【連載】ハダシスト重松・サブ3への挑戦 vol.11

ケガと風邪だけには気をつけていたつもりだったが、やらかしてしまった。ウーバーイーツの配達を終えて、自転車に乗ろうとしたときに左胸がピキッとなる。何が起きたのか自分でもわからないのだが、はっきりしているのは、それから数日経過して、痛みがMAXになっている。

肋骨を傷めたか、もしくは胸筋のトラブルかはわからない。ただ痛いし、走るときにはちょっとかばうようになっている。愛媛マラソンまで、まだ3週間もあるので、あわてるようなことではないのだが、こういう些細なことが致命的になる。

そのケガが原因というわけではなく、練習量が激減している。しているというよりは、1ヶ月前になったので意図的に減らしたところだ。それに先週からウーバーイーツの配達をしているので、とても走れるような時間を確保できない。

だが、2週間の配達を経てわかったことがある。ウーバーイーツの配達はトレーニングになるということだ。

食べ物を運ぶ仕事なので、仕事の忙しさにはピークがある。11〜14時、18〜21時のそれぞれ3時間。そこにプラスマイナス30分ずつつくので、自転車を午前と午後に約4時間ずつ漕ぐことになる。電動アシスト自転車だが、かなりのエネルギーを消耗する。

最初の数日は夕ごはんも食べられないくらいに疲弊したが、2週間を経過して自分のペースも掴めてきたし、緊張も解けてきたのだろう。配達ではあるが、トレーニングだと考える余裕も出てきた。

もちろん稼ぐことも大事なのだが、ライターとしての仕事もあるので、私の場合は2日稼働で1日休みというペースで問題ない。2日稼働の間は自転車の筋肉は使っているが、ランニングの筋肉は休めているから、1日の休みでポイント練習をすればいいことになる。

なんて合理的なライフスタイル・ワークスタイルだろう。これを1年前からやっていれば、間違いなく今年の愛媛マラソンでサブ3を達成していたはずだ。毎日8時間もトレーニングに使えるのだから成長しないわけがない。

だが、このウーバーイーツトレーニングがどれくらい走りにプラスになるかは未知数だ。むしろマイナスになる可能性だってある。だが、私たち市民ランナーはいつだって与えられた環境の中でベストを尽くすことしかできない。

1つだけ大きな変化がある。

体の絞れ方が尋常ではない。鏡見で見た姿がただものではない雰囲気を醸し出している。ただのウーバーイーツ配達員なのに。食事はかなり気を使っていて、炭水化物を積極的に摂っている。糖質制限をしている人が卒倒するくらいの量だ。

それでもまだ足りておらず、連続稼動をすると頭が回っていないのを実感する。毎日がフルマラソンを走った翌日のような感覚。論理的に物事を考えられないし、小さなミスを繰り返す。それだけ体が鍛えられていると前向きには考えている。

ただ、今回のように胸を傷めてしまうこともある。場合によっては交通事故の危険性だってある。だから、頭はいつだってスッキリした状態に保ちたい。そう考えたときに、糖質は絶対に必要なのだ。

もし、トレーニングとしてウーバーイーツ配達が効果的なら、ウーバーイーツを使ってプロランナーを目指すなんてことも可能になる。きっと、数年後にはそういう選手も出てくるのだろう。面白い時代になったものだ。

現代版の飛脚といったところだろうか。普段は飛脚で鍛えて、レースで日々のトレーニングの成果を発揮する。これまで、ありそうでなかった働き方ではないだろうか。瓢箪から駒というが、稼ぎたいだけで始めたウーバーイーツは、思わぬ可能性に満ちている気がする。

ケガや事故のリスクは伴うが、「配達=トレーニング」という考え方がベースにあれば無理をしなくなる。だが、まだこれは机上の空論でしかない。すべては愛媛マラソンでサブ3を達成してから語るべきこと。

次の日曜日は赤羽ハーフマラソンに出場する。まずはそこで自分の現在地を確認するとしよう。余裕を持っての1時間30分、もしくは追い込んでの1時間25分が目標だが、思い通りにいかないのがマラソンだ。それも含めて楽しんでこよう。

午前午後
2020.1.10(金)JOG:6.5kmJOG:13km
2020.1.11(土)JOG:4.5km
2020.1.12(日)JOG:6.5km
2020.1.13(月)JOG:6.5km
2020.1.14(火)JOG:6.5km
2020.1.15(水)JOG:6.5km
2020.1.16(木)JOG:6.5km
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