マラソン会場に行くとスタート前に一生懸命準備運動をしている人がいます。でもスタート位置に並んで30分は待たされることも珍しくないのですが準備体操って意味があるのか疑問に感じているランナーさんいますよね。
実は準備運動が必要な人とそうでない人がいます。準備運動が意味ないどころかむしろマイナスになってしまう場合もあります。意味のある準備運動を行うにはどうすべきか考えていきましょう。
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4時間以上走るランナーに準備運動はいらない
フルマラソンが4時間以上かかるなら準備運動は必要ありません。ランニングクラブなどでは入念な準備運動を指導しますが、ほとんどの場合が習慣で行っているに過ぎません。
とくにレース前に1キロ以上走る人がいますが体力の無駄です。
サブ4を狙うなら多少の準備運動をしたほうがいいかもしれませんが、経験上サブ3.5よりも速くなければ準備運動は体力の消耗につながることのほうが圧倒的に多くなります。
サブ3.5を狙うにはスタート時から一気にスピードを上げて心臓に負荷をかけるため、まずは準備運動で心拍数を上げて体をその心拍数に慣らしておくことが必要になります。それでも100m走を5本ぐらいがいいところでしょう。
それよりもスピードが遅い人はスタートしてから体をほぐしていくぐらいがちょうどいい感じです。スタートの波に飲み込まれないでじっくり心拍数を上げていきます。焦る必要はありません。周りは後から勝手に落ちてきますから。
可動域を広げること、筋肉を柔らかくしないこと
不用意なストレッチはしないでください。静的ストレッチと呼ばれるストレッチはマラソンを走る上で走りの効率を下げてしまいます。静的ストレッチ、動的ストレッチがわからない人は「ストレッチはしない」のほうがまだましです。
動的ストレッチで可動域を広げる+心拍数を高める。これが準備運動の基本です。いきなり走りだすための準備をするから準備運動です。
アップで100m走るときも意識するのは可動域です。可動域をいかに気持ちよく走れる状態のときと同じに出来るかを考えてください。マラソン大会は午前中に行われることが多いので、寝起きの体は可動域が狭くなっています。
ただこの可動域も走っている間に広がっていきます。ゆっくり走る人はあまり気にする必要はありません。
準備運動をしてもスタート整列でほぼ効果は消える
でもやっぱり体を動かしていないと不安だというのは真面目な日本人の典型かもしれません。でも体を動かすことができないスタート地点で30分も待っていたら準備運動したことなんて全部水の泡です。
心拍数を上げても体温を上げてもスタート時には確実に元の状態に戻っています。
そう考えると準備運動の役割は寝ぼけている体を起こしてあげるぐらいの効果しかないということです。朝起きて硬くなっている体をほぐす。いきなり心拍数をあげても驚かないように心肺を慣らす。それだけです。
スタート前からガンガン走るほうが調子がいいという人は別として、普通の市民ランナーは準備運動なんてしなくても問題ありません。みんながやっているからという理由で準備運動するのではなく、自分の走りに合わせて自分流でスタートまでの準備をしましょう。