
RUNNING STREET 365がサポートしている万里の長城マラソンの2026年春大会が、中国北京で開催されました。世界各国から約200名のエントリーがあり、日本からは34名が参加しました。日中関係が複雑化して、どうなることかと思いましたが、コロナ禍以降最大規模での開催となりました。
興味深いことに日本の参加者はこれまでと違う傾向があり、万里の長城マラソンの可能性を感じさせられる大会となりました。ここではRUNNING STREET 365スタッフが写真撮影しながらハーフマラソンを走り、そこで混じたことをありのままお伝えしていこうと思います。
参加者の幅が広がった万里の長城マラソン2026

RUNNING STREET 365がサポートしている万里の長城マラソン(Great Wall of China Marathon)は春と秋の年2回開催されます。利用する万里の長城は永恒長城で、地元の人たちにもあまり知られていない長城を走ります。とても小規模な大会ですが、どういうわけか今年は比較的若い年代の参加者が増えました。
種目も5kmと10kmが多く、以前は難易度の高さで注目されていたからか、シリアスランナーの壁を越えていったような、少し変わったランナーの割合が多い傾向にありました。ところが今年は、これまでよりも少なめ(それでも、興味深い経歴を持った人が多数いましたが)。

また、今回は84歳の方が5kmに参加。驚いたことに、5kmを完走されただけでなく、5kmのスタート地点から2.5km離れた大会会場まで歩いて帰られました。その方は少し特別かもしれませんが、「万里の長城に行ってみたい」くらいの層が増えた感じがあります。
そして、タイムや順位ではなく、小学校で習った万里の長城というロマンだけで成立している建造物をひと目見ようというノリで、家族や友人と参加される方も増えた感じがあります。仲間と楽しむというのは欧米の方も同じで、今年はロシアから40名を超える参加者がやってきました。

参加者が増え、そして参加者の幅も広がったというのが今回の印象です。新しい万里の長城を使うようになってから、万里の長城を走れる区間は減ったのに、むしろそこに魅力を感じる方が増えたのかもしれません。かつては「世界一厳しいフルマラソン」という路線でアピールしてきましたが、どうやらそろそろ方向転換が必要なのかもしれません。
実際に「Instagramを見て」という方もいて、映える大会という印象が広まったのかもしれません。若者に受けるというのは考えもしなかった方向性ですので、ここからさらにそちらの路線も拡大していきたいところです。とはいえ、まだまだ小規模な大会ですから、試行錯誤しながら知名度を上げていけたら。
走りやすいコンディションでも簡単ではない万里の長城マラソン

春の万里の長城マラソンは毎年5月1日に開催し、秋は10月末の日曜日に開催しています。このため、春は暑くて、秋が寒い傾向にありますが、今年の春大会は薄曇りの天気ということもあり、暑さがそこまで厳しくもなく、春としてはベストコンディションで開催になります。
ちなみにGW開催だとフライトが高いのでは?と思うかもしれませんが、早めに予約すると4万円台のフライトもあり、私はHISを利用して約4万円で直行便を確保できました。ANAでもタイミングによっては5万円程度で往復できるので、北京は観光地としての人気があまり高くないのもあり、そこまでフライト代が高くありません。

いずれにしても、走りやすさを考えれば環境はベスト。薄曇りとはいえ、午前中は青空も広がっていたので、それこそ写真映えする風景が広がっていました。午後はゆっくりと雲が広がりましたが、その頃にはフルマラソンの後方のランナーしか万里の長城を走っておらず、上々の環境で開催できました。
心配していた風もそれほど吹かなかったのもあり、参加したランナーも薄着の方が多数。スタート時には涼しく、標高1,000メートル前後の長城まで上がったときも少し空気が冷たく感じましたが、そんなものは階段を数段上がっただけでなかったことにされ、体の芯から熱を感じるように。

それと同時に、脚力が削られていくのを感じます。万里の長城マラソンではまずトレイルで脚力を削られ、そして階段で削れて、あっという間に走れなくなります。ただ、足が動かなくなってからが万里の長城マラソン。春はとくに気温が高いのもあって、その瞬間はすぐにやってきます。
春と秋でどちらがいいですかとよく聞かれますが、万里の長城マラソンにはそれぞれに違った魅力があります。春は新緑と万里の長城のコントラストが美しく、秋は枯れ山に聳え立つ壮大な万里の長城と透き通った空気があります。なので、できふことなら、どっちも走ってもらいたいところです。

万里の長城をそれぞれの楽しみ方で満喫する

万里の長城マラソンの参加者の幅が広がったのもあり、楽しみ方もかなり幅広くなっています。やはりタイムや順位を大切にするランナーは一定数いて、スタートから飛び出す人も少なくありません。自分もかつてはそこにいたのにと思いながら、まずはみんなのスタートを撮影して、最後尾から走り始めました。
ただ、トレイルの入口が混むことは知っているので、できるだけランナーを抜いて前の方にと思っていたら、そこそこの暫定順位に。ここ最近はトレランシューズで走っていましたが、いろいろあってロードシューズにしたのが良かったのかもしれません。

万里の長城マラソンはトレランシューズとロードシューズが半々。どちらが正解ということはないのですが、タイムを狙うなら最近流行りのグラベルシューズがいいのかもしれません。ちなみに、今回履いたのはアシックスの「NOVABLAST 5 TOKYO」。これが上手くハマった気がします。
ただ、私のレースは万里の長城に到着するまで。そこからはカメラマンなので、走っては止まって撮影の繰り返し。セルフインターバル。とにかくできるだけ多くの参加者を撮影したいので、どちらにしてもスピードに乗って走ることはできません。ただ、それぞれがどう楽しんでいるかを見ることができます。

秋の大会でもありましたが、万里の長城でブチ撮影会をしている若い子もちらほら。普通のマラソン大会では見ることのない光景で、でもこれからはそれが万里の長城マラソンの色のひとつになるのかもしれません。万里の長城で写真を撮るのが若者の間でトレンドになってくれると嬉しいのですが。
私たちが利用する永恒長城は基本的に観光客はいなくて、ハイキングをする人たちが数組いるくらい。だからこそスピードを出して走ることもできますし、撮影会もできます。自分のスタイルで楽しめるから、これからもっと面白いことをする人も出てくるのかもしれません。
最新の北京を体感できる万里の長城マラソン

万里の長城マラソンでは、前夜祭を行ったり、大会翌日に観光ツアーを行ったりしています。ただ万里の長城を走るだけではなく、北京を好きになってもらいたい。そんな想いで日本事務局の運営をしています。そのために重視しているのが、少しディープな北京を体験してもらうことです。
もちろん大前提にあるのは、万里の長城を楽しんでもらうこと。それでも、予想を遥かに上回る美しい風景がそこにあったとしても、それを見たくて参加するわけですから、大きなサプライズにはなりません。でも、美味しい食べ物やローカルな雰囲気を体験することは、大きなサプライズになり、「また行きたい」となる可能性があります。

万里の長城マラソンは「北京って面白いかも」と思ってもらうきっかけ。正直なところ、昨年からの日中関係の複雑化はとても大きな向かい風になりました。でも、北京に来てみれば、日本人に対するネガティブな想いはまったく感じることはなく、むしろこれまで以上に親切な気がします。
そういうものも含めで、最新の北京を体験してもらう。それこそが万里の長城マラソンの大きな目的のひとつです。たった34名の日本人参加者かもしれませんが、アフターコロナは私だけの参加から始まり、1桁台の参加者数も経験しての34名。着実にその輪が広がっています。

向かい風だと思っていたら、追い風が吹いていた。そんな印象の万里の長城マラソン2026。まだまだ運営としていたらない点もありますし、大人数になると対応しきれないところもあり、改善点が多々あります。でも、そろそろコロナ禍前の日本人100人の参加者数を目指してもいいのかなと。
次は秋大会。今年は10月25日(日)に開催されます。そこで今回の人数に迫るくらいの参加者を集めることが目標。秋はとにかく中国の料理が美味しくなる季節。近日中に受付開始しますので、ぜひ最新の北京を体感しに、万里の長城マラソン2026秋への参加をご検討ください。
万里の長城マラソン:https://greatwallrun.com
