここではまっすぐ走っているはずが、明らかに蛇行しています。また、伊勢丹裏の路地に入ったときにも蛇行しています。

これがとても悩ましいところで、悪条件なのでこうなって当然というところではありますが、デュアルバンドGPSでなおかつ評価の高いヒマワリ型アンテナシステムを搭載していることを考えると、少しモヤモヤが残ります。

1万円台の無名メーカーのスマートウォッチなら「許容範囲」と言えるのですが、HUAWEIの主軸アイテムだからこそ、心理的なハードルが高くなっていしまいます。

アンテナ設計を考えたとき(実はかつてアンテナの設計に携わっていたことがあります)、スマートウォッチの形状がスクエア型なのが、わずかながら影響している可能性はあります。そういう意味では、「HUAWEI WATCH GT Runner 2 ならもっと精度が高いのかな」と思ってしまうわけです。

実際に計測したら、HUAWEI WATCH GT Runner 2でも同じような結果になるかもしれませんが、ランニングに特化したモデルでないことが「スマートウォッチならこんなものかな」という感想に繋がってしまいます。

ただ、今回の計測でもシングルバンドGPSと比べれば確実に高精度ではあります。参考までにシングルバンドGPSのランニングウォッチで新宿周辺を走ったときの軌跡を掲載しておきます。

シングルバンドGPSでの計測結果

かなりガタガタになっているのがわかってもらえるかと思います。これを見るとHUAWEI WATCH FIT 5は実用上問題ない範囲で高精度だということも理解できますよね。ただ、もっと上があるのではと期待したくなるので、シリアスランナーが選ぶなら、HUAWEI WATCH GT Runner 2のほうがおすすめかなと。

HUAWEI WATCH FIT 5はランニングウォッチの入門機

HUAWEI WATCH FIT 5は、そつなく何でもこなせる優等生という印象で、飛び抜けた個性があるわけではありませんが、機能面でネガティブに感じることはほとんどありません。画面がもう少し大きいと嬉しいものの、それで重くなるなら今のままのほうがいいかなとは思います。

ただ、これからランニングウォッチとして使うかと聞かれると、少なくともRuntripアプリに対応するまでは「No」となります。普段使いは「HUAWEI WATCH FIT 5」で、ランニングするときには、Runtripアプリに対応したスマートウォッチといった感じで使い分けすることになりそうです。

Runtripアプリに対応したスマートウォッチ1本にすればいいのでは?と思うかもしれませんが、日常使いでの快適さを考えれば、「HUAWEI WATCH FIT 5」はかなり優秀です。スクエア型なので通知も読みやすく、軽いのでストレスもありません。

ではRuntripアプリに対応したら使うのか。これは悩ましいところで、実際にそうなってみないとわかりません。走っているときの自分のパフォーマンス確認をするのに、やはりもう少し大きなディスプレイと読み取りやすいUIのほうがいいような気もします。

周りの人におすすめできないかというとそうでもなく、これからランニングを始めるのにランニングウォッチをリーズナブルに購入したいというのであれば、「HUAWEI WATCH FIT 5」はありです。ただ、本格的に走って、マラソン大会にも出てみたいというなら、「HUAWEI WATCH GT Runner 2」かなと。

とはいえデュアルバンドGPS搭載で、しかもデザインが美しくて安っぽさのないスマートウォッチが2万円台で買えるのは魅力的。シングルバンドGPSのモデルから低予算で乗り換えしたいというのであれば、十分に選択肢になりえるスマートウォッチです。

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