冬のマラソンは低体温症に注意!走っても体が冷える理由

snow-1834549_640

夏場は熱中症に注意して走るというのは、ランナーの中ではもはや常識となりつつありますが、意外と知られていないのが冬場の低体温症です。この低体温症は熱中症と同様に、命を落としてしまうこともあるほど危険な状態です。

実際にマラソンなどでは低体温症による失速というシーンが時々あります。2015年の箱根駅伝の5区で、トップの駒沢大学の選手が低体温症で、フラフラになりながらゴールしたシーンを覚えている人もいるかと思います。

一般のランナーでそこまでならないにしても、低体温症でリタイアする人は珍しくありません。ここではマラソンやランニング中に注意したい低体温症の基礎知識と、その対処法について紹介します。

低体温症ってどういう状態?

thermometer-70598_640

低体温症は、体温が35℃以下になる状態のことをいいます。35℃以下だったらいつもの自分の体温と同じだと思う人もいるかもしれませんが、表皮温度ではなく、体の内側の温度ですので、例えば直腸温度が35℃以下だと考えてください。

35〜33°C 軽度
33〜30°C 中度
30〜25°C 重度
25〜20°C 重篤
20℃以下 非常に重篤

直腸温度が35℃を下回ると、体は震えることで熱を発生させようとします。冬の寒い日に体が震えている状態は、まさにこの軽度の低体温症になっていると考えてください。

直腸温度が30℃以下になると不整脈になり、しかも手足の末端にまで血液が流れない状態になるため、非常に危険な状態になります。呼吸の機能も低下してしまうため、体内では酸素不足の状態になります。

ランナーが低体温症になるメカニズム

runners-1829201_640

低体温症は分かったけど、走っていたら温かくなるじゃないと思う人もいるかもしれません。そうです。通常はランナーが低体温症になることはほとんどありません。特にゆっくりペースでうっすら汗をかく程度のスピードの場合はあまり危険ではありません。

ランナーが低体温症になるのは次のようなケースになります。

・大量の汗をかいている
・雨や雪が降っている
・薄手のウェアを着ている
・気温が非常に低い状態にある

簡単に言えば、体内での発熱に対して、外から冷やすスピードのほうが早い場合に低体温症になります。トップランナーは冬でも薄手のランニングシャツと短パンですので、肌の露出が多くなってしまいます。

スピードをあげることで肌が濡れた状態になり、スピードが出ているため風が吹いている状態と同じでどんどん皮膚から体温が奪われていき、トップランナーは低体温症になってしまうのです。

速くないランナーでも低体温症になるケース

winter-1774133_640

なんだ、トップランナーだけに起こることかと安心しないでください。同じような条件になれば、普通のランナーも低体温症になります。

例えば雨の日や雪の日のレースで、風も強く吹いている日。特にスタートの待機をしているときが非常に危険です。ウェアをしっかり着込んでいる人はいいのですが、冬でもTシャツ一枚で待っているランナーは多いかと思います。

このとき、体は人体を守るために、指先などを収縮させ血液を送れない状態にして、いのちを守るために内蔵などに血流が行くことを優先しています。

この状態でスタートをすると、手足の末端にの収縮が解除され、そちらの血が流れるようになるのですが、そうなると内臓側に流れていた血が不足することになります。そのため、走り始めて気持ち悪くなったり、寒さを感じたりします。

このように低体温症はトップランナーでなくても起こりうるのです。

低体温症から体を守る方法

tea-438480_640

それでは低体温症から体を守る方法について紹介します。

寒い日のスタート前は肌を露出させない

まず重要なのはスタート前に肌を露出させないことです。Tシャツで走る人は、ビニールポンチョなどを利用して、スタート待機中に肌から体温を奪われないようにしてください。ポンチョはスタートしてから最初のエイドのゴミ箱に捨てるか、回収しているスタッフに渡してください。

絶対にその場に捨てるようなことはしないでください。後方のランナーの足に絡まってケガをする恐れがあります。

ミズノから折りたたむとウエストポーチになるジャケットが発売されています。このようにウェアを持って走ることも有効ですので、とにかくスタート前に体を冷やさないようにしてください。


ランニングウィンドブレーカーシャツ
楽天市場:ミズノ 陸上ウエア ランニングウィンドブレーカーシャツ

水分補給をしっかり行う

寒い日に忘れがちなのが水分補給です。脱水状態になると低体温症になりやすいため、特に完走した冬場は思った以上に水分が抜けていますので、エイドではこまめな水分補給を行うようにしましょう。

本格的に震えが止まらない場合は水ではなく温かいスープやココアを選びましょう。何もない場合は缶コーヒーでもいいのですがコーヒーは利尿作用がありますので、できれば他の温かいドリンクを自販機などで購入しましょう。


経口補水パウダー
楽天市場:経口補水パウダー ダブルエイド(6g*10包)

雨の日は防水・撥水のグローブを使う

雨の日のマラソンで、気温が低い日は防水・撥水のグローブを使いましょう。ときどき軍手を手袋代わりにしている人がいますが、雨の日でなければコストパフォーマンスが高く便利なのですが、雨の日は水を含んで手を冷やすことになります。

雨の日のグローブは水を含まないものを選ぶようにしてください。同様に靴下もできるだけ速乾性の高い靴下を選ぶようにしてください。



インナーウェアを着る

インナーウェアも低体温症対策には有効です。スピードをそれなりに出すランナーは汗を吸い取るインナーウェアを選び、それほどスピードを出さないランナーはコンプレッションタイツなどを利用してください。

肌をできるだけ乾いた状態に保つことで、肌からの体温低下を防ぐことができます。反対に冷たい雨が降る日に綿のTシャツなどは絶対に着ないようにしてください。参加賞などでもらえる化繊のランニング用Tシャツを使って、衣類が水を含まないようにしてください。



マラソン中に低体温症にならないためのまとめ

基本的な考え方は「体を濡れた状態で冷たい空気を当てないようにする」ことになります。とはいえ雨の日のマラソンではどうしても、濡れてしまいます。スタート前の待機時間などは非常に危険です。

スタート前はできるだけ肌の露出は避け、ビニールポンチョや薄手のウインドブレーカーなどで体を冷やさないようにしてください。

水分補給も忘れずに行うようにしてください。体が震えるようなら、体内から温める必要があるので、自販機で温かい飲み物を買いましょう。そのために小銭を持って走るようにしましょう。

撥水性の高いグローブや靴下、そしてインナーウェアを有効に使って、体の表面が濡れた状態にならないように心がければ、マラソン中の低体温症を防ぎやすくなります。

ただし意識が朦朧としたり、走っているのに体の震えがまったく止まらなかったりして、体が温まらないときはレースを棄権することも考えてください。無理に走ることで最悪の状態になることもありますので注意してください。

スポンサーリンク

スポンサーリンク