ランニングの消費カロリーはどれくらい?走って痩せるが難しい理由

ランニングの消費カロリーはどれくらい?走って痩せるが難しい理由

痩せるために走り始めた人には、少し悲しいお知らせです。ランニングでの消費カロリーはかなり少なく、走っただけで痩せようと思うと、かなりの時間がかかってしまいます。

体重60kgの人がキロ6分で30分走ったときの消費カロリーは、どれくらいあると思いますか?答えは315kcal程度になります。そこそこの消費カロリーになると思うかもしれませんが、脂肪量としては44gにしかなりません。

信じられないかもしれませんので、計算式を元に説明していきましょう。

ランニングでの消費カロリーの計算式

ランニングでの消費カロリーの計算式は次のようになります。

消費エネルギー=1.05×身体活動のメッツ×時間(h)×体重(kg)

ここでよくわからないのが「身体活動のメッツ」かもしれません。身体活動のメッツは運動の強度を示す単位で、安静時に対してどれくらいのエネルギー消費になるかを表しています。例えば3METSの場合には安静の3倍のカロリーを消費します。

ランニング時のMETSは国立健康・栄養研究所の『身体活動のメッツ(METs)表』によると下記のようになっています。

8.4km/時(7分8秒/km):9.0METS
9.7km/時(6分11秒/km):9.8METS
10.8km/時(5分33秒/km):10.5METS

キロ6分は時速10kmですので、ここでは10METSと推定して計算してみます。

1.05×10METS×0.5h×60kg=315kcal

消費カロリーは315kcalになることが分かってもらえるかと思います。1kgの脂肪を落とすのに7200kcalの消費が必要になりますので、315kgの消費カロリーで消えてなくなる脂肪は次のように計算できます。

315÷7200=44g

体重60kgの人がキロ6分で30分走ったとすると、消費カロリーは315kcalで44g軽くなります。仮に1ヶ月30日間30分のランニングを継続したとしても、体重は1.32kgしか減りません。

もちろん、練習時間を倍にすれば消費カロリーも倍になり、1ヶ月で2.64kg落とすことができます。ただし「食事の量を増やさなければ」という条件がついてしまいます。実はここにランニングで痩せない最大の理由が隠されています。

ランニングで痩せないのは当然だと考える

ランニングをするとお腹が空きます。これは人間が動物である以上、避けては通れない生理現象のようなもの。「運動したから少し多めに食べていいや」とごはんを1杯おかわりしたら、ご飯1膳普通盛りで235kcalも摂取することになります。

315kcalを消費したのに235kcalを摂取したら、差し引きで80kcalにしかなりません。80kcalを脂肪にすると11gです。1ヶ月30日継続しても330gの減量にしかなりません。ほとんど誤差の範囲で本当に痩せたのかどうかすらわかりません。

ですので、ランニングで痩せたいのであれば摂取カロリーを増やさないことが前提条件になってしまいます。でも、実際には練習前に間食する人も多く、走ったあとはごはんだけでなくお酒も呑む機会が増えていきます。

もし本気で痩せたいなら、消費カロリーだけでなく摂取カロリーを徹底して管理する必要があります。低カロリーの食材を選ぶなどの工夫も必要になります。ただ、知識もなく単純に摂取カロリーを減らすと、栄養失調になるリスクも考えられます。

健康になるためにランニングを始めたのに、栄養失調で倒れてしまったのでは何をしているのかわかりませんよね。

ランニングで痩せないというわけではありませんが、目に見えて痩せるためには1ヶ月に300km程度は走らなくてはいけませんし、食事管理もしっかりと行う必要があります。


もしランニングで健康になりたいなら、体重のことは忘れてしまうのがおすすめです。長い目で見れば痩せることもありますが、毎日体重計の乗っていると、なかなか減らずに「もう嫌だ」となってしまいます。

それよりも、ゆっくりと時間をかけて走れる距離や時間を伸ばしていく。そしてハーフマラソンくらいを無理なく走れるようになること。それって十分に健康な証拠です。少なくとも適正体重以下だけど1kmも走れない人よりは。

ダイエット目的でランニングを始めた人には、30分のランニングで消費カロリーが300kcal程度しかないというのは少しショックな内容かもしれません。でも、走ればきちんと健康に近づきます。大事なのはコツコツ継続していくことだと覚えておきましょう。

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