日本一早いマラソンレポート「鹿児島マラソン2019」

今年の鹿児島マラソンは東京マラソンと同日開催となりましたが、スタート直前に桜島が噴火するというミラクル演出で始まり、最終的には小雨がぱらつく天気にはなったものの、最高のコンディションでの開催となりました。

ただ、鹿児島マラソンを語る上で忘れてはいけないのが前夜祭の存在。3年連続雨の中での前夜祭になりましたが、今年は11の酒蔵が振る舞い酒を提供し、ランナーや応援者、そして地元の人たちを盛り上げてくれました。

11社の焼酎が飲み放題なんですよ。それも無料かつ、そのうちのいくつかはおみやげの小瓶までついています。太っ腹というレベルを通り越して、何がなんだかわかりませんが、天文館の特設ステージ周りは今年もしっかり賑わいました。

その前夜祭、なぜか参加者にも知られておらず、周りのランナーに聞いてみると「知らない」というわけです。これはかなりもったいないなと思いながらも、適度に踊れるくらいの来場者の数を楽しみましたが。

そしてレースのスタートです。
振る舞い酒をいただいたランナーのほとんどが、芋臭かったかもしれません。

1万人の参加者で、最後尾のスタートまで10分ちょっと。あまり語られることがありませんが、鹿児島マラソンのこのスタートのスムーズさはかなり優秀です。気温が低くないのもランナーに負担をかけなくて嬉しいところです。

ただし、後方からのスタートにをして、前に上がろうとすると、ペースランナーの後方がかなり混雑するため、追い抜きに苦労します。とはいえ、前半はフラットな路面ということもあり、全体のペースは速めです。

無理な追い越しをせずに、ペースを維持するのが正解です。

5km地点。最初にランナーをお迎えするのは私設エイドでいただける、鹿児島黒牛の焼き肉です。年々味が良くなっている気がします。公式エイドではなく、敷地内に入らなくてはいけないので、スルーする人も多いのですが、これは絶対食べるべきエイドです。

前半に肉というのもやや重いのですが。

ただ、公設エイドもそれに負けていません。10kmもいかないうちに、水まんじゅうと両棒餅のエイドがやってきます。これは8.9kmファンランの人も、地元の名産品を楽しんでもらおうという配慮でしょう。

鹿児島マラソンの名物といえば、高校生ボランティアによる声援とハイタッチです。これまでも多くのランナーを支えてくれましたが、今年は5割増しくらいだったかもしれません。何があったのかは分かりませんが、いつも以上に弾けていました。

本当にありがたいことです。1095日しかない高校時代の大切な1日を、マラソンランナーのために使う。自分ではない誰かを主役にするために、声を張り上げる。申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちが入り混じります。

救われた気持ちになるのは、彼ら彼女らが本気で楽しんでいるように見えるといことです。この中からいつかフルマラソンを走る人もいるのでしょうし、もしかしたら東京に出て有名な俳優さんやアイドルグループのメンバーになる人もいるかもしれません。

どんな道を選んだとしても、きっとこの日のことを覚えていてくれるんじゃないかと思うと、自然と足が前へと出ていきます。

ところが、そんな気持ちとは裏腹に、今年は後半に失速するランナーが続出しました。思ったよりも気温が高くなってしまったからか、それとも走りやすくてオーバーペースになったのか。

自分をうまくコントロールできない。フルマラソンではよくある失敗ですが、今年はかなりの人が、その状態におちいっていました。そもそもフルマラソンは鹿児島マラソンしか走らないという人も多いのかもしれません。

もちろん、きちんと最後まで走りきったランナーさんもいます。市街地に戻ってくると、沿道の声援が戻ってきますので、走るモチベーションも高まります。地元の人たちから「おかえりなさい」の声を受けると、42kmの旅が報われるような気持ちになります。

コース設定上、応援が難しい場所もありますが、鹿児島市街地だけでなく、折返しのある姶良市内でも、大規模な私設エイドや、沿道の声援によるおもてなしをうけることができる。そして応援が難しい場所では学生ボランティアさんが盛り上げる。

これこそ、鹿児島マラソンの魅力です。

小さな子どもから、おじいちゃんおばあちゃんまで。まさに老若男女が沿道に集い、知り合いのランナーだけでなく、すべてのランナーに声をかける。鹿児島マラソンはまだ4回目の開催なのに、すでに地元に根付いているようです。

もちろん、すべての人が協力的ではないのかもしれません。交通網はかなり乱れてしまいますし、たった1日でも不便な状態になるわけです。でも、「友だちが走るから」「職場の同僚が走るから」と沿道に出てきてくれるわけです。

鹿児島の人たちには、日本人が失いかけた仲間を大切にする文化というのが、まだ根強く残っているのかもしれません。そういえば、友人や仲間で参加しているランナーがかなり目立ちました。

マラソンは孤独なもの。そういう印象を持っていましたが、鹿児島マラソンを走ると、少しその印象が変わります。みんなと走ってもいいし、大切な人と走ってもいい。自分のペースではなく相手に合わせて走るマラソン。

そこには、タイムだけでは表すことのできない達成感があるのかもしれません。力を合わせてゴールをするというのは簡単ではありません。でも、1人じゃないから苦しくても耐えられる。

鹿児島マラソンはまだ4回目。ここから鹿児島らしさが出てきて、さらに魅力的な大会へと成長していくのでしょう。東京マラソンと同日開催ではありますが、東京マラソンにはない魅力があります。

ちなみに、今年はゴールして終わりではありません。

なんと鹿児島マラソンは、今年から後夜祭も行うことになりました。前夜祭に間に合わなかった人や、勝負レースにしているので前日に呑めなかった人のために、始めたのでしょうが、本当にお酒が好きなんだなと感心します。

やはりこの風景もお伝えする必要があるでしょうから、取材に行ってきます。決してただ酒を飲みたいわけでは……味見するだけですよ。レポートしなきゃいけませんしね。とりあえず、ここでは前夜祭の写真でお茶を濁す感じで……

今年から後夜祭もあるんだよと、覚えておいてもらえれば。

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