台風の影響で、初日のスタート前から荒れた天候になってしまった宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンですが、会場は昨年以上の盛り上がりと、熱いランナーたちの戦いが繰り広げられました。
ただし、大雨の影響は大きく、コースの一部はヒザ下まで冠水しているような状態になることもあったのだとか。
そんなコンディションにも負けず、神奈川県を中心に集まったランナーたち。
優勝狙いのチームもいれば、練習の一環として取り組んでいるチームもあります。この大会の良さは、さまざまな選手が揃っているにも関わらず、決して殺伐とした雰囲気にならないことです。
他の24時間リレーマラソンでは、速いランナーが遅いランナーを押しのけて走る姿がよく見られます。遅いランナーのすれすれを走ったり、暴言を吐いたりするランナーも他の大会にはよくある光景です。
宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンにはそういった、参加するランナーが不快になる要素がまったくなく、道は譲り合い、そして速さに関係なくお互いをリスペクトしあう雰囲気があります。
しかも今年は走るのが困難なくらいの大雨の中での前半戦でしたので、そこにいるすべてのランナーが一体となって、雨に向かっていたような気がします。
ただ雨が降ると、テントを張っている公園内の芝生が濡れてしまい、テントからスタート地点に行くだけで、シューズが泥だらけになるようなハプニングも発生します。
トイレなどもいたるところが泥だらけ。大会後の修復作業が心配です。
何年か前には強風でテントが飛んでしまい、大会が途中で終了した年もあったそうです。宮ケ瀬湖のある大自然と向き合いながら走る宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンは、天のいたずらとも思える天候を向き合うことが多いようです。
あまりにも雨がひどい状況では、いくつかのチームが走るのを見合わせていたようです。24時間もありますので無理は禁物ですが、雨にも負けず、果敢に走り続けたチームが上位に入ってきます。
雷がなかったことも幸いして、雨でも大会は混乱なく進行し、夜中には星空が見えるほどの晴天でした。大量の雨と湖の近くということもあり湿度が高く、待機中は涼しくても走っているときには大量に汗をかきます。
それでも大会側が上手に熱中症対策をしているため、大事になることはなかったようです。
宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンのコースは宮ケ瀬湖の湖畔の公園内の1周約1.8kmの周回コースになります。スタート直後に上りと下りがあり、ランナーのペースを大きく乱します。
絶妙なコースレイアウトが走るランナーを苦しめ、それでも「次はうまく走ってやろう」という気持ちも掻き立ててくれます。
24時間リレーマラソンというのは、何も楽しみは走っているときだけではありません。走っていない時間の同じチームのランナーと一緒に過ごす時間こそ、24時間リレーマラソンの醍醐味です。
いつもの仲間で参加しているチームはその関係がより深いものになり、はじめましてのランナーが集まるチームは、これまで知らなかった世界を知るきっかけになることもあります。
チームメイトが疲れて走れないときは誰かが代わりに走ることで、支えあい、そして支えてもらったランナーは自分にできる範囲で、また別のランナーをサポートします。
そうやって人の輪が広がっていくのも宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンの魅力のひとつです。
参加チームの中には大学の走友会などもあり、トップはかなりのハイレベルになります。最も速いランナーは3:00/km以上のスピードで走っています。そういうランナーと同じコース上を走ることも、多くのランナーにとって刺激になります。
人間がここまで速く走ることができるのだということを肌で感じることで、自分ももっと速くなりたいという気持ちが湧いてきます。もしかしたら、こういうところから日本のランニング界は底上げされていくのかもしれません
大会終了の30分前くらいから、コースの沿道には次々と参加者が集まり始めます。そして最終的にはコースのいたるところでハイタッチが始まり、すべての参加者が一つになっていきます。
そして午前10時、あっという間に過ぎていった24時間が終了を迎えます。
スタート時の荒天がウソのように、太陽が参加者を照らし続け、すべてのランナーは安堵の気持ちと、達成感に満たされます。やっと終わったという思いと、終わってしまうことが残念な気持ち。
それはまるで子どもの頃の、夏休みの最終日のような感覚です。
後片付けを終えて帰途につくときに多くの参加者が思うこと、それは「大変だったけど、来年もまた宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンに戻って来よう」という決意ではないでしょうか。
優勝や入賞したチームだけでなく、満足できない記録に終わったチームもまたここに戻ってきたくなる、宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンはそんな魅力が詰まったリレーマラソンです。
もしいつも一緒に走るラン仲間がいるならば、ぜひ仲間を誘って宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンに出てみませんか?ともに喜び、ともに苦しむことで生まれる仲間意識。
仲間と過ごす真夏のランニングイベントとして、宮ヶ瀬湖24時間リレーマラソンはおすすめです。
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