コロナ禍において、最も実施されているスポーツがウォーキングです。笹川スポーツ財団の調べでは27.4%の人がウォーキング、15.8%の人が散歩を日常生活の中で行っています。ランニングは6.5%ですので、ランナーよりもウォーカーのほうが圧倒的に多いわけです。
ただウォーキングの指標は「1日1万歩」といったものしかなく、運動経験のない人がこれをいきなり行っても、膝や腰に必要以上に負担がかかるだけで、つらくなって継続できません。もっと効率的にスポーツとしてのウォーキングを楽しんでもらいたい。「定年後から始めて一生歩ける! 最大効果のウォーキング」はそんな想いが込められた1冊です。
ウォーキングや散歩をする人が減っている
笹川スポーツ財団が行った調査によると、2020年2月~2021年1月の期間中に行った運動の割合は次のようになります。
ウォーキング:27.4%
散歩(ぶらぶら歩き):15.8%
筋力トレーニング:11.1%
ジョギング・ランニング:6.5%
体操(軽い体操、ラジオ体操など):4.9%
思った以上にランナーが少ないようですが、今回はウォーキングをメインにお話するので、それは置いておくとしましょう。ウォーキングと散歩を合わせると43.2%にもなります。ただこれは、2019年2月~2020年1月の期間と比較すると全体的に実施率が下がっています。
コロナ禍ということもあり、免疫力アップや運動不足解消に積極的に歩いている人も増えてはいますが、それ以上に感染予防として外に出なくなった人が多いようで、あまり好ましい状況ではありません。いまは問題なくても、高齢になったときに自分の足で歩くだけの筋力がなく、寝たきりになってしまうリスクがかなり上がってしまいます。
できればランニングやジョギングをして、足の筋力や心肺機能を高めてもらいたいところですが、運動経験の少ない人がいきなりランニングというのは危険なので、最初のステップはウォーキングです。ただ、そのウォーキングも自己流で行ったのではケガのもとです。
正しい知識でウォーキングを学べる1冊
「定年後から始めて一生歩ける! 最大効果のウォーキング」はウォーキングでこれまで常識だと思われていたこと(ウォーキング神話)を徹底して見直し、最新の研究結果に基づいて正しいウォーキングを促すための1冊です。
例えばこれまでウォーキングは1日1万歩歩けばいいとされてきましたが、本書ではこの勘違いについて説明し、どのような負荷でウォーキングをすればいいのかを解説しています。もちろん具体的なウォーキングの手順やコツも掲載されており、スポーツとしてのウォーキングを正しく行えるようになります。
著者は数多くのトップアスリートやチームのトレーナーを歴任してきた中野ジェームズ修一さんです。近年は超高齢化社会における健康寿命延伸のための啓蒙活動にも注力しており、「定年後から始めて一生歩ける! 最大効果のウォーキング」はその一環として出版されました。
中野ジェームズ修一さんは専門的な言葉を省き、わかりやすく説明してくれることで知られています。本書も誰でもすぐに理解し、実践できる内容になっていますので、運動不足が気になる人や、正しいウォーキングを実施したい人、親の運動不足が気になるという人におすすめの1冊です。
目次
Prologue
第1章 ウォーキング神話を再検証
第2章 効果的なウォーキングってどんなもの?
第3章 ウォーキングの効果を最大化するための6つのステップ
第4章 ウォーキングと組み合わせる筋トレ
Column1 散歩とウォーキングはどう違う?
Column2 脳トレよりもウォーキングが脳に良い理由
Column3 103 歳の祖母も筋トレ中!
書籍情報
定年後から始めて一生歩ける! 最大効果のウォーキング
著者:中野ジェームズ修一 著
書籍:1,540円(税込)
電子書籍:1232円(税込)
出版社:CCCメディアハウス
ISBN978-4-484-21202-9