日本一早いマラソンレポート「第56回愛媛マラソン」

愛媛マラソンは、2010年からトップアスリートのための大会から市民マラソンへと移り変わりました。その2010年には定員割れをしたマラソン大会は、いまでは、日本でトップレベルの人気の大会です。

今年のRUNNETの評価をチェックしても、100点満点の評価をしている人がかなり多くいます。低評価でも60〜70点あり、さらにその理由が「寒かった」というように、大会の開催とはそれほど関係のない部分での評価でした。

RUNNETの評価というのは気候で10点くらいは簡単に変わります。今年はスタート前の気温がとても低く、冷たい風が吹く中での開催でした。それが大会の評価に影響を与えています。愛媛マラソン以外でも、悪天候のレースはプラス10点くらいの評価となると考えて下さい。

ところが愛媛マラソンはプラス10点にすると100点を超えてしまいます。おそらく2018年大会はここ数年では最低の評価が出るとは思いますが、実際には非常に高いクオリティを維持しています。

実際に今年はおそらく1℃くらいの気温でのスタートでした。ゲストランナーの渋井陽子選手は「市民ランナーのみなさんが、こんな寒い中、1時間近くも我慢してまで走るのはなんでだろう」ということを言っていたくらいの低い気温、強い風の中スタートしました。

毎年ゲストランナーとして多くのランナーを支えいた、高橋尚子さんはいませんでしたが、ことしは芸人の猫ひろしさんがハイタッチランナーの代役です。昨年のように川内優輝選手もいませんが、現役箱根ランナーが参加しています。

それでも寒さに耐えかねて、沿道の声援が少なくなるのではという危惧は杞憂に終わりました。気温が1℃前後だったにも関わらず、昨年ににも負けないくらいの沿道の声援です。

前日の予報では10メートル近い風が吹く予報でしたが、風は西風だったこともあり、常に向かい風ではあるものの、強烈な向かい風にはならず、当初予想されていた厳しい環境でのレースにはなりませんでした。

小さな子どもが全力で声を出して、ランナーをサポートしてくれます。その声に力をもらったランナーは少なくないはずです。

コースは前半の7kmと後半の5kmはほぼフラットですが、それ以外は小さなアップダウンが繰り返されます。ただ、このコースを「厳しい」と言うことは、昨年の川内優輝選手が2時間10分を出したことで、誰も口にすることができなくなりました。

愛媛マラソンに参加する選手の多くは、地元の人たちです。この大会しかマラソン大会に出ないという人もいますし、初めてのフルマラソンが愛媛マラソンという人も少なくありません。

その結果、10kmも行かないうちにリタイヤする人もいますが、チャレンジしたくなるイベントがここにあるというのが、素晴らしいことです。地方都市というのは、どうしても現状維持を重視しがちですが、愛媛マラソンというチャレンジがあることで、この地の若い人たちは挑戦することの学び、それが地域の活性化につながります。

愛媛マラソンの市民ランナー化は、当時の知事と市長が強い想いを持って実現しました。すべての愛媛の人たちに喜んでもらうため。その結果が、日本中からランナーを集めることになりました。

人気の高いマラソン大会の特徴のひとつに「地元の自治体が本気になっていること」というものが挙げられます。愛媛マラソンはなんと県知事と松山市長がランナーとして参加します。

こうなると、自治体は力を入れるしかありません。そして知事と市長が走るなら自分でも走れるんじゃないかという、可能性を感じる地元の人たちが増えます。地元の人が走れば「○○さんが走っているから」と、コース近くに家がある人たちが沿道に出てきます。

そして、日本でもトップレベル沿道が盛り上がる大会になっています。

愛媛マラソンの魅力は沿道の盛り上がりだけではありません。充実したエイドと、喉が枯れるほど声を出し続けてくれるボランティアの応援も、その魅力を支えています。

愛媛マラソンのエイドでは、地元の銘菓がこれでもかというくらい出されます。人気の一六タルトのエイドでは3種類のタルトが用意されます。ポンジュースも1ヶ所で提供されています。

地方の大会は、同じようなことをしたくても、しがらみなどがありなかなか思い切ったエイドを出すことができません。ところが愛媛マラソンは本物のランナーファーストの考えが浸透していて、そのために何をすべきかを優先しています。

力技でマラソン大会を作っているところもあるので、ある程度の批判はあるとは思いますが、それでも多くのランナーが走りたいと思える大会に成長しているのは事実です。

この素晴らしい大会を、1人でも多くの人に体験してもらいたいとは思うものの、これ以上の人気大会になると、自分が抽選から外れるのではないかという危惧があります。さらには地元の当選者も減るかもしれません。

そして、組織が大きくなってくると、発足当時の想いというのが必ずしも引き継がれるわけではありません。ですので、正直なところ現在のサイズで、現在の他県と県内の比率でこれからも続いていくといいなと感じます。

道後温泉という観光スポットもあり、瀬戸内海の美味しい魚があり、ついつい進んでしまう地酒もあります。観光という点でも魅力的な街に、全国屈指のフルマラソン大会がある。こんな素敵なことはありません。

もし、まだ伊予国を駆け抜けたことのないのであれば、ぜひ来年の愛媛マラソン参加を視野に入れて見ませんか?苦しいレースになるかもしれませんが、松山空港を離れるときに「また来よう」そういう想いが高まっているはずです。

その半数以上が「来年はもっといいタイムで」という想いを抱えている可能性がありますが、それも含めて愛媛マラソンの魅力です。決して楽なコースではありませんが、退屈なコースでもありません。

ちなみに国内レースで、男性なら3時間30分、女性なら4時間以内に走っていれば、優先的にアスリート枠で参加できます。抽選は3倍前後になることが予想されますがアスリート枠で早期に申し込めば、申請が必要ですが確実に参加できます。

もちろん愛媛マラソンでそのタイムをクリアすれば、申請も必要なく、愛媛マラソンから案内が送られてきます。持ちタイムがクリアしている人は、ぜひ優先枠を利用して、申し込みして下さい。

愛媛マラソン
https://www.ehimemarathon.jp

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