日本一早いマラソンレポート「第17回新宿シティハーフマラソン」

おそらく、日本で1番大規模な区民マラソン(市民マラソン)かもしれせん。第17回新宿シティハーフマラソンが新宿で開催されました。ハーフマラソンには4500人のランナーが参加し、10kmには2500人が参加しています。

新宿区の大会ですので、やはり主役になるのは新宿区民で、募集時には区民枠があるなど優遇措置が取られています。

ただアクセスのしやすさもあって、都内のランナーだけでなく関東圏全域からランナーが集まる大会です。クリック合戦が行われる大会ですが、15分もかからずに店員が埋まるのだとか。

なぜそこまで人気が高いのか。それを知りたくて神宮外苑に足を運びました。

まず気づいたのはスタッフの多さです。新宿区の大会ですので、単純に考えればスタッフのほとんどが区民ということになるはずです。学生のボランティアさんも新宿区にある学校の生徒なのかも知れません。

陸上部という雰囲気ではない人も多かったので、公募で集まったのでしょう。これだけの人数が集めることができるのは、大会関係者があちこちに呼びかけを行った結果であり、17年もの歴史が培ってきたものかもしれません。

コースのすべてを見れたわけではありませんが、新宿御苑北側のトンネルとそこから神宮外苑に戻るあたりは、かなりのアップダウンがあります。フラットに見える神宮外苑ですら実際には傾斜があり、実際にはかなりタフなコース設定。

しかも21kmをうまく確保するために、周回コースになっています。それぞれの周回は基本的には違う場所を走りますが、外苑トンネルから神宮外苑に向かうコースでは、2周目と3周目のランナーが重なります。

このため、速いランナーと歩いているような速度のランナーが重なり、そこでぶつかりそうになるシーンが発生しています。おそらく、実際にぶつかった人もぶつかられた人もいるはずです。

抜く側も抜かれる側もあまりないシチュエーションですので、うまく噛み合わないのでしょう。経験の少ないランナーは思わぬ動きをします。急に立ち止まるだけでなく、横に動くことも珍しくありません。

1車線開けるとしたいところでしょうが、そうすると給水が難しくなるんで、ランナーの自主性に任せているのかも知れません。

また、後方のランナーは何度か走行を止められていたようです。歩行者を優先的に横断させるためにタイミングをみてランナーを止めているためです。これは以前から、新宿シティハーフマラソンの良くないところとして挙げられています。

これに関してはランナー側にしてみれば「何でだよ」となるかとは思いますが、マラソン大会が多くの人に迷惑をかけているという意識も、頭の片隅に置いておいてもらえればと思います。

このコース取りを見てもらえば分かりますが、外苑東通りと外苑西通りの間、新宿通りの南側の人たちは陸の孤島状態になります。何箇所か陸橋がありますが、ベビーカーなどが必須の人には酷な話です。

実際にベビーカーを押したお母さんが道路を渡れなくなって困っていました。それに大会スタッフが気づいて、ベビーカーをスタッフ2人で持ち上げて、陸橋を渡ったシーンもありました。

「マラソン大会があるから家から出ないでね。」というのはランナーの勝手です。

大会を継続していくには、地元の人への理解を求めつつも、どこかで柔軟な対応もしていく必要があります。止められたくないランナーの気持ちも分かりますが、ここは「走らせてもらっている」気持ちも持ってもらいたいところです。

そのランナーですが、見ているとしっかりと練習をしてきたというのが伝わってきます。実際には練習できてない人もいるのでしょうが、新宿シティハーフマラソンを走るランナーの質がかなり高いような感じがします。

速さは人それぞれですが、後方のランナーでも普段からきちんと走っているのが走り方や体つきで分かります。15分のクリック合戦に挑み、それに勝ってきたわけですから、東京マラソンのように「当たったら考えよう」というのとは違います。

自分の意志で目標を立て、自分の意志で練習を積み重ねている。そんな真面目なランナーがかなり多く、沿道からただ見ているのが楽しいレースでした。

スタート直後の緊張した表情。練習してきたものをすべて出しきろうという決意がにじみ出ています。だからこそ、歩行者のために止められるのが許せないのかもしれません。でも、それとこれは別の問題です。

ひとつだけ止められないコツを教えておきます。前の人との間にスペースを作らないことです。警備の方は無闇に止めているのではなく、ランナーが来るまでの少しの時間に渡らせようとします。

だから人が渡る交差点手前では、前との隙間を開けないようにします。これを意識するだけでも止められる確率が、かなり下がります。

運営する側も嫌がらせをしているわけではなく、その場その場でそれぞれが責任を持って判断し対応しています。とても区民マラソンとは思えない、的確で柔軟性のある対応をしています。

それが、新宿シティハーフマラソンの魅力を支えています。

0次関門の突破が最も難関になっている大人気の大会。それはアクセスしやすいというだけでなく、集合からレース後まで、ストレスをほとんど感じることなく参加できるという点も理由として挙げられます。

そして、それを支えているのが大会の運営スタッフです。

100点満点の大会かと言われると、そうではありません。でも、誰かが手を抜いているわけではなく、できる範囲内で一生懸命に対応しています。ランナーに気持ち良く走ってもらい、地元の人たちに叱られないための柔軟な対応もしています。

走る人と走らない人の共存。それが新宿という世界的にも大きな街で開催される区民マラソンのあるべき姿だと思います。

それに同意できる人が参加する。新宿シティハーフマラソンはそういう大会です。実際に大会パンフレットの注意事項に下記の記載があります。

交差点や横断歩道では歩行者や軽車両の横断 があり、ランナーの徐行またはストップを求める場合があります。ご理解いただける方のみご参加いただけます。

これ以上は無粋になるの書きませんが、ランナーとしてではなく外から見てみると、新宿シティハーフマラソンはいろいろな魅力が見えてきた大会でした。これからも、さらに高い人気が続くことは間違いありません。

厳しいコースですが、自己ベスト更新を目指すこともできますし、フルマラソンに向けての調整レースにも適しています。1年に1度、自分がハーフマラソンを走れるのを確認するために出るのもいいでしょう。

出場権を得るためのクリック合戦を勝ち抜く必要がありますが、その戦いに挑むだけの価値がある大会です。大会の方針に同意できるというランナーさんは、ぜひ新宿シティハーフマラソンに挑戦してみてください。