データで分かるサブスリー達成の『ランナーの3つの壁』

市民ランナーにとっての憧れは、男子ランナーのサブ3、女子ランナーのサブ3.5ですよね。いつかはそのタイムで走ってみたいと思いながらも、なかなかその領域に手が届かないという人も多いかともいます。

あと数分のところで足踏みしているという人もいますよね。あれこれ練習方法を変えてみたり、ランニングシューズを新しいものにしてみたりと、あれこれ試しながらも結果が出ない。

そうなると自分に才能がないのではないかと、自身を失ってしまいがちですですよね。でも、サブ3やサブ3.5に届かない理由がトレーニングの量や質にあるとしたら、どうでしょう?

アスリートのためのソーシャルネットワークサービスを提供するSTRAVAの分析によると、サブ3やサブ3.5を達成した人と、そうでない人の練習に明確な違いがあることが分かりました。

そのデータを元に、サブスリーを達成するためにどんな練習をすればいいのかについてご紹介していきます。

目次

週間トレーニング時間5時間の壁

レース本番まで12週間の走行時間の週平均値

男性
サブ3.0:5時間33分21秒
サブ3.5:4時間18分24秒
サブ4.0:3時間30分14秒
サブ4.5:2時間57分45秒

女性
サブ3.5:5時間27分29秒
サブ4.0:3時間57分48秒
サブ4.5:3時間28分37秒

完走タイムが速い人ほど週間走行時間が長くなる傾向にあり、男性のサブ3、女性のサブ3.5を達成しているランナーの週間走行時間平均は、いずれも5時間を超えています。2日の休養と考えてると、1日に1時間以上のトレーニングが必要です。

大会直前のトレーニング時間が短くなることを考えると、サブスリー達成には週6時間くらいの練習時間を確保しておきたいところです。

週間トレーニング回数5回の壁

レース本番まで12週間のトレーニング回数の週平均値

男性
サブ3.0:5.87回
サブ3.5:4.36回
サブ4.0:3.38回
サブ4.5:2.84回

女性
サブ3.5:5.55回
サブ4.0:3.78回
サブ4.5:3.06回

男性のサブ3や女性サブ3.5を達成するランナーは1週間で5回以上のトレーニングを行っています。練習時間と合わせて分かるのは、1日1時間のトレーニングを週5日以上の練習をしているということです。

これはトレーニングが習慣化できていることを示しています。「今日はトレーニングをしよう」というのではなく、基本的には毎日1時間のトレーニングを行うこと。その習慣化に成功した人がサブ3やサブ3.5を達成しています。

週間走行距離60kmの壁

レース本番まで12週間の走行距離の週平均値

男性
サブ3.0:66.81km
サブ3.5:49.25km
サブ4.0:37.50km
サブ4.5:30.62km

女性
サブ3.5:60.58km
サブ4.0:40.49km
サブ4.5:33.75km

速くなるために距離を積む必要はないという考え方もありますが、それは月間走行距離が500kmや1000kmになるような世界の話です。市民ランナーは1回のトレーニングで10km以上は走る必要があり、月間走行距離なら250−300kmは必要になります。

ある程度走力がついた後は別として、サブ3やサブ3.5を狙うのであれば、少なくとも1週間で60kmを走るようにしましょう。ただ、それも1日10kmでいいと思えば、それほど難しくはないはずです。

3つの壁から分かること

上記の3つの壁から分かることは、原則として毎日走ることが必要だということです。ただし、1日10kmを6〜7日間走るという練習方法ではいけません。大事なのは練習にメリハリを付けることです。

20km走などを入れる日もあれば、インターバルのように短い距離のトレーニングをする日もいれるなど、走行距離に変化をつけることも大切です。単純に週2回のスポット練習と週4回のリカバリーラン、そして週1回の休足日を入れる。という考えて良いかと思います。

このような距離や練習の質に変化をつけることで、徐々に42.195kmを走れる体が作られています。

サブスリーまであと少しという人は、自分の練習と比べてみましょう。1週間でどれくらいの練習をしていますか?練習回数は足りていますか?そして、メリハリのある練習はできていますか?まずは自分の現状と比較してみましょう。

もし自分に特別な才能がないのであれば、まずはこの3つの壁を突破することを目指してください。ただし、いきなり回数や距離を増やすとケガをするおそれがありますので、ゆっくりと時間をかけて量を増やしていきましょう。

ちなみに、1人で走るよりもラン仲間と一緒に走る人のほうが、1回あたりの走行時間が伸びる傾向にあるというデータもあります。自分だけで長い距離を走るのが苦手という人は、練習会などに参加するという方法がおすすめです。

ペースをいかにして一定にするかも重要

STRAVAの分析にもうひとつ面白いデータがありました。

昨年、都内で開催された国内最大のマラソン大会の同日に同じコースを走ったランナーのSTRAVA上のデータを分析したものが上記のグラフになります。

このコースは前半に下り坂、後半に小さなアップダウンがありますが、比較的フラットなコースです。ところが、10km、18km、25kmといったフラットな場所であるにも関わらずペースの乱れがどのレベルのランナーにも発生しています。

また、どのレベルでも残り5kmでも失速が見られます。明らかに前半を飛ばしすぎていることが分かります。サブ3やサブ3.5を達成したいのであれば、後半の失速をいかに防ぐことができるかが重要になります。

もしくは前半にキロ4分で入り、それを30kmまで維持する。あとはタイムの貯金を少しずつ使いながら、最後まで粘った結果がサブ3につながるという考え方もあります。

イーブンペースでいくか、後半失速を意識してポジティブスプリットにするかは、自分に適したスタイルを選んで構いません。ただサブ3やサブ3.5を達成したいなら、必要以上にペースの上げ下げをしないことだけは意識して走りましょう。

まとめ

以上がデータから分かるサブ3・サブ3.5を達成するためのポイントになります。これはあくまでも平均値ではありますので、すべての人に適用されるわけではありません。ただ、これくらいの練習量が必要だと分かってもらえたかと思います。

走った距離は嘘をつかないと言われてきましたが、データからもそれがはっきりと分かります。サブ3やサブ3.5だけでなく、サブ4でもそれに応じた練習量が不可欠なことが分かります。

小手先のテクニックやランニングアイテムでなんとかなる世界ではなく、まずはとにかく練習することです。

仕事が忙しくてそれどころではないという人も多いかと思いますが、STRAVAのようなSNSアプリを活用して、高いモチベーションを維持して目標達成に向けてのトレーニングを積み重ねてみましょう。

STRAVA:https://www.strava.com/


Stravaとは
STRAVAは、195カ国以上から3,600万人のアスリートが集まるソーシャル・ネットワークサイトです。記録できるアクティビティは32以上あり、300種類以上のGPSデバイスに対応しています。

毎週1,500万件のアクティビティが投稿されていて、1秒に20件が投稿されています。2009年にサービスが始まり、2018年12月時点で投稿件数は20億件を超えています。

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