ランナーがケガをする理由とケガをしないためにすべきこと

ほぼすべてのランナーに共通する悩み。それはケガではないでしょうか。真剣に走れば走るほどケガをするリスクが高くなるのが、マラソンの悩ましいところです。ランナーはそもそもなぜケガをするのでしょう?

体を鍛えているはずなのに、通勤に支障が出るようなケガをする人もいます。強くなってるはずの体が弱くなってしまう。それにはもちろん理由があります。ここではその理由、なぜランナーがケガをするのかについて説明します。

ケガのほとんどはオーバーワークによるもの

身も蓋もない話ですが、ランナーがケガをする理由はオーバーワークにあります。ランニングを始めたころは、練習をすればするほど速くなります。レースに出るたびに自己ベストを更新していきます。

そうなってくると、もっと速く、もっと長い距離を、といった感じにどんどん体に高負荷をかけていきます。この過程で体も走れるように変化していきますが、負荷の増量に対して、体の変化がついてきません。

関節が100の力に耐えられるとします。マラソンを始めた頃には、まだ上手く走れないので、50や60くらいの力しか出せませんので、関節は耐えられます。ところが、練習を積むことで徐々に70や80の力を出せるようになります。

そして、100を超えて力を出せるようになったとき、関節が耐えられない力をかけるようになってしまいます。関節はすぐに壊れるわけではなく、ジワジワと疲労がたまり、ある日突然ダムが決壊したようにケガが顔を出します。

実際には練習を積むことで、関節は100以上の力に耐えられるようになりますが、耐えられる力が増える速度よりも、出せる力が増える速度のほうが早いので、意識して耐える力を鍛えるか、出せる力を抑えないとケガをします。

でも、ランニングを始めたばかりのことはそんな知識がありません。このため、ランニングはきちんとしたコーチに習う必要がありますが、きちんとしたコーチも少なく、何よりもわざわざ習うなんてこと考えたこともないはずです。

そうして、自己流で練習を積み重ねてオーバーワークでケガをします。

体の癖もケガを引き起こす

ケガをしやすいランナーの特徴として、過去になんらかのスポーツを真剣に取り組んでいたというケースが目立ちます。どのスポーツでもどこかに特化した筋肉のつき方をします。そして、成長期にしていたスポーツは骨格の形成に影響します。

他の競技を真剣に取り組んでいた人ほど、体にランニングに適していないクセがついています。例えばサッカーをしていた人は、O脚になりやすく、O脚のランナーはアンダープロネーションになりやすいという特徴があります。

アンダープロネーションは踵が外側に倒れやすく、足裏の筋膜炎、シンスプリント、足首の捻挫などのケガのリスクが高くなります。

もちろんすべてのサッカー経験者がそうなるわけではありません。ただ、そのスポーツごとに最適化された身体のつくりになっていますので、それがランニングをするにあたって、ケガの原因となります。

このため、シューズメーカーはアンダープロネーションはアンダープロネーション用のシューズ、オーバープロネーションはオーバープロネーション用のシューズを選びなさいと言います。

オーバープロネーション:安定感のあるシューズを選ぶ
アンダープロネーション:クッション性の高いシューズを選ぶ

こんな感じです。そのようなシューズを履いて、強制的にニュートラルプロネーションの状態を作り出すわけです。これはケガを防ぐという意味では、ある意味正解です。でも、逆の状態も起こります。

自分の体に合ったシューズを選んでいない

オーバープロネーションしやすい人がクッション性の高いシューズを履くと、どうなるでしょう?言うまでもありませんが、ケガのリスクが高くなります。アンダープロネーションしやすい人が安定感のあるシューズを履いても同じです。

自分の体のクセや特徴に合っていないシューズを選ぶと、ケガのリスクは倍増してしまいますが、ランニングシューズを選ぶときに、それを意識しているランナーはほとんどいませんよね。

ほとんどのランナーが、履き心地の良さなどのフィーリングで選んでいるはずです。ケガを防ぎたければ、まずは自分の走りがオーバープロネーションなのか、アンダープロネーションなのかを知る必要があります。

そのうえで、その走り方に適したシューズを選びます。でも、ほとんどのシューズは「オーバープロネーション用です」とは書いてありませんので、しっかりとした知識のある店員さんと相談しながら最適な1足を選ぶ必要があります。

ケガをしないためにすべきこと

ケガを防ぎたければ自分の体に合ったシューズを選ぶことが理想です。でも本当に目指すべきところは、走りのクセをなくすことです。自分の体をランニングに適した筋力バランスに変えていくことで、ケガをしにくくなります。

でもこれはなかなか困難な作業です。大人になると体の癖というのは治りにくく、無理に治そうとすると、それがまたケガを引き起こします。かといって、自分の体に合ったシューズを履き続けていたら、本当に鍛えるべき筋肉が鍛えられることはありません。

ここがランナーにとっての分かれ道です。

自分の体に合ったシューズを履き続けるランニング人生を選ぶのか、シューズに頼らないカラダづくりを目指すのか。どちらが正しいということはありません。ただ、ケガをしたくないなら、どちらを選ぶのかは決めなくてはいけません。

これは、ランニングに対するスタンスの問題です。ランニングとどう向き合っていきたいか、自分にとってランニングとは何なのかと考えて、自分なりの判断を行いましょう。

シューズに頼らずにケガをしない体を手に入れる

RUNNING STREET 365としておすすめしたいのは、シューズに頼らないカラダづくりです。ニュートラルプロネーションの走りを手に入れることができれば、どんなシューズでも走ることができ、走りの楽しみが増えます。

でも、その道は簡単ではありません。最初にお伝えしましたように、地道な身体の強化が必要になります。自分の弱い部分をしっかりと鍛えて、オーバープロネーションやアンダープロネーションにならない体を作ります。

その方法についてはここではお伝えしませんが、YouTubeなどでトレーニング方法をチェックしてみましょう。

このカラダづくりには1年以上の時間がかかります。何十年もかけて作り上げた身体をテコ入れするわけですから、本来ならそれと同じ時間をかけないとナチュラルな状態には戻すことはできません。

手っ取り早いのはベアフット系のランニングシューズで練習することですが、いきなりベアフット系のシューズに切り替えると、これまで使っていなかった筋肉に大きな負荷がかかり、真面目に練習する人ほどケガをします。

最初の1週間は練習の1割だけベアフット系、2週間目は2割といった感じで、10週かけて切り替えをしていきましょう。ただし、10週というのは週3日以上は練習をする前提で。

1週間に1回しか練習しないのであれば、ベアフット系のシューズはおすすめしません。地道に筋トレをすることをおすすめします。それも週3日は必要になりますが。

いずれにしても、シューズに頼らないカラダづくりをするには覚悟が必要です。本気で取り組むかどうか。体を変えるというのはダイエットもそうですが、強い意志がないとできません。

やるのは自分です。決めるのも自分です。

シューズを履いてケガを防ぐという考え方を責める人は誰もいません。むしろ賢い判断とも言えます。ただ、きちんと自分の体の癖にあったランニングシューズを選ぶことだけはこだわるようにしてください。